現在位置の階層

  1. トップページ
  2. 治水課
  3. 治水事業
  4. 十勝川中流部の川づくり
  5. 十勝川中流部川づくりワークショップ
  6. 十勝川中流部川づくりワークショップ(第7回)議事概要

十勝川中流部川づくりワークショップ(第7回)議事概要

十勝川中流部川づくりワークショップ(第7回)議事概要

日時: 平成23年7月9日(土)9:00~14:30
場所: 現地視察 及び とかち館1階 丹頂の間
出席状況: ワークショップメンバー(全25名):現地見学18名、意見交換17名が参加
      オブザーバー(全5名):5名が参加

議事概要

1.現地見学(9:00~12:20)
・前回までのワークショップで引き続き検討することとなっていた、音更川合流点上下流、相生中島上流、十勝中央大橋下流地区について、特に、河畔林や中洲、川岸の状況などについて現地視察を行った。
2.意見交換(13:10~14:30)
・現地視察を行った箇所について、上流から順に、地区ごとに意見交換を行った。
・「音更川合流点上下流」では、主に左岸側の河畔林の伐採に関して、川と人との関わり、野生動物との関係や治安上の観点、河川空間の利用の観点から様々な意見が出された。また、比較的直線区間の中で掘削については、川の自由度を高めて瀬と淵が形成できるような川づくりがよいとの意見が出された。
・「相生中島上流」では、左岸側に草原が広がる中で、河畔林の連続性を踏まえ、今回の川づくりにケショウヤナギの世代更新に配慮した試験的な取り組みについて提案があった。
・「十勝中央大橋下流」では士幌川合流点付近の整備等について意見が出された。
3.第8回WSへの確認
・次回ワークショップでは、今回の意見を踏まえて事務局で整理した案を提示し、それに基づいて議論していく予定。
  • 現地視察の状況 現地視察の状況
  • 意見交換の状況 意見交換の状況

【十勝川中流部川づくりワークショップ(第7回) 議事要旨】

1.全体討議
[音更川合流点上下流について]

(メンバー)

・高水の水位計算を行う際、中水敷・高水敷の樹林(疎林・密林)の阻害率をどのように考えて断面を決定しているか。

(事務局)

・樹木が密に生えているところは、そこの部分に水を流すことができないということで、100%阻害するものとして計算している。疎に生えている所については、30%程度は水が流れることを想定して計算している。

(メンバー)

・川づくり案では左岸の樹木を保全し右岸を掘削ということだが、今日現地を見た限りでは樹木の状態は左右岸で差はなく密生しているように思う。右岸側を直線的に掘るのではなく交互に掘削するなど、昔ながらの蛇行できるような川としてはどうか。樹木についても左右岸のどちらか一方を伐るのではなく、両岸を疎林化するなどを検討しても良いのではないか。

(メンバー)

・十勝川中流部では、音更川合流点下流から相生中島までの4~5km区間は直線的だと感じている。一方で、鈴蘭大橋から十勝大橋の間がSカーブになっていて、都市河川の中では自然的な景観になっているように思う。そのような観点から、音更川合流点下流から相生中島までの区間については、水衝部に護岸を行うこととして、決められた範囲を十勝川が自由に蛇行できるようにしたい。

(メンバー)

・堤防の間を川が自由に動けるようにするのは良い考えだと思うが、わざと蛇行を誘発するようなことをしてしまうと、人間の制御では手に負えなくなることが起こりうる。ある程度余裕をもって川が自由に動けるようにすることは大事だが、わざわざ蛇行させる仕組みをつくるのは技術的に難しい。

(メンバー)

・直線化された河道に蛇行の「種」を植えるというのもこれからの川づくりだと思う。リスクに対しては護岸や水制工を上手く活用することし、水生生物の住処となる瀬や淵ができるようにしてはどうかと思う。

(メンバー)

・瀬や淵については、砂州の形成という仕組みでは可能だと思う。是非やっていただければと思う。

(座長)

・大規模な蛇行はなかなか難しいとは思うが、瀬・淵をある程度維持できるような 形は可能だと思う。

(メンバー)

・今日、音更川合流点下流の堤防上から十勝川の方を見てもらったが、10年前には十勝大橋の橋桁や川も見えていた。今では中水敷のヤナギが密生して両方とも見えなくなっており、川に親しめるような環境がなくなった。また、キツネも雪解けとともに出てきたほか、春の全町一斉ゴミ拾いではここの河川敷でトラック6台分のゴミを収集した。そのような状況があって、住民としては中水敷の密になったヤナギ林を伐採する資料-3のP.6代替案①でお願いしたい。

(メンバー)

