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第12回湿原再生小委員会 議事要旨

第12回(平成25年1月24日)

  • 釧路湿原

第12回湿原再生小委員会 議事要旨

1.開会
開会に先立ち、初代協議会会長辻井達一氏に全員で黙祷。

2.委員紹介
事務局から第6期湿原再生小委員会委員を紹介。

3.委員長及び委員長代理の選出
委員の互選により、委員長に新庄委員、委員長代理に神田委員が選出された。

議事1:幌呂地区湿原再生における未利用排水路の埋め戻しについて

 事務局から資料に基づいて、幌呂地区湿原再生における未利用排水路の埋め戻しについて、経過概要に関する説明が行われた。

(委員)
もうすでに事業が始まっているということか。

(事務局)
前回も今年度の工事概要ということで説明させていただいた。

(委員)
そうであれば発言する意欲はなくなるが、実際にこのデータでは、表層と泥炭層の二つの深度で土壌調査をしているが、明らかに深い所のリンの濃度が非常に高い結果である。湿原の植生に対する栄養塩類の影響は、窒素よりもリンの方が重大であると一般に考えられている。表層と50センチメートルの2箇所しかやってないので、その中間がどういう状況なのかわからない。この2箇所の調査は、あまり有効ではない。実際に、切り下げた土の表層だけを埋め戻すというのなら、まだそれなりに丁寧な仕事であるが、そういう説明ではない。深いところのリン濃度の高い土も埋め戻しに使っているという理解で良いか。

(事務局)
切り下げの深さは、大体30センチから50センチくらいで表層の部分になる。埋め戻すのはその部分を埋め戻している。
この8ページにある調査とは、これから実施する調査であるので、例えば委員にご指摘いただいた表層と50センチメートルの間については、追加して調査をやっていくということが可能である。

(委員)
是非、中間点のデータについて詳しく調査してもらいたい。
8ページの調査イメージ図で、切り下げ箇所50センチメートル分を、そのまま埋め戻し箇所にポンと放り込むイメージと思う。元々地盤の高いところは、地下水の影響は表面にあまり出てこない。ところが、埋め戻しするような地盤の低いところは、水の下から上への移動が起るので、より深い所の影響が表に出て来やすい。従って、栄養塩類濃度の高い土を、いくら底の方に埋めましたと言っても、必ず表層の方に影響が出てくるので、栄養分の高い土は埋め戻しに使わないという様な、もう少しはっきりとした指針を考えてほしい。

(事務局)
中間点のデータを増やすことはできる。
栄養塩の高い土を用いないような方針を作るということに対しては、まず調査を続けてみて、また報告させてもらいたい。それからまた何かあれば検討して行きたい。

(委員)
表土を全部剥ぎ取った時の土のボリュームは、埋め戻しに使ってまだ余る程の土が出るのか。

(事務局)
余ります。

(委員)
それでは栄養塩類の多い土は埋め戻しに使わずに、できるだけ湿原の外に持ち出すという対策を考えてほしい。

(委員長)
これから作業を進めながら、切り下げで出た土の栄養塩類濃度のモニタリングをしながら、特にリン濃度に注目しながら、濃度によって、埋め戻す土、あるいは、埋め戻しに使わない土というのも暫時検討しながらやっていくという方向でよろしいか。

(事務局)
検討したい。例えば、孔-4番とか孔-5番とか高いところがあるので、そこはまた周辺土壌調査を考えており、その結果も含めて今後検討したい。

(委員長)
今年度は孔-3のところをターゲットにして行い、孔-4、孔-5に関しては、次年度以降になる。これから随時複数の調査でデータを取り検討しながら、方向を定めていくことで事務局から伺った。

(委員)
事業地周辺で中尾さんが耕作していた頃、タンチョウが随分来ており、排水路から水生動物などを捕食していたということであった。今回埋め戻す事によって、水位が上がって、新たな湿原水路が出来ると思うが、幌呂川の一部を復元させるということはできないか。

