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第16回協議会 議事要旨

第16回(平成22年12月14日)

  • 釧路湿原自然再生協議会

第16回協議会 議事要旨

はじめに :第5期 釧路湿原自然再生協議会の運営について

1)第5期 協議会構成員の公募結果
 事務局から第5期協議会構成員の公募結果について報告が行われ、協議会委員相互で公募結果を確認した。
2)第5期 協議会の会長および会長代理の選出
 第5期協議会の会長として新庄久志委員から中村太士委員が推薦され、委員の拍手により中村委員が会長に選任され、中村新会長から挨拶が行われた。
 第5期協議会の会長代理として新庄久志委員から高橋忠一委員が推薦され、委員の拍手により高橋委員が会長代理に選任された。

議事1 :第4期 協議会の収支報告

 事務局から第4期協議会の収支報告が行われ、協議会委員相互で収支内容を確認した。

議事2 :第15回 協議会以降の小委員会開催報告

 事務局から第6回湿原再生小委員会、第13回土砂流入小委員会、第10回森林再生小委員会、第15回および第16回再生普及小委員会の開催概要について報告が行われた。
 その報告に続いて、事務局、または各小委員会の委員長から、各小委員会の議論内容および挙げられた意見について報告が行われた。

【第6回湿原再生小委員会議論内容報告 事務局より】
【第13回土砂流入小委員会議論内容報告 事務局より】
【第10回森林再生小委員会議論内容報告 事務局より】
【第15回再生普及小委員会議論内容報告 高橋委員長より】
【第16回再生普及小委員会議論内容報告 高橋委員長より】

(委員)
・ 広里地区の湿原再生の取り組みとして、ハンノキを伐採して湿原植生の回復を図るという説明があったが、なぜハンノキを伐採するのか。

(事務局)
・ ハンノキを伐採することが目的ではない。ハンノキ拡大の要因は明らかになっていないが、ハンノキの拡大が湿原にとって悪いものだと分かった場合に、ハンノキを伐採するという管理手法もあり得るという考えで伐採試験を行っている。
・ これにより、ハンノキ伐採という管理手法を採用した場合の湿原への影響を把握することができると考えている。

(委員)
・ どの程度の面積伐採したのか。

(事務局)
・ 手元に資料が無いため回答することができないが、それほど大きな面積ではない。

(委員)
・ ハンノキの分布や生長の様子が湿原の変化を表していることに着目し、ハンノキを取り上げている。広里地区で行っている取り組みは、ハンノキが湿原のどのような変化を表しているのか明らかにするための試験として位置づけられると思う。
・ ハンノキが湿原のどのような変化を表しているのか把握することができれば、変化している湿原にどのように対応していけば良いのか検討することができる。これは一つの試みだと思う。

(委員)
・ なぜハンノキが生育するのかと言えば、乾燥しているからである。乾燥することが湿原にとって望ましくないということになれば、釧路湿原全域を対象としてハンノキ伐採を行うのか。

(事務局)
・ ハンノキの拡大要因を現在調査しているところである。湿原乾燥化の定義も色々あると思うが、ハンノキの拡大要因が乾燥化だけなのか、まだ分かっていない。
・ ハンノキの拡大要因を解明しない限り、ハンノキを伐採することが良いのかどうかも分からない。ハンノキの拡大要因に応じて、ハンノキを伐採するかどうか検討していく必要がある。現時点でハンノキを伐採する必要があると判断しているわけではない。

(会長)
・ 私が知る限り、ハンノキ林が拡大している理由は場所によって異なり、土砂流入量が多い場所、水位が低下した場所など様々である。
・ ハンノキ自体は外来種でもなく、湿地林を代表する種である。ハンノキが生育することにより、他の湿原植生が失われていくことをどのように考えるかだと思う。
・ ある場所においては、人為的な管理を行って湿原植生を保つこともあり得る。そのような管理をこの協議会が選択した場合、どのような管理の方法があるのか検討するために実施した試験だと思う。
・ 現状、ここまで拡大したハンノキ全てを伐採する、まして管理していくということにはならないと思う。
・ ハンノキ林の拡大を抑制する場所を限定した場合、どのような管理の方法があるのか考えると、伐採、あるいは水位を上げることなどが挙げられると思う。
・ 自然にどこまで介入できるのか、非常に難しい問題である。他の小委員会でも、どこまで介入すれば自然が変化するのか、慎重に議論してもらいたい。

(委員)
・ ハンノキが生育している