・川と人との関わりという面では、今日高水敷でサッカーや野球をしている姿を見ていて、堤防の中でもそういうスポーツや文化が育っていると思った。私もウォーキングや自転車などで利用しているが、河川敷の公園などについては良く利用されているところと全く利用されていないところがある。たとえば、帯広市側に川狩り広場があるが、川狩りは昔は河原で石を組んで体験したものだが、サッカー場などと同じエリアにあることは唖然とする。河川敷の遊歩道を歩いたりサイクリングしたりする人は私を含めて時々いるが、虫があれほどたくさんいる中に車椅子で入る人はあまりいないのではないかと思う。このような場所にアクセスするためのスロープが必要なのか、ベンチが必要なのか、その辺は常に検証しながら人と川との関わりを新しいステージで考えてはどうかと思う。

・下士幌で草原を見せて頂いたが、あれだけの面積の草原は近郊ではなく、鳥などにとって貴重な自然だと思う。その辺りも含めて、川と人との快適な関わりについては検証しながら進めていきたい。

(座長)

・最近はサステナブル(持続可能)な考え方もあり、川の利用の仕方についてもきちんと責任を持って利用するようなやり方が必要になっていくと思う。全く利用しないものをそのままにしておくということが問題であるので、開発局と帯広市さん、音更町さんの関係をもう少し密にして頂くことが必要と思う。キツネの問題については、どのように考えていけばよいか、コメントをお願いしたい。

(メンバー)

・音更川合流点下流に限って言えば、密だからキツネが入ってこないだけで、疎林化するとかえって入ってきやすくなる。キツネ対策だけを考えると、全部伐採するか、密のままの方が良い。ただし、治安等のことを考えると密のままとはいかないのかもしれず、難しいところであるが、そこを兼ね合わせて考えていったらよいと思う。

[相生中島上流]

(メンバー)

・礫河原の樹林化が進んで、ケショウヤナギの稚樹、幼樹の生育環境が減少してお り、将来の更新が心配されている。今日視察した相生中島上流のところは、母樹になるケショウヤナギが沢山あるので、将来の更新に配慮した試験的な箇所を設けたらどうか。現在、札内川の南帯橋から上流で調査に入っており、昭和40年代に護岸工事を行ったところでもケショウヤナギの実態を調査しているので、それを参考にしながら、裸地化による草地の樹林化なども試験的に行ってはどうかと思う。

(メンバー)

・この場所は45年ぶりに訪れたが、当時は相当鬱蒼とした感があり、この45年の間に木が更新されたように思う。試行地については湿地を作っても洪水のひき際に土砂を置いていかれるのではないかと感じた。試行錯誤でつくって様子を見ながら工夫を加えていくことが大事だと思う。また、掘削する箇所の水際には色々な工夫を加えていってほしい。

(事務局)

・相生中島上流の箇所は、昭和56年の洪水の際に一度樹木が流失し、更新されている部分がある。右岸側の湿地環境を造成する箇所については、土砂がたまる場合もあると思うが、人の手で維持するのではなく、自然の成り行きに任せる方法もあると考えている。

(メンバー)

・ここの湿地はできるだけ大きなものにしてほしい。河岸に残る河畔林が土砂を抑える役割になるのではないか。また、伏流水が出てくると良いと思う。

(メンバー)

・ここで言う湿地環境とは、今日、最後に視察した相生中島の工事箇所の下流にある池をイメージしてよいのか。

(事務局)

・相生中島上流では、ヤナギなどの再樹林化を防止することが目的であり、池というよりもっと浅い水域の環境をイメージしている。

(座長)

・相生中島上流の右岸側については、湿地環境をできるだけ大きくつくるということでまとめたい。

[十勝中央大橋下流]

(メンバー)

・今日の視察で現地を見させてもらって非常に感動した。昔は川狩といえば、河原の石を組んで薪を焚いたりして色々やっていましたが、今はそういう場所がなくなり、子供たちはゲームばかりで遊んでいる。十勝という素晴らしい環境の元に住んでいるのだから、川の楽校で川のことを学んだり、森と魚の関わりやサケの生態などについての話を聞いたりすることで、川をもっと身近に感じられるのではないかと思う。これは子供たちばかりでなく、十勝の観光にも一役を担うこと ができるのではないかと考えている。先ほど視察した相生中島の広大な湿地やそこに来る野鳥なども含めて、こういう良い環境は他の地域にはないのではないかと思う。

(メンバー)

・十勝中央大橋下流の左岸側の、士幌川と十勝川の合流点付近の河道に土砂がたまってきている。その左岸側の小水路から流れてきた水が白鳥護岸にたまってきており、緑色の浮遊物が蓄積され臭いもある。河道の掘削が検討されている中で、士幌川合流点付近の整備についても検討願いたい。

(メンバー)

・士幌川合流点について、切り替えした後の見通しはどうなっているのか。

(事務局)

・士幌川については、土砂が堆積し水はけが悪かったことから、昨年度に合流点位置を上流の方に切り替えたところ。白鳥護岸のところが淀んでいるというのは、もしかすると切り替えによって下流に水が行かなくなったことが原因かもしれないので、現地を確認した上で、白鳥護岸の改修と併せて今後のことを考えたい。

[全体についての感想等]

(メンバー)