(委員長)
今の議論は、実施計画を検討している幌呂地区の事業内容についてであるので、幌呂川の埋め戻しや流れについては今回議事録の方に留めて、後程の議論の方で必要があれば、またご提案いただきたい。

(委員)
あそこを耕作地にした頃は、まだタンチョウも、30羽いる、いないというような程度だったが、今では1400羽を数える。そうすると水位が上がって湿原が再生する事によって、かえってタンチョウの好生息地となるか教えてほしい。

(委員)
タンチョウの密度は高くなってきており、今まで利用しなかったところも、利用しており変わってきている面もあるとは思う。

(委員)
前の調査資料からは、多くの水生動物やイバラトミヨやフクドジョウなど流水域の魚類も随分いて、また昔はタンチョウが随分来ていたよということであったので、タンチョウの良い給餌場としても考え合わせて行かなきゃならないかと考えた。ただ、水位が上がる事によって、また自然水路が出来る、そこにイバラトミヨや、エゾトミヨなどがどんどん入り込んでくると思うが、若干、幌呂川で調整しながら事業地の方に流してはどうか。

(委員長)
今後、事業を進めていく過程で、そこに生息している或いは飛来するタンチョウの採餌場所や生息場所ということについても配慮して、皆さんからご意見を伺いながら進めていきたい。

議事2:達古武湖自然再生事業実施計画(案)について

 事務局から資料に基づいて、達古武湖自然再生事業実施計画(案)について説明が行われた。

(委員)
資料「達古武湖自然再生事業実施計画(案)に対する意見と回答及び今後の方針について」の2頁2-4について、結局湖沼に入ってくるT-N、T-Pの量が問題であり、濃度を議論しても意味がない。リファレンスサイトで比較する際には、そのサイトを通過する点の量、負荷で比較しないと、目標設定とはならないのではないのか。
3頁2-7について、面源負荷で厳しい規制をかける必要はないかという意見。農地から排泄物が入ってきて下流の南部湿地で掘削して溜まっているものを出ないようにしても、結局は上流域の負荷を抑えないと状況の先送りになる。何か具体的な対策を考えた方がいいのではないか。
同じく2-10について1地点で評価するとあるが、どうやって1地点で効果を把握するのか説明願いたい。

(事務局)
2-10について、一つは上流域での対策と南部湿地での対策を、それぞれ評価をするためのモニタリング地点を個別に設定している。そのモニタリング地点は、本文の58頁に記載している南部湿地での(2)から(4)の3地点、リファレンスサイトの(1)の計4地点あり、複数地点を観測し把握する計画である。

(事務局)
2-7について、南部湿地では過去に業者が糞尿を流していたのが溜まっているという特殊な状況がある。
今は、外部に蓄積させる事は違法なので、今後その様な状況は起こらない。南部湿地は、リンでいうと2割以上占めているので、ここの対策は重要である。また、面源負荷低減には最近良い技術が生まれつつあるという情報もあるので、そういうのも今後お知らせ等していきたい。

(事務局)
2-4について、まず前提として、南部湿地は、降雨で水位が上がったときに調査するのは危険で困難であるので、負荷は全体一様になって最終的に外に出ていくという大まかな計算になっている。今回同じような水深の条件になるような点で、4点とっているが、水深が同じぐらいなので、濃度が同じ位になる。今回のケースに限って言えば、濃度で比較して、リファレンスサイトと同じになるという条件は、濃度と比負荷量は、ほぼ同じ意味をなしており濃度と書く方が後々モニタリングする時よいと考えた。

(委員)
2-4の負荷の件については、結局流量が一緒と仮定しているという事はどこかに記すのが良い。2-7の面減対策については難しい問題なので次回以降の小委員会で話し合うのが良い。流入地点については地図上に入れてはどうか。

