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第11回旧川復元小委員会 議事要旨

第11回(平成21年3月11日)

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第11回旧川復元小委員会 議事要旨

第4期旧川復元小委員会の委員長及び委員長代理の選出

 第4期旧川復元小委員会の委員長及び委員長代理として、第3期に引き続き神田委員を委員長に、中村委員を委員長代理に推薦する案が事務局より示された。会場からの「異議なし」という発言により第3期に引き続き神田委員が委員長に、中村委員が委員長代理に選任された。

議事1:平成20年度の実施状況

 事務局より、平成20年度の実施状況について説明が行われた後、内容について協議が行われた。

(委員長)
学生を現地へ2回連れて行き、残土撤去箇所の近傍に生育している太く立派なヨシの刈り取りを行った。ヨシを節ごとに切って一週間くらい水に浸けておくと芽が出てくるので、芽が出てきたものを移植した。1本のヨシから6~7本の芽をとることができる。
現職の教職員の10年目研修が昨年度からはじまり、今年度も行った。その研修の一環として、主に釧路、根室、十勝など道東の先生方に協力していただき、学生と同じようにヨシの移植等を行った。
川レンジャーによる協働作業には参加できなかったが、全4回のうち3回は立会い、学生や先生方とヨシ、あるいは、ヨシを小さく切ったものの移植を行った。
残土撤去を行うと裸地になり、外来種が大量に侵入してくる恐れがあったが、幸いなことに、イグサの仲間が繁茂し、何も行わなかった箇所もイグサの仲間で覆われる状況となった。
ヨシの根などを移植した場所にはヨシが生えたので、裸地がほとんどなくなった。自然の回復力を目の当たりにし、驚いた。
近くの小高い場所には外来種が繁茂しており、種は飛んでくる状況であったが、残土撤去箇所には外来種はほとんど侵入しなかったので、良かった。
残土撤去箇所でイグサが生えてくれば、徐々にヨシ原へ遷移していくことが期待される。今後、状況を見ながら対応していくことになると思う。

(委員)
牧草を植えているが、イグサはどこでも生えてきて、牧草が負けてしまう状況である。ヨシも負けてしまうのではないか。

(委員長)
ヨシの根を移植した箇所は一段下げているため、水に浸かる状態となっている。
現地状況を見ると、ヨシの根を移植した場所にはイグサはあまり生えず、ヨシの移植を行わなかった場所がイグサで覆われる状況となった。
水分条件によると思うが、釧路湿原ではイグサはあまり生育していない。旧川復元を行って氾濫頻度が増加し、水が入ってくればヨシが優占するようになると考えている。

議事2:平成21年度の実施予定

(委員)
旧川復元を行う際に水衝部となる箇所の対策を検討しているという説明であったが、水衝部で本川の水が溢れる前提で検討を行っているのか。あるいは、溢れさせないようにするための対策なのか。

(委員長)
旧川復元の実施計画では、むしろ積極的に溢れさせようとしている。
この周辺は、過去には農地計画があったが、その計画は消滅している。氾濫しても農家等が被害を受ける心配がない場所である。
湿原植生の再生という観点では、むしろ氾濫した方が良い。

(委員)
直線河道の上流部と下流部を締め切るタイミングをどのように考えているのか。

(事務局)
旧川河道へ通水した段階で直線河道の締め切りを行う。一時的に、旧川と直線河道の両方へ流れることになる。

(委員)
直線河道を上下流締め切ると、その中に魚が残ってしまう。両方に水が流れるということは、魚が通過できるように締め切りのタイミングを考えて行うということか。

(委員長)
一時的に2wayになる。この2wayの期間をうまく利用することにより、魚を逃がつつ1wayに移行することができると思う。

(委員)
オソベツ川の直線化を行ったとき、水溜り部分には魚がかなり残っていた。水溜り部分に残る魚については、人の手で移動する必要が生じると思う。

(委員)
旧川通水後の本川の扱いが分からない。絶えずオーバーフローすることが想定されるのであれば、一回追い出しても、オーバーフローした段階で魚は直線河道部に入る。

