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第11回協議会 議事要旨

第11回(平成18年12月21日)

  • 釧路湿原自然再生協議会

第11回協議会 議事要旨

第3期協議会構成員の公募結果

 事務局から第3期協議会構成員の公募結果について報告が行われ、構成員相互で公募結果を確認した。

第3期協議会の会長および会長代理の選出

 第3期協議会の会長として辻井委員が推薦され、会場からの拍手により第2期に引き続き辻井会長が選任された。
 第3期協議会の会長代理として、辻井会長から中村委員の推薦があり、会場からの拍手により第2期に引き続き中村会長代理が選任された。

議事1:協議会への寄附と収支報告

 事務局から協議会への寄付について報告が行われ、協議会として寄附を受けることが確認された。

(会長)
寄附は大変ありがたい。このような寄附がこれから増えることを期待したい。

議事2:懇談会(7/26)の開催報告

 事務局から7月26日に開催された懇談会の開催概要について報告が行われ、今後の開催について意見交換が行われた。

(会長)
懇談会では、“場所は釧路市中心部でなくてもいい”、“場所を変えた方が出席しやすい方もいる”、“日中だと農家の方などは出席するのが難しい”、“話題が前もって知らされていると意見を出しやすく、アイデアも考えやすい”といった意見が挙げられた。
試行的に開催し、話題、場所、時間などをその都度修正していくということを繰り返さざるを得ないと思う。
ご意見を事務局に提出してもらいたい。事前にご意見、ご要望を伺い、それに合わせてプランを検討することにしたい。

(委員)
懇談会では、大きく分けて“なぜ自然再生を行うのかということを何度も振り返って考えたい”、“今取り組まれている内容をもっと具体的に知り、そして理解したい”という2種類の意見が挙げられた。

(会長)
釧路市民だからといって取り組み内容を必ずしもよく承知している訳ではないということが今回の懇談会で分かった。それはとても残念なことである。
できるだけ周知の機会を増やす、というのが協議会としての姿勢である。

議事3:実施計画作成の報告

 事務局から、これまでの釧路湿原自然再生実施計画の作成状況について報告が行われた。また、関連して、茅沼地区の旧川復元について、事業実施者である釧路開発建設部より年明け後の工事の予定について報告が行われた。

(委員)
自然再生専門家会議の内容、その会議で挙げられた意見は、本日の資料についているのか確認したい。

(事務局)
自然再生専門家会議の正式なメモがまだ提出されていないため、内容の概要を口頭で報告した。

議事4:第10回協議会以降の小委員会開催報告

 事務局から第7回再生普及小委員会、第8回土砂流入小委員会、第8回旧川復元小委員会の開催状況について報告が行われ、続いて各小委員会の委員長、あるいは委員長代理から協議内容および挙げられた意見について報告が行われた。

【第7回再生普及小委員会開催報告 高橋委員長】
再生普及小委員会の中にあるワーキンググループのこれからの方向について話し合いが行われた。
「釧路川におけるトイレのあり方検討会」からは、トイレをどのように位置付けるかの素案が示される予定であったが、少し遅れている。
「釧路湿原に関する環境教育ワーキンググループ」については、環境教育に関するガイドと人材リストの作成、それらの学校への配布という当初の目標を達成したため、第6回小委員会で活動を一時休止するという話が出た。しかし、新たな事務局、ワーキングの構成メンバー、内容などを再構成することを前提に話し合いに入ることになった。
「再生普及行動計画ワーキンググループ」が主体となり、2005年から具体的な取り組みの報告書をまとめている。2005年の報告書は、1,000部印刷して各所に配置した。2006年も報告書を作成する予定である。また、2007年度に向けた具体的取組の募集、企画も始めている。

【第8回土砂流入小委員会開催報告 長澤委員長代理】
河道の安定化対策および湿原流入部土砂調整地の実施の考え方、今後の予定について協議が行われた。

河道安定化対策の実施の考え方では、落差工や緊急対策として実施する仮床止工についての説明に対し、次のような意見があった。

支川の中久著呂川流入部で大きな落差を生じているので、落差工の構造に工夫が必要になる。また、支川の四号川では、河岸侵食・河床低下が進んでいるので、この対策も必要になる。
魚道の構造は対象魚種によって変わり、画一的なものでは利用されないので、構造の検討も必要になる。
実施の必要がある場合は一気に実施してしまわないと、逆に下流側が侵食される恐れがある。
現状で河川の線形がカーブになっている部分があり、そこが洗掘されているが、ここに落差工を設置すると水理学上の問題が発生しかねないので、落差工の配置について再検討した方がいい。

