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第16回旧川復元小委員会 議事要旨

第16回(平成25年12月20日)

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第16回旧川復元小委員会 議事要旨

 会議の冒頭、事務局より配布資料の確認、第6期(後期)構成員の紹介、第15回旧川復元小委員会の発言概要と今後の検討方針(案)などについて説明が行われた。

議事1:平成25年度モニタリング調査結果について

 事務局からの説明の後、内容について協議が行われた。

(委員)
・ 自然再生の現場が見学できるような通路を検討していくとのことだが、茅沼地区の旧川復元を実施した箇所を観察するための木道を作る計画を立てたということか。

(事務局)
・ 計画を立てたのではなく、検討中ということである。

(委員)
・ 旧川復元の目的は、土砂をトラップすることではなく、湿原面積を増やすことではなかったか。

(事務局)
・ 旧川復元の目的は、魚類の生息環境の復元、湿原植生の再生、湿原中心部への土砂流入量の軽減、湿原景観の復元の4つである。

(委員)
・ 湿原中心部への土砂の軽減について、たまっている土砂量は経年的にみてどれくらい増えているのか。
・ また、たまった土砂は、将来どうなるのか。

(事務局)
・ これまでの調査は、1出水での土砂軽減効果を調査しており、年間を通しての土砂の堆積量は不明である。
・ 河川が氾濫して堆積した土砂は、今後もたまっていく。

(委員)
・ たまった土砂は、増水すると湿原中心部に流れていくのではないか。

(事務局)
・ 洪水規模にもよるが、現在においても、たまった土砂の一部が氾濫した後、再び河川に戻った水とともに湿原中心部に流れ込んでいると思われるが、かつての直線河道時と比較して軽減しているものと考えられる。

(委員)
・ 旧川と直線河道の間はハンノキ林が繁茂しており、氾濫し土砂がたまることでより一層、ハンノキ林の増加につながり、湿原面積が減少するのではないか。

(事務局)
・ 蛇行復元することで地下水位が上昇し、冠水頻度が増加していることから、地盤が湿潤状態となり、ハンノキ林の成長抑制、湿地の回復につながると考えている。

(委員)
・ たまった土砂は、やがて湿原中心部に流れていくとは思うが、この事業の目的は少しでも湿原中心部へ流れ込む土砂量を抑制することと捉えている。

(委員)
・ 土砂の対策については、過去からの歴史を踏まえて検討を行うことが重要。

(委員長)
・ 河川工学的な意見も聞きたい。

(委員)
・ 以前から議論してきたように、元は湿原中心部に運ばれていた土砂が、旧川復元によりここで氾濫し堆積している。当初の計画どおりに効果を上げているものと考えている。

(委員)
・ 元々の蛇行河川においても氾濫時の土砂堆積によって自然堤防が形成され、そこにハンノキが入ってくることは仕方がないことだが、右岸側の氾濫による土砂堆積によって乾燥化が進みハンノキが生えてくるかは、地下水位や冠水頻度との関係から乾燥化しない場合も考えられるため、今後もモニタリング調査を実施していく必要がある。
・ 河川周辺だけではなく、流域全体で土砂対策を実施していく取り組みが重要と考える。

(委員)
・ 前回の小委員会でも意見が出たが、旧川復元を身近に見学できるハード対策を実施してほしい。

(事務局)
・ 茅沼地区左岸側の木道設置に向けて、上部に要望していきたい。

議事2:次の旧川復元に向けた調査河川について

 事務局からの説明の後、内容について協議が行われた。

(委員)
・ 土砂流入量の推定方法について教えて欲しい。

(事務局)
・ 過去の調査結果から河川流量と浮遊砂量の関係式を作り、1990年~2012年までの観測流量から各年毎の浮遊砂量を推定し、これらの平均値を年間の浮遊砂量として示した。
・ また、この土砂量を流域面積で除した値を併せて示している。

