観光 体験 豊浦の秘境めぐり 小幌海岸探索会(vol.2)~2014
豊浦の秘境めぐり 小幌海岸探索会(vol.2)~2014
これは平成26年(2014年)6月掲載の情報です。
小幌海岸探索会が、5月10日(土曜日)に開催され、約50名の参加者で賑わっていました。このイベントは豊浦町教育委員会が主催し、NPO法人「森・水・人ネット」、豊浦町郷土研究会の協力で開催されました。
JR小幌駅は室蘭本線がまだ単線の時代、列車の待機場所と保線の目的で作られた駅で、周囲に集落は無く多くの自然が残っています。テレビで秘境駅として紹介され鉄道ファンも多く訪れます。
また、駅の下の海岸にある小幌洞窟には、2000年以上前の縄文時代晩期から洞窟内部に人間が住んでいた痕跡が調査により確認されています。
また、駅の下の海岸にある小幌洞窟には、2000年以上前の縄文時代晩期から洞窟内部に人間が住んでいた痕跡が調査により確認されています。
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※JR小幌駅→岩屋海岸、岩屋洞窟→小幌海岸→文太郎浜の上→小幌仙人跡→JR小幌駅
→(1)岩屋海岸へ
天高く空が透き通り、新緑の中を岩屋海岸へ下りていきます。
途中には、春を彩る多くの花が咲いていました。森の中では野鳥がさえずり、野鳥の専門家の方が名前を教えてくれました。オオルリの鳴き声と姿も目撃しましたが、動きが速く撮影は出来ませんでした。
途中には、春を彩る多くの花が咲いていました。森の中では野鳥がさえずり、野鳥の専門家の方が名前を教えてくれました。オオルリの鳴き声と姿も目撃しましたが、動きが速く撮影は出来ませんでした。
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エゾエンゴサク
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ハマハダザオ
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ヒトリシズカ
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カタクリ
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ニリンソウ
上の写真は、ニリンソウのなかでも珍しい花びらが緑のニリンソウです。
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ニリンソウとエンレイソウ
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オオカメノキの花
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シラネアオイ
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シラネアオイ(白)
途中、薄紫色のシラネアオイが多く咲いてましたが、珍しく白いシラネアオイを見付けることも出来ました。
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タチツボスミレ
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ワスレナグサ
歩きながら花を満喫したところで、いよいよ岩屋海岸に到着。上から眺めるとエメラルドグリーンの南国の海のよう。海岸右手には円空が仏像を安置した洞窟があります。洞窟内の様子は、前回の小幌海岸探索会の写真をご覧ください。
岩屋海岸や周辺の断崖は数百万年前の溶岩や海底火山の噴出物によりできたとのことです。断崖の下の部分は長い歳月の波による浸食でえぐられています。岩屋海岸の右側は平磯(波蝕台)になっていて引潮になると海岸に沿って歩くことが出来ます。
平磯の上にはムラサキイガイが敷詰めたように貼り付き、またフジツボや様々な貝類、海藻類が生息していました。
ところで、みなさんはフジツボは何の仲間か知っていますか?(ヒント・・大変美味です)正解は最後まで見てくれた方に教えます。
平磯の上にはムラサキイガイが敷詰めたように貼り付き、またフジツボや様々な貝類、海藻類が生息していました。
ところで、みなさんはフジツボは何の仲間か知っていますか?(ヒント・・大変美味です)正解は最後まで見てくれた方に教えます。
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海岸には綺麗な石がいっぱい
主催者の中には地質学に詳しい方がいて、石を見せるとその石の組成や出来た過程について
教えてもらいました。岩石は火山活動により生成されたものですが、その時の条件により色や堅さなどが変わるそうです。例えば中央の楕円形の黒い石は、有機物を含み高温・高圧で生成されたものだそうです。
