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WEB広報誌 かいはつグラフ2014.2 インタビュー

インタビュー  ~十勝バス(株)野村社長~

 十勝バス株式会社代表取締役社長であり、シーニックバイウェイ北海道トカプチ雄大空間代表としても活躍されている野村文吾氏にお話を伺いました。
  • mrnomura1 野村社長
  • tokapuchimap トカプチ雄大空間の位置(右図赤い点線で囲んだ箇所)

道東自動車道は、道東圏と道央圏の間が直結されましたが、地元にいて何か感じる変化はありますか?

【野村社長】
 NEXCOの発表によると、道東自動車道を利用する自動車の台数は、平成23年の夕張IC・占冠IC間の開通後に増加しています。また、中札内村の道の駅は、全道有数の集客実績をあげていますし、域外からの観光客の入り込みが増えたことを実感します。
 十勝では、道東自動車道の整備が進む前、道央圏との間の移動が便利になることによって、域内の消費が札幌にもっていかれるとの不安の声がたくさんありました。そのような中、我々がシーニックバイウェイ北海道の活動団体として組織する「トカプチ雄大空間」は、交通アクセスの変化をむしろチャンスにして、外からの新たな消費を十勝に取り込んでやろう、そのために十勝の魅力を道央圏へ、さらには首都圏へ売り込んでみようというプロモーションから活動をスタートさせました。おかげさまで最近では十勝の認知度も上がり、マイカーだけではなく、十勝帯広空港の乗降客数も増加傾向にあるようです。
 以前の十勝では、個々の企業や団体それ自体が単独で何かしらの強みを持っている一方、「俺は」・「私が」が強すぎて互いに連携して何かに取り組むという意識があまり高くありませんでした。今は、「やり方次第で交通アクセスの変化から地域全体が利益を上げることができる」、「強い”俺”や”私”が連携すれば地域全体がますます強くなる」という意識をみんなで共有できつつあります。観光産業に関連する統計上の数字の向上自体も目に見える変化ですが、地域内の意識が変わってきていることが、何より大きな変化かもしれません。

連携の具体例として、ご紹介いただいたシーニックバイウェイルート「トカプチ雄大空間」の活動を中心に詳しくご紹介いただけませんか?

【野村社長】
 我々のプロモーション活動は、まず地域内でのプロモーション、次に道内他地域に向けたプロモーション、そして首都圏に向けたプロモーションというホップ・ステップ・ジャンプで、プロモーションのエリアを広げてきました。あえて最初に十勝域内でのプロモーションを丁寧に行うことで、連携の輪に広がりを持たせることから始めました。
 先頃「ベスト・シーニックバイウェイズ・プロジェクト2012」を受賞させていただいた「とかプチまる得めぐり券」(現在のとかちガーデンスイーツ温泉チケット)もプロモーション活動を一過性の取組に終わらせないためのツールの一つです。
gardensweets
 例えば、他地域でのプロモーションの結果、「十勝に行きたい」という気持ちになってくれた方々が、実際に観光客としていらっしゃったとします。でも、そういった観光客の方々の中には、十勝に良いイメージを抱いてやってきたものの、どこで食事をとろうとか、何をお土産に買って帰ろうとかは、行ってみてから考えようという方々も多いのです。そういった方々には、どこの何々が美味しいですよといった楽しみの目的を提案してあげないと、なかなか地元での消費につながりませんし、それは地元の我々が行わないことには誰も代わってやってくれません。食べ物や楽しみを限られた時間の中で有効に探したい観光客の方々には、むしろおもてなしの一つだと思います。
 我々は、1枚で加盟のガーデン施設の入場、スイーツ施設での所定の飲食、温泉の日帰り入浴などから、お好きな場所3か所を楽しむこともできるチケット の発行を通じ、観光客の皆様にお勧めを提案します。1人で3か所で使えるのはもちろんのこと、3人で1か所という使い方も可能ですので、お客様には無駄なく使っていただくことができます。
 一方、事業者サイドから見ると、チケット価格は、各施設の平常の料金設定に比べて割り引いた価格に設定していますので販促活動の一環です。しかし、1枚で3つの楽しみという特徴から、各事業者が知らず知らずのうちにお客をお互いに送り込んでいく構図でつながり、自ずと地域が連携したプロモーションへ取組が深まっていきます。観光客にとっても地域にとってもメリットをもたらすシステムです。

今後に向けたシーニックバイウェイ活動の展望、さらには地域の将来への期待をお聞かせください。

mrnomura2
【野村社長】
 我々のシーニックバイウェイ活動は、美しい地域を将来の世代に引き継ぐためにこそ、連携の取組を一過性のブームに終わらせない経済的な成果が必要だという考えの人間が集まったところからスタートしました。
 当時、シーニックバイウェイ北海道というと、ボランティアによる道路沿線の清掃活動や景観の維持といった活動を指すイメージが強かったので、我々「トカプチ雄大空間」のように、経済振興を直接的に目指す活動団体は異質な存在でしたし、事実、他の地域のシーニックとは違う発展経路をたどっているでしょう。しかし、現実に活動の中で育成してきた地域コンシェルジュたちが、十勝川温泉を始めとする観光の場で、就業の機会を得るなど、様々な経済的な成果を実感し始めています。
 北海道の観光は、これまで道央や道南地域に支えられてきましたが、十勝には、道外から観光客が北海道に対して持つイメージそのもののリアルな北海道があります。次のステップとしては、観光振興をより明確なキーワードに、連携の輪を道東全体に広げていくことを目指しています。
 そして、いよいよ、新幹線も北海道にやってきますし、道東自動車道は、釧路への延伸に向けた事業が着々と進んでいます。人口減少社会の到来において地域内の消費人口が減少に向かうのはまぎれもない事実ですが、本州や東アジアの地域外の観光客を取り込めば、パイはまだまだ増加する余地があります。将来は釧路地域の方々とも手を取り合い、オール十勝からオール道東でプロモーションを行っていくことができるようになれば、ますます素晴らしいですね。

お問合せ先

開発監理部 広報室

  • 電話番号:011-709-2311
  • ファクシミリ:011-709-8995

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