・十勝大橋と十勝中央大橋の上下流では洲の形成が大きいので、そこを掘削すれば川の自由度を上げることができるのではないかと思う。音更川合流点下流の樹木については、キツネとの関係について説明を聞いたが、地域住民の方の意見を踏まえると伐採した方が良いと思う。

(メンバー)

・普段見ることができない場所を今日は具体的に色々と見ることができたので、今年度のWSでは細かな議論ができるのではないかと思う。

(メンバー)

・高水敷は主に人が活用して、中水敷は小さな生き物が利用しているが、これが十勝の川づくりの一つの特徴だと思っていた。川狩り広場については、自然な石もないのに原っぱで何か違和感がある。中水敷の役割が十勝の川づくりに活かされ、場所によって分けていけばもっと良い川づくりになるように思う。

(メンバー)

・今日視察した中で、河畔林の中ではなく、河道の中の砂州に植生がついているところがあったが取り除く対策が必要ではないか。植生によって砂州が固定化し、礫河原がなくなる状況になっていると思う。

(メンバー)

・キツネの出没やゴミの問題に対しては、住宅地の近くの木を伐ることで少なくなるような気がする。川には人のにぎわいやふれあいの場としての機能もあるはずで、住宅地に隣接する箇所は木を伐ることも妥当ではないかと思う。

(メンバー)

・研究のために、十勝川、札内川、音更川、然別川、戸蔦別川の河畔林に5kmおきに26か所カメラを設置して、どのような動物が利用しているか調べている。今日視察した箇所ではタヌキが写っていた。河畔林で一番多く見られるのはキツネかと思ったら意外とシカであった。河畔林は連続していることも大切だが、良いことも悪いこともある。変なところを切ると、そこからクマやシカが川伝いに出てくることもあり、人間に支障を来すものが出てきかねない。このような事も踏まえて、河畔林をどうするか考える必要がある。

(メンバー)

・都市部の河川と都市から外れた部分の河川を分けて方針を考えるのが良いと思う。

(メンバー)

・川そのものが持っている自然のメカニズムから考えると、人間の都合で変えていくことは川には大きな負担になる。人間の方が賢いのだから、根本的には人間が川に合わせるように考えている。ゴミの問題についても自然の方を合わせるのではなく、人間の方にゴミを捨てるなと働きかけるべきで、人間の方が後から来ているのだから、そこに知恵を使うべきだと思う。

(メンバー)

・50年ぶりに相生中島地区を訪れて、改めて帯広・十勝の偉大な財産だと感じた。今日の議論の方向性には概ね賛成する。キツネに関しては我が家の近くも木が多くキツネが出てくる。キツネはエキノコックスの関係から嫌われているが、開拓時代にオオカミを絶滅させて現在エゾシカ食害に苦しんでいることももう少し考えて色々やっていくべき。人間も自然環境の一部であり、食物連鎖の中で生きていることを根底に据えて考えていきたい。

(メンバー)

・これまで、十勝の自然環境をテーマに学習会や自然観察会をしてきているが、このワークショップには事実をきちんと見て、学んで、検証しながら前に進みましょうというスタンスで参加している。この度の大震災との関わりで、福島県で芥川賞をとった住職、玄侑宗久(げんゆうそうきゅう)という方が新聞紙上で、「自然は操ることができないということを3月11日から学ぶべきだ」と主張されていた。この十勝でもかつて500年間隔で巨大地震があったことが地層の中の堆積物に見られる。大勢の人が命や財産、すべてのものを失った3月11日の事実を私たちはどこかできちんと受け止める必要があると思う。川づくりをテーマにワークショップをしている中で、検証しながら事実に基づいて、これからの安全や生活を考えながら進めていきたい。
3.座長総括
・災害はどこでも可能性があり、川づくりの中では、災害をできるだけ少なくし地域を安全にして生活できるようにするという視点が必要である一方、自然と人間 との関係では人間が自然に合わせることも必要と思う。科学的な解明もある程度必要で、考え方を共有しながら、ワークショップを進めていければよいと思う。

・今回の議論は、掘削する場所はあまり多くなく、河畔林の伐採をどうするかが中心であったが、中州の樹木は伐るべきとの意見については、河川の副作用を考えると非常に重要なポイントだと思う。また、河畔林の伐採については、連続性の面からは野生動物と人間の関係を考える必要があるという意見があった。その他、ケショウヤナギは大事な種との意見もあり、河畔林の扱い方はいろいろな多方面から考えていくべきと思う。

・次回ワークショップでは、今回の意見を踏まえて、事務局から整理した案を出してもらって、それに基づいて議論していきたい。

以上

リンク

お問合せ先

治水課

  • 住所:北海道帯広市西5条南8丁目
  • 電話番号:0155-24-4105

現在位置の階層

  1. トップページ
  2. 治水課
  3. 治水事業
  4. 十勝川中流部の川づくり
  5. 十勝川中流部川づくりワークショップ
  6. 十勝川中流部川づくりワークショップ(第7回)議事概要