また、洞爺湖有珠山ジオパークの講師の方が火山噴火のしくみについてペットボトルのコーラを使って楽しく・わかりやすく説明してくれました。
教えてもらいました。岩石は火山活動により生成されたものですが、その時の条件により色や堅さなどが変わるそうです。例えば中央の楕円形の黒い石は、有機物を含み高温・高圧で生成されたものだそうです。
また、洞爺湖有珠山ジオパークの講師の方が火山噴火のしくみについてペットボトルのコーラを使って楽しく・わかりやすく説明してくれました。
→岩屋海岸から(2)小幌海岸へ
岩屋海岸から小幌海岸へ移動する際に、樹木の種類について詳しい方が、葉を見ずに樹皮だけで木の種類を説明をしてくれました。アオダモやトチノキなど樹木の種類も豊富で、この海岸線の森がいかに健康であるか教えられました。
また、珍しい植物を見ることができました。
また、珍しい植物を見ることができました。
これは、オクエゾサイシンという植物で、一説には徳川幕府の家紋である葵ご紋のデザインの元になったともいわれています。この植物はヒメギフチョウという蝶の生息に関係するという説が有力ですが、互いの生息範囲が違うなどまだまだ未解明なことがあります。
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小幌海岸
小幌海岸では、海岸に生息しているハヤブサを目にすることが出来ました。子育ての最中なのか何かをくわえていましたが、残念ながら動きが速くて撮影することは出来ませんでした。
また、海岸への漂着物が多く参加者全員で清掃しました。
また、海岸への漂着物が多く参加者全員で清掃しました。
→(3)文太郎浜、ピリカ浜、ろーそく岩
小幌駅にいったん戻り、近くの文太郎浜上の高台からピリカ浜を眺めました。
小幌駅にいったん戻り、近くの文太郎浜上の高台からピリカ浜を眺めました。
ろうそく岩のある文太郎浜とその奥がピリカ浜。手つかずの自然が残されているとのことです。
→(4)小幌仙人(跡)
この高台の近くの森には、小屋を建て、まるで仙人のように一人で暮らしていた人がいたそうです。小幌仙人(通称)と呼ばれていましたが、数年前に体調を崩し、お亡くなりになったそうです。その住居と生活の痕跡が残っていました。
この高台の近くの森には、小屋を建て、まるで仙人のように一人で暮らしていた人がいたそうです。小幌仙人(通称)と呼ばれていましたが、数年前に体調を崩し、お亡くなりになったそうです。その住居と生活の痕跡が残っていました。
こんなところで一人で生活するのはどんな気持ちだったのだろうと想像しながら、小幌駅へ戻りました。
→テスト
小幌駅に戻り、帰りの列車を待っている間、主催者である豊浦町教育委員会の方からお話があり、「教育委員会が主催しているイベントがこのまま終わるわけがない。これからテストを行います。」ということで10問の答案用紙を渡されました。ちょっとびっくりしましたが、参加者の皆さんは真剣に取り組んでいました。
小幌駅に戻り、帰りの列車を待っている間、主催者である豊浦町教育委員会の方からお話があり、「教育委員会が主催しているイベントがこのまま終わるわけがない。これからテストを行います。」ということで10問の答案用紙を渡されました。ちょっとびっくりしましたが、参加者の皆さんは真剣に取り組んでいました。
この中にあった問題の一つがフジツボは何の仲間でしょうという問です。
正解は・・ ”カニ” の仲間
フジツボを茹でて食べてみると、カニの味がするそうです。
こうして、天気の良い一日に小幌の自然を満喫して帰路につきました。自然散策も楽しかったのですが、それとともに一緒に過ごした参加者の皆さんといろいろとお話が出来たことが楽しかったです。都会や街中とは違い自然のなかでは誰とでも気兼ねなく話が出来る。これもイベントの楽しさの一つではないかと思います。
来年も行われるならば再び参加したいと思います。
※小幌駅に停車する列車は限られているので、行き帰りの列車の時刻はしっかり確認しましょう。また、山道なので歩行や服装には細心の注意をしてください。
文・写真 BY T・O
写真協力 BY T・O
二人合わせて WTO
正解は・・ ”カニ” の仲間
フジツボを茹でて食べてみると、カニの味がするそうです。
こうして、天気の良い一日に小幌の自然を満喫して帰路につきました。自然散策も楽しかったのですが、それとともに一緒に過ごした参加者の皆さんといろいろとお話が出来たことが楽しかったです。都会や街中とは違い自然のなかでは誰とでも気兼ねなく話が出来る。これもイベントの楽しさの一つではないかと思います。
来年も行われるならば再び参加したいと思います。
※小幌駅に停車する列車は限られているので、行き帰りの列車の時刻はしっかり確認しましょう。また、山道なので歩行や服装には細心の注意をしてください。
文・写真 BY T・O
写真協力 BY T・O
二人合わせて WTO