(委員)
資料「達古武湖自然再生事業実施計画(案)に対する意見と回答及び今後の方針について」2-2で、ヒシを取り除いて、環境が改善されるのであれば、目標とする水質の値と、今の改善されてきた値とを、関連をもっとはっきりさせた方が良い。

(事務局)
全体的な目的を、栄養塩の負荷量を下げる事、そして水生植物を再生させる事としているが、負荷量の目標と言うのは非常に難しいと感じている。その為、目標として水生植物がどの程度再生したかということを、一つの指標にしたいと考えている。

(委員)
了解した。3の方も同じく、土砂の掘削による水質改善の効果が水生植物の改善にどう係わるのか、どの程度の水質にしたい等、記載されていると良い。

(委員長)
達古武の今回のトライアルは数字として、どれぐらいの水質をゴールに求めるかということまではいかなくて、水生植物がどれぐらい回復するかということを一つのインディケーターにして、それをゴールとして定めて、先ずやってみる。それをやりながら、細かなデータ等が出てくれば、水質の目標としての数字的なものも出てくるかもしれない。しかし、今の時点ではそこをターゲットにするには、余りにもちょっと難し過ぎるという内容だった。

(委員)
補足資料によると、ヒシを全域で刈ったら流入する負荷量の2、3日分を解消できるとある。それであれば、10年やれば20日、30日ということになるが、底泥にリンは溜まるものなので、それを除去するという手法は、議論されたか。

(事務局)
2007年から11年度まで開いていた東部湖沼自然環境調査委員会でそういう方法も意見として出たが、そうすると今現状で何とかぎりぎり生き抜いている水生植物へのかく乱が大きいので、まずは水生植物の再生を考えてやるべきとなった。

(委員)
苫小牧の美々川の自然再生事業でも、やはり問題はインプットで、土地利用の問題が解決することが必要。

(委員長)
この小委員会での検討、議論を経て、次回の協議会にてあげるということでよろしいか。(承認)

議事3:広里地区自然再生における今年度調査実施状況について

 事務局から資料に基づいて広里地区自然再生における今年度調査実施状況について説明が行われた。

(委員)
これまでの旧農地の通水シミュレーションや遮水壁の再現計算をされているが、旧河川の部分を、どういうふうな行為を伴って変化を見越しているのかと言うのを、具体的に教えて欲しい。

(事務局)
今まで旧農地の湿原再生に向けては、旧雪裡川の嵩上げや地盤の掘り下げなどを検討してきた。現在検討しているのは、遮水壁を旧雪裡川の河岸に設置して、高水位を保ちながら、水位変動を抑える方法であるが、まだ検討段階である。

(委員長)
ハンノキに関してはある程度調査は進んで、今後の方針も2年目を迎えて実験の後、方向が少しずつ定まってくる。まだ現在は定まっていない。旧農地のところの取り扱いについても、まだ検討段階で、今回の小委員会には提案されていないので、次回以降の小委員会でどのようにするかということが改めて提案される。

(委員)
もし具体的に行うのであれば、遮水壁の位置や効果とか、他の影響とかも十分踏まえながら検討してほしい。

(委員)
最後の今後の方針についての、今までわかった事で広里地区のハンノキ林の急激な拡大の要因は湿原火災によるものと推定されるとあるが、これは今までの経緯からすると、水位の低下、それからPHの変化があって、更にさらにトリガーとして最後に火災があったと認識しているが間違いないか。

(事務局)
そのとおりであり、訂正する。

(委員)
最初の幌呂地区の養分を含んだ残土を排水路に入れると言うのは決定されたのか。

(委員長)
今年度24年度は、部分的に6頁の図面の3と言うところ、その部分に関しては行うと。
しかし行いながら、その結果に関してはモニタリングをして、この小委員会に報告をすると。
次年度以降の調査地に関しては、改めて数ヶ所の調査地点を増やしてデータを取って、その結果をこの小委員会に報告しながら、今後の取り組みの内容についてご議論いただきたい。

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