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第2回旧川復元小委員会 議事要旨

第2回(平成16年6月29日)

  • 釧路湿原自然再生協議会

第2回旧川復元小委員会 議事要旨

委員長代理選出について

 神田委員長の欠席により、中村委員が委員長代理に選出され、承認された。

釧路湿原の旧川復元計画について、既往の調査検討結果(平成15年度まで)

 事務局より「釧路湿原の旧川復元計画について」及び「既往の調査検討結果(平成15年度まで)」の説明が行われた。

(委員)
旧河道の河床材料であるシルトを取り除くとなると、それをどこに持って行くのかというのが問題になる。完全に取り除けないのなら、大量に下流へ出て行くことになるのでは。そうすると、工事によって泥水がいっぱい出るかもしれないが、それは当面この分がなくなる、開いただけは出てくるのは仕方ないということでやればいいのかもしれない。
下流に流出する土砂量が減少するのであれば、それなりの効果があると考えてよいが、旧川を復元することで湿原への土砂流出量は変わるのか。

(事務局)
湿原への土砂流出量は今後調べて、報告する。

(委員)
底泥を掘削した後の処理はどうするのか。

(事務局)
土壌検査を行った結果、環境に害を及ぼすような結果は出ていないので、含水値を下げることや改良剤等を入れて通常の盛土等として有効利用していくことを考えている。

(委員)
現直線河道と旧川との間はどのような植生になっているのか。復元後のシミュレーションで氾濫の頻度が高まるという説明があったが、それによってどんな植生に変わっていくことが期待されるのか。

(事務局)
旧川には、ヤナギ、ハルニレ、ヤチダモなどの河畔林があり、また背後地は帰化種が大部分を占めている。直線河道には、同様にしてヤナギが繁茂し、ハンノキ群落との間には若干ヨシ群落やホザキシモツケ群落、シラカンバ群落がある。
復元後の植生について、旧川沿いの地盤が高いということもあって、植生は今のままだと、余り変化が期待できないようなところもある。湿地の再生をどうやって講じていくか、今後の課題となっている。

(委員長代理)
今後、制約条件を整理して議論を収斂していくべきではないか。これまで相当調査をしているので、その中で言えることである程度議論が絞れていくのではないか。

(オブザーバー)
河道復元計画の中に、標茶町との協動体制での復元を実施するとあるが、どのような協働体制をするのか、具体的な考えがあれば聞きたい。
復元箇所上流の農地に影響を与えない復元計画とするということだが、上流部分に土地利用の制約条件という記述がある。ここは農地防災事業の区域と重なっており、調整が必要である。また、五十石堤防となっているが、実際は無堤防区間である。その辺の関連も含めてどのようなイメージを持ったらいいのか。

(委員)
協働体制については、まだ具体的なものは無いが、今後いろいろな計画の段階から一緒にやっていきたい。
上流の制約条件について、旧川復元区間の入り口付近ではスポット的には河川水位は上がる。ただし、KP35付近より上流は水位上昇が無く、農地には影響は無い。
上流農地の区間は、いま無堤であるが、農業側の方で地上げ等の施策を取っているので、今後は治水の安全度も上がる。

(委員)
五十石堤防、下流右岸側の計画堤防というのは今後つくる予定はあるのか。

(委員)
五十石堤防については、いつ実施するかは決まっていないが、計画上見込んでいる。また本川右岸側については、現在土地利用がなされていないことから、今後堤防はつくらず、逆に氾濫を許容することで冠水頻度を上げ、自然再生を図ることを考えている。なお、相対的に左岸側の治水安全度は上がる。

(委員長代理)
オソベツ川の旧川復元と茅沼の旧川復元の整合性について、平常時、洪水時でどのように考えていけばよいのか。

(事務局)
オソベツ川に関してはまだ十分な検討がなされていない。今後、直線河道右岸側への氾濫頻度を増やすとき、旧オソベツ川を一体的に考えなければならないということ。

(委員長代理)
オソベツ川の復元も考えているのならば、全体計画としての整合性をより早いうちに持っておいたほうがよい。

(委員長代理)
直線河道の現状の交互砂州形態を、ずっと放置することによって、湿原にあるような蛇行河川へ自然に復元するという意見があるが、委員会としての合意点を持つべきではないか。再び蛇行するにはどのぐらいの時間が必要なのかということをある程度固めていったほうがよいのでは。

(委員)
交互砂州の波長が旧川の蛇行の波長とほぼ同じように出てきておりいずれは戻ると思うが、直線河道ができて20年経っても蛇行し始めるまでは至っていないことから、100年ぐらいじゃ全然戻らないのでは。200年とか300年というオーダーになり、その前に釧路湿原がどうなるか。

