国土交通省北海道開発局 釧路開発建設部 -せんけんフォーサイト-

注）ここでいう”管内”は北方四島を除いています。

　管内は、北海道の最東端に位置します。南部は太平洋に、北部は千島火山帯に属する阿寒・知床連峰に、西部は白糠丘陵に囲まれ、東部はオホーツク海に面しており、台地や丘陵が広く開けた地域です。また、自然の宝庫として阿寒、知床の両国立公園を始め、広大な釧路湿原国立公園を擁していることでも知られています。
　釧路市など沿岸部では、春から夏にかけて海流や気圧の影響により海霧が発生し、冷涼多湿な日が多くなります。反面、秋から冬にかけては、大陸性高気圧の影響により晴天の日が続きます。日照時間が多くなり、降水量も少なく乾燥した日が多くなります。

　管内は、2市10町1村からなり、その面積は釧路支庁管内5,993.1k㎡、根室支庁管内3,498.0k㎡、合わせて9,491.1k㎡で、全道面積83,455.9k㎡の11.4%を占めています。平成18年9月末現在の人口は35万人(釧路支庁管内26万5千人、根室支庁管内8万5千人)で、全道人口563万2千人の6.2%を占めています。また人口密度は、市部127人/k㎡、郡部16人/k㎡となっています。

　管内の農業は、夏季の気候が冷涼湿潤であることや、低湿地、火山性土に覆われた土地条件等から乳牛等を主体とした酪農経営を中心に発展してきており、平成17年の耕地面積20万3千haの97.5%に当たる19万8千haが牧草地で占められています。
　平成17年の乳牛の飼養状況をみると、飼養戸数2,778戸、飼養頭数30万7千頭で、一戸当たりの平均飼養頭数は111頭で、全道平均の97頭を大幅に上回っています。また、平成16年度の生乳生産量も132万9千tで、全道生乳生産量383万7千tの34.6%を占めており、全道有数の大規模酪農専業地帯を形成しています。

　管内の森林は、阿寒山系の白糠、阿寒及び弟子屈地域を中心に分布しており、森林面積は55万7千haで、全道の森林面積554万1千haの10.0％を占めています。
　樹種は、主としてトドマツ、エゾマツ、カラマツ等の針葉樹と、ナラ、カンバ、シナノキ等の広葉樹から形成されています。また、これを所有別にみると、国有林28万6千haの51.3%が最も多く、次いで私有林19万3千haの34.7％、公有林7万8千haの14.0％となり、森林総蓄積6,667万m3は全道の9.7%を占めています。

　管内の水産業は、北洋漁場に近い上、暖流と寒流が交わる好漁場が沖合いにあるため、釧路港、根室港を中心に全国的にも有数の水産物供給基地として重要な役割を果たしています。主要魚種は、スケトウダラ、サケ、サンマ等の回遊性の多獲魚が多く、また、沿岸漁業では「とる漁業から育てる漁業」への転換を目指し、栽培漁業の振興が進められてきています。
　平成16年の管内漁獲量は38万7千tであり、全道の漁獲量140万9千tの27.5%を占めています。

　管内の工業は、水産、畜産資源を背景にした食料品製造業が中心で、パルプ・紙製造業も盛んです。
　工業の平成17年の事業所数は、596で全道7,247の8.2%、製造品出荷額は5,126億6千4百万円で全道5兆4,581億3千2百万円の9.4%を占めています。
　また、商業の平成16年の事業所数は4,730で全道64,471の7.3%、年間販売額1兆1,133億3千6百万円で全道19兆7,281億2千5百万円の5.6%を占めています。

　管内は、世界自然遺産に登録された知床をはじめ、阿寒、釧路湿原の三つの国立公園と野付・風蓮、厚岸、斜里岳の三つの道立自然公園を有するなど、風光明媚(ふうこうめいび)で自然豊かな観光資源に恵まれています。近年、これらの自然に魅せられたアウトドアライフや釧路湿原を楽しむホーストレッキングなど、これまでの見る観光から体験型観光へと観光産業に対する大きな期待も高まっています。
　平成17年度の管内観光客入り込み数は、945万人で全道の1億3,903万人の6.8%を占めています。