湿原流入部土砂調整地の実施の考え方では、人工ケルミの目的や効果、土砂調整地の段階的な取り組み計画についての説明に対し、次のような意見があった。

自然のものと成因が異なるのであれば「人工ケルミ」という表現にこだわる必要は無い。その機能が発揮されればそれでいい。
「人工ケルミ」の目的は、細かい土砂を湿原流入部で捕捉することである。
遊水地をつくる条件によっては、そこに新たな生態系が形成される。土砂を数十年に1回取り除く計画であれば、数十年間維持される生態系について検討しておいた方がいい。

最後に、今後の予定が事務局より説明された。

(会長)
「人工ケルミ」の補足説明をお願いしたい。

(委員)
これを設置する予定の場所と、自然のケルミができる実際の環境が異なるので、呼び方は変えてもらってもいいと思う。
目指している機能は、洪水のときに流れてくる土砂の大半を構成している、水の濁りの成分になっている細かい土砂を捕捉することである。
その細かい土砂を除去するために沈砂池を設置する予定であるが、土砂が沈降してきれいになった水がゆっくり抜けていく仕組みをつくることができれば、目的とする機能を発揮することができるのではないかと考えた。
水を堰き止める部分のかたちが自然界の「ケルミ」に似ているので、「人工ケルミ」という名称をつけた。機能をうまく表現できるのであれば別の名称でもいいと思う。

【第8回旧川復元小委員会開催報告 中村委員長代理】
今回は、事業実施に向けた考え方、自然環境への配慮事項について、今後の予定について協議が行われた。

事業実施に向けた考え方では、段階的な実施方針についての説明に対し、目指すところがはっきりしているのであればもっと早いタイムスケジュールで実施した方がいい、という意見が大半を占めた。その他、次のような意見があった。

茅沼地区は色々な意味で注目されている場所なので、物理環境が戻ったということだけでなく、生態系がどのように応答したのかが分かるように、事前事後の評価をしっかり行ってほしい。
遡河性魚類が川を遡上してきたときに、直線河道が残ったままだとそこに迷い込んでしまうので、それに対する対策も必要である。

自然環境への配慮事項について(移植について)では、取組方針に関する説明に対し、次のような意見があった。

希少種だけではなく、この地域に普通に生育生息している種が絶滅しないように実施した方がいい。
工事により現状の植生を破壊しないように、細心の注意をはらって実施してほしい。
移植は、極力専門家の意見を聞きながら実施してほしい。
流域全体の中でこの茅沼地区を位置づけ、流域の負荷を生産源で抑えていく対策を同時に進めていく必要がある。

議事5:シンポジウムの開催について

 事務局から協議会主催のシンポジウムについて、開催の目的および構成の案について説明が行われ、開催に向けた方針などについて意見交換が行われた。

(会長)
釧路市およびその一帯で、自然再生および釧路湿原そのものについての関心が必ずしも高くない。また、情報として広がりが欠けている。
このシンポジウムによりできるだけ関心を高め、また、我々自身も様々な事例報告などを通じて湿原について考え直す機会にした方がいい。
パネルディスカッションや事例報告では、小委員会などからも報告していただいて、それについてディスカッションをするというのもいいと思う。
協議会の皆さんには、講演や事例紹介についてアイデアを出していただきたい。できるだけ色々な事例が出てきた方がいいと考えている。

(委員)
再生普及小委員会では、釧路湿原の自然再生に関するポスターを9枚くらい作り、これを観光施設やシンポジウムの会場等に掲示したいと考えている。また、PDFにしてCDで提供するなど、具体的にその計画を進めたいと考えている。
言葉で言われてもなかなか浸透しない。辛抱強くやるしかないが、目に見える形にして、子供達にも見て楽しんでもらえるように多様性についても考えたい。

(会長)
それはいつ頃できる予定なのかお聞きしたい。

(委員)
検討している段階で、いつ頃できるかとは言えない。今度のシンポジウムに間に合えば良いと考えている。

(会長)
3月に入ると色々と忙しくなるので、シンポジウムは2月中ということになると思う。それに間に合うよう頑張っていただきたい。
インドで環境に関するポスターの募集をしていたので、インド全州の良い作品が集まったものをもらってきた。子供が書いた絵で、田舎の風景を描いて森林伐採をしたらこうなったという絵や、街中で川が汚れた状況を子供らしく描いたものもあった。実に変化があって面白かった。視覚に訴えるというのは非常に分かりやすいと感じた経験であった。