(委員長代理)
どのぐらいの時間スケールで変化していくか、粗い計算で構わないので、委員の意見を伺いながら、検討していただきたい。
いろんな問題はあるということを列挙した上で、いま英知を集めた結果から意見をまとめるべきではないか。何もしないという判断をするのか、もしくは積極的に蛇行復元をやっていくのかの分かれ道であり、意見合意の重要なところだと思う。

(委員)
侵食のスピードは、土・水の粘着力だとか河岸植生の根の影響などが関係しており、計算は簡単ではないが、予測は出来る。1000年という数字が出てくるかも知れない。

(委員)
何らかの数字を押さえておくことは必要と考えている。例えば1000年で戻りそうになったときに、もうそのときには湿原は無かったという話になるのか、再生事業のモチベーションとして押さえておきたい。

今後の調査検討方針について

 事務局より今後の調査検討方針の説明が行われた。

(委員)
オソベツ川の方も一体的に調査をして、本川とオソベツ川の旧川復元を一体に考えるということは、自然再生の意味でも農地への影響を最小限化する意味でも、私も意義があることだと思う。
旧川の流下断面を確保するために掘削の計画をこれから立てるということだが、旧オソベツ川に通水するとなると、釧路川本川の方の旧川復元について表現が変わってくるものなのか。

(委員長代理)
仮にオソベツ川の旧川復元をすれば、本川茅沼の旧川復元で河道掘削を現状に見合った形で最小限の掘削断面ぐらいでおさまるのではないか。つまり、現況の河畔林をディスサーブしないような工法もあるのではないか。

(委員)
直線河道の右側に氾濫を許容したときに、旧オソベツ川を一体的に考える必要があるというレベルで、今すぐオソベツ川を復元するというわけではない。調査してみないと分からない話であり、あくまでも検討範囲に含めているということである。

(委員長代理)
調査を幾らやっても調査では分からないことが次々に出てくるわけで、もっと具体論に入らないとならないと感じている。例えば、落下昆虫調査はあるに越したことはない資料ではあるが、決定的な資料にはならない。

(委員)
食物連鎖を考えた場合、魚の餌の1つになる落下昆虫の調査は、そのポイントの定め方だとか方法論はあるが、今年度調査計画に基づきお願いしたい。

(委員)
この落下昆虫を調べることで旧川を復元したときの効果が分かるのであればやるべきだ。

(委員)
例えば上流で工事が行われて土砂が流れた場合などは、落下昆虫に影響し、さらにそれを餌にするサケ科など魚類にも影響してくる。そういう意味で、基礎調査をやっておけば何かあったときに、判断する材料にはなる。
いろいろな調査をやりながら工事も一部着手していかないと、いつまでも同じような論議が出てくる。ちょっとでも何か影響が出てきた場合には、一時中止するような余裕を持ちながら進めていく必要があるのでは。

(委員長代理)
この落下昆虫調査をどう解析・評価するのか目的を示してほしい。全体がある方向に向けるような形での情報収集をしていただきたい。

(委員)
平成13年3月に検討委員会提言が出てから、3年3ヵ月いろいろ調査をやってきたが、何かあったら困るということで調査がまた新しい調査を生み、確かに今まで何もできなかった。今後は小さな規模からでも実施していきたい。そうやって新しい技術を積み上げていくということも大事なのではないか。

(委員)
侵食量を将来どうなって蛇行していくのか計算するのであれば、浸食の係数などを出すために現地材料で何か対浸食試験をやったほうがよい。

(委員)
調査も大事ですけれども、やはり早く通水して、問題点を調べて、それで他の復元計画がある4河川に結びつけていかないと、非常に時間がかかり過ぎるように感じる。

(委員長代理)
そろそろアクションに移す時期である。それをやめるという選択肢も一つのゼロアクションとしてはあり得るが、この委員会としてそうでないのなら、どういう方向に向かうかを少なくとも今年度中にはある程度の結論を持ちたい。

全体構想との関わり

 全体構想との関わりについて、事務局より説明を行われた。

(委員)
調査を総合的に一つに捉えて、目的や結果を総合的に調整していくようなところはないのか。

(委員)
以前の検討委員会には調査技術小委員会のように、調査とか技術的なものを統合するようなものがあれば解決していくのではないか。

(委員長代理)
今のところはこの委員会の枠の中でやっていくということであるが、疑問を持ち何かこういう方向がいいと思った人が、ワーキングなりに参加していただいて、協力していただきたい。地域がもっと強く引っ張るべきだと思う。

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