(委員)
・ オソベツ川の土砂量が大きく、流域面積あたりではヌマオロ川が大きくなっている理由としては、上流域の土地利用が影響していると考えられるが、上流域の農地面積等を分析して検討した結果なのか。

(事務局)
・ 今回の結果は、上流域の農地面積まで考慮した結果ではない。

(委員)
・ 魚類への影響は、どう評価しているのか。
・ 現在、直線河道に生息している魚類は、河川の蛇行化により、どのような影響を受けるのか。

(事務局)
・ 旧川復元により、流れの多様性(流速が速い箇所、遅い箇所)が増加し、それに伴い、多様な魚類が生息できる環境が形成されるものと考えている。
・ 特に、ヌマオロ川では、直線河道にはカワシンジュガイが生息しておらず、蛇行部分に生息している調査結果があることから、カワシンジュガイの生息数の増加が期待できる。

(委員)
・ 河川の多様性については、これまで平均蛇行率という指標が広く用いられており、私たちが2000年度に行った調査では、釧路川と千歳川の平均蛇行率はほとんど変わらないが、蛇行の多様性の指標でみた場合、釧路川は千歳川と比較し高い値となっている。
・ 今後、魚類の生息の評価指標としては、蛇行の多様性を取り入れてみてはどうか。
・ 必要な資料は提供する。

(事務局)
・ 今後の検討の参考にさせていただきたい。

(委員)
・ 今年度、出水が相次いだこともあり、農地の冠水などの影響が懸念されることから、詳細な調査が必要となると思う。
・ 久著呂川が対象河川に入っていないのは、なぜか。

(事務局)
・ 今回の対象河川の選定は、既存資料をもとに検討したものであり、詳細な調査は今後選定した河川を対象に行うことを考えている。
・ 久著呂川の湿原流入部で土砂調整地を設置し、既に事業を行っていることから、今回の対象河川からは外している。

(委員長)
・ 農地への影響については、しっかりと影響調査、現況調査、シミュレーション等を行った上で旧川復元をどうするか検討することになると思う。

(委員)
・ オソベツ川が直線化工事を実施した経緯は、過去頻繁に冠水しており、農地開発のため行った。
・ 営農者としては、オソベツ川の蛇行復元については反対である。地元でもオソベツ川が選定された場合は反対していくことを話し合っていた。

(委員)
・ 幌呂川については、旧幌呂川に河道を切り替えた場合、上流側の農地への影響が懸念されるため、増水時には現在の直線河道でも洪水を流すことができる2WAYの計画を行ってみてはどうか。

(事務局)
・ 2WAYにすることで、旧幌呂川の流量及び幌呂川の流量が減少し、氾濫頻度の低下により地下水位の回復が期待できなくなることや、掃流力の低下による土砂堆積が懸念されるので、1本に絞って検討するのが良い方法と考えている。

(委員)
・ ヌマオロ川の蛇行区間の延長、直線区間の延長は、どのくらいか。
・ ヌマオロ川には落差工があるが、現在、土砂で埋まってきており全川的に堆積傾向にあるように感じる。今後、事前調査を行い、堆積原因を含めて、検討が必要と考える。

(事務局)
・ 蛇行区間は約2.0キロメートル、直線区間は約1.5キロメートルである。
・ 今後、選定された河川について詳細に調査、検討を行っていく。

(委員)
・ 先行河川の茅沼地区では、周辺に農地がほとんどないが、今回提示された4河川では、周辺に農地があり、旧川復元による河川水位の上昇、氾濫による堆砂により、農地を保全しても営農出来ないこと等の懸念が考えられる。今後、対象河川において詳細な調査や検討を行った上で、農地への影響について再度議論をしたい。

(委員長)
・ 次の旧川復元に向けて調査対象とする河川は、地域への影響等を考慮し、事務局が提案するヌマオロ川で良いか。
・ 特に異存は無いようなので、この方向で進めてほしい。

その他:釧路湿原自然再生全体構想の見直しについて

 事務局より説明(質問無し)

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