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農業農村の役割

農業・農村の多面的機能

  田園や畑を見たとき、私たちは、そこで生産される豊かな食べ物を想像すると思います。しかし、農業・農村には、私たちが生きていくために必要なお米、野菜、畜産物などの食料を生産・供給するといった役割だけではなく、都市住民も含めた国民全体の生活や経済の安定にとって切り離すことのできない重要な役割、機能があります。このような役割は「農業・農村の多面的機能」といわれています。
 
 「農業・農村の多面的機能」は、大きく次の3つに区分することができます。

持続的な食糧供給 食糧に関する将来への安心感

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●安定的に食料を生産する機能
●安全な食料を生産する機能
●将来に対する安心を与える機能  等
 主要先進国の中で、食料自給率が最低水準の39%という数値が示すとおり、私たちの食生活を支える食料の多くは、外国からの輸入に頼っています。
 
 しかし、食品の安全性や品質に対する消費者の関心が高まっていることもあって、安心して食べられる農産物を、国内でより多く自給することが求められています。
 
 農産物は天候などに左右されやすくとても不安定なものですが、限りある地域の土地や環境など、資源を有効に活用しながら「大地の恵みを大切にし、自分の国で作れる食べ物はできる限り自分で作る」という考えを持つことが必要です。このことは、私達の世代だけでなく、これから続く次の世代に対する食料危機に対する危険性を軽くすることにもなります。

環境への貢献 国土の安全を守り、自然生態系を育む力

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●洪水を防止する機能
●土砂崩壊や土壌浸食を防止する機能
●水資源を涵養する機能
●水質を浄化する機能
●有機性廃棄物を分解する機能
●生物多様性を保全する機能
●良好な景観を形成する機能  等
 私たちが住む日本の国土は、地形がけわしく、台風や大雨などによって、洪水や地すべりといった自然災害の危険にさらされています。しかし、水田や畑は大雨の時には河川の氾濫を抑えたり、土壌の流出や地すべりの発生を抑えるという機能もあります。
 
 このほかにも、水田には地下水をためこみ、川を流れる水の量を安定させるといった働きや、水田に利用されているかんがい用水や雨水の多くは地下に浸透して、時間をかけて河川に還元され、下流では工業用水や生活用水として再度、利用されたりもしています。
 
 また、農地には資源のリサイクルに貢献する有機物を分解するという機能や、水田や水路には水質を浄化するとともに、たくさんの生物の生息環境としての機能もあります。

地域社会の形成・維持 安らぎの空間提供と文化育成への貢献

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●地域社会を振興する機能
●伝統文化を伝承する機能
●人間性を回復する機能
●体験学習と教育の機能  等

  豊かな日本の四季を彩る田園風景。この景色・景観は、長い時間をかけて人々が農業を通じて自然と対話するなかで作られ、農業が営まれることでこれらの景観が維持、保全されています。そして、決して都市では見られない潤いと安らぎがあふれるこの空間は、訪れる者の心を和ませます。

 また、農村では農業が営まれることによって伝えられてきた祭り、芸能といった地域独自の文化が長い歴史を通じて育まれています。

  さらに、きれいな水、澄んだ空気、美しい緑、都市では見られない景観や自然、環境を求めて農村には多くの人々が訪れ、安らぎの時間と自然とのふれあいをする学習の場としても、農村の役割が重要なものになっています。

 このように、農業・農村のもつ多面的機能は、農業生産と切り離すことのできないものであり、その機能を今後も維持していくためには、農業の持続的な発展が欠かせません。

お問合せ先

土地改良情報対策官

  • 電話番号:0138-42-7656

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