(委員)
ビジュアルに表現するのは重要だと思う。釧路湿原では、解像度の高い航空写真を撮影している。環境教育として、床に航空写真を貼って子供達に虫眼鏡を持たせて歩かせるということをやっている。そういうコーナーを作ったら面白いと思う。
相当解像度が高い写真なので、かなり大きくすることもできる。スケールは色々設定できると思う。

(会長)
それは、一度作ったらずっと使いまわせるのだろうか。

(委員)
ラミネート加工を行って丸めて持ち歩けるようにしている。

(会長)
非常に面白いと思う。環境省のウトナイ湖野生鳥獣保護センターにも大きな写真があって、その上を歩けるようになっている。
子供でなくても面白いと思う。自分の家がどこにあるかも分かる。
琵琶湖博物館にも大きい写真があって、大人も子供も「自分の家はここだ」と言って楽しめ、人気がある。

(委員)
家や自動車くらいまでは見ることができると思う。

(委員)
今の話はすごく良いと思う。この協議会でもずっと言われてきたように、流域全体で考えたり問題点を共有するためにも、画面上で見るより実際に指をさしながら議論できた方がいい。
色々な問題点を出し合うためにも、持ち運びできて大きなところで皆で議論できる共通のものがあると良いと思う。
懇談会などでも、色々なテーマについて議論する際、そこに共通の絵があるというのは良いと思う。大きな写真は、色々な議論をする際にとても良いツールになると思う。

(委員)
釧路湿原には1970年代の写真もあるので、比較のために1970年代の写真もあればいいと思う。そうすることで、ハンノキ、河川流路、農地がどのように変わったのか見ることができる。子供やお年寄りに見せる際には、大きく印刷して見せる方が説得力があると感じている。

(会長)
大変良いアイデアだと思う。あとは費用の問題になるかもしれないが、事務局とも相談させていただき、共有できる材料として、あるいは、視覚的に納得できる議論の材料として考えたいと思う。

(委員)
オーストラリアのネイチャーセンターでは天井から画像を投影していた。必ずしも印刷しなくても、床に画像を投影することも可能だと思う。
シンポジウムについては、開催する際、開催に関する宣伝が単発に出て、行事も単発に終わる、ということになりがちである。
このワンダグリンダの内容は一部の新聞紙上で連載され、紹介されている。それが随分好評で、こういったことで自然再生に参加できるのかと理解する良い機会になっているように思う。
シンポジウム開催までの間、どこかの紙面を借りてシンポジウム開催に向けた紙面シンポジウムのような連載を仕掛け、毎週紹介する仕組みとしてはどうか。それを続け、「そしていよいよ明日開催!」のような宣伝の仕方がいいと思う。
あるいは、テレビシンポジウムなど地域の人たちの目につきやすいメディアを使うことも考えられる。
また、シンポジウムを開催した後には必ずフィールドツアーを行うなど、少し動きのあることを行うことができれば良いと思う。

(会長)
開催するまでの間に知ってもらうための手法をとった方が効果的だという意見で、まさにその通りだと思う。今日も報道関係者が取材に来ていると思うので、取り上げてくれると良いと思う。取り上げてもらうための仕掛け、というのも大変良いアイデアだと思う。

(委員)
現場を見学に行くという話があったが、そういう動きがあると良い。
シンポジウムや講演会では、座って話を聞くだけになる。参加者が黙ってじっとしているよりは、1回でも良いので何か発言したり、意見を言えたり、身体を動かして参加してもらえるようにすると、充実感を持てると思う。

(会長)
知識・情報を共有しながら話を聞く、あるいは、意見を述べることができた方がいいという意見だと思う。
講演や事例報告の話題、分野について、何かアイデアがあればそれを事務局に提出していただきたい。それを事務局で整理して、今日いただいたご意見も加えて基調講演や取り組み報告について検討したい。パネルディスカッションについても具体的な方法を検討したい。
最初のポスターに関するアイデアも、ポスターセッションにするのか、そのまま掲示するのか、それもシンポジウムの内容の1つとして検討したい。
釧路湿原を大倍率に拡大した画像を用い、臨場感を持って話を聞いたり、ポイントを指し示したりできるようする、というアイデアについても事務局と相談させていただきたい。
開催直前に提案されても取り込めないので、提案は早めにお願いしたい。 1月の半ばくらいまでには原案を作る必要がある。あとは事務局と相談させていただきたい。
できるだけ参加しやすくて興味を持てるような、満足感を持って帰ってもらえるようなシンポジウムの構成を考えることにする。

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