(事務局)
これまでの委員会の中で議論してきたことであるが、地下水位の上昇を図るため、本川の直線河道部については埋め戻す計画としている。

(委員)
埋め戻すのであれば、直線河道に残った魚は移動することが必要である。

(事務局)
直線部を埋め戻す前に、そこにいる動植物は可能な限り移し、また上流から下流に向かって埋め戻すことにより魚類等は、徐々に移動させることができる。

(委員)
途中から委員会に加わった方は疑問に思う点があるかもしれない。私は最初からこの委員会に係わってきたが、適切で効率的な計画になっていたと認識している。
生物については、これまでかなり慎重に議論されてきた。直線河道部は、上流側から下流側に向かって埋め戻していくことにより、昆虫や魚は移動可能である。残留する生物については移動させる計画になっており、適切な作業工程になっていると思う。
中オソベツの学校に赴任していた際、近くの蛇行していた河川が大洪水で氾濫し、橋が流され、部落が孤立する大変な目にあった。
その災害の後、開発局が河川を直線化し、永久橋が建設され、地元の人は大変喜んだ。
一度直線化した河川を再び蛇行させることは難しいと思う。一番の問題は外来種の侵入だと思うが、外来種を全部除去することは無理なので、河川を源流に近い形に戻し、外来種については様子を見るしかないと思う。

(委員)
来年度旧川へ通水する予定とのことであるが、その時期はいつごろか。

(事務局)
通水の時期は、冬の水が少ない時期を予定している。

(委員長)
通水する際は、水の勢いで河床や河岸が削られ、濁水が発生する恐れがあるので、水質のモニタリングを行いながら進めていくことが必要だと思う。
旧川に堆積していた底泥は、旧川通水前に掘削しているので、それほど心配する必要はないと考えている。ただし、水質のモニタリングを行い、問題が確認された場合は改善する必要がある。
旧川通水は大きなイベントになるので、そのイベントに向けて万全の体制をとってもらいたい。

(委員)
直線河道埋め戻し区間の距離はどの程度か。

(事務局)
約1.6キロメートルである。

(委員)
冬に直線河道を締め切り、旧川へ通水する計画になっていたが、締め切られた直線河道の流れはなくなるので、結氷する。結氷してもそこに残された魚は生きていくことができるのか。

(委員)
結氷しても魚は生きていくことができる。

(委員)
表面が厚さ20センチメートルくらい結氷しても、魚は氷の下で遊んでいる。

(委員)
直線河道に残された魚のうち、ウグイなどの回遊魚は流れのない直線河道の中で生きていくができるのか。

(委員)
ヤマメなどのサケ科魚類は、酸素不足になると問題である。水の深さが十分あれば生き残る可能性はあるが、完全に締め切った状態で酸素不足になると、サケ科魚類はあぶない。

(委員長)
最初に上流側の締め切りを行い、下流側を空けている状態で、網などを用いて上流側から下流側へ移動を促せば良いと思う。

(委員)
平成21年度の締め切り作業は上流部のみで、下流部については平成22年度に実施すると考えて良いのか。

(事務局)
上流側は完全に締め切るが、下流側の締め切りは部分的に行うので、魚類等はそこから直線河道の下流側へ移動することができる。

(委員長)
魚類の専門家の意見を聴きながら、具体的な対策について検討を行っていくことになると思う。
締め切り工事をしっかり行うことが必要である。

(事務局)
現時点では、河川工学的な検討までは行っていない。先生方に相談しながら流水の力など工学的な検討を行った上で、湿原景観にも配慮した工法を選定したいと考えている。

(委員長)
巨大なコンクリート構造物をつくれば壊れにくいと思うが、自然の状態に戻すための取組みと逆行することになるので、その点を考慮して検討を行ってもらいたい。

(事務局)
河川工学的に検討された既存の締め切り工法がいくつかあり、実績もある。
本事業は、単に旧川へ通水して水の流れを変えることを目的とした事業ではない。湿原保全という最終目標に向かって取組んでいる。
締め切り工法についても、河川工学的な検証を行った上で、最終目標の達成に適した工法を選定していきたいと考えている。
最終目標達成までの時間的スケジュール等を含め、今後も小委員会に諮り、ご意見を踏まえて取組んでいきたいと考えている。

(委員)
次回の小委員会の開催予定を教えてもらいたい。

(事務局)
次回の小委員会は、夏ごろに開催する予定である。

(委員長)
旧川への通水は早くても来年の1月か2月の予定なので、通水のための検討を行う時間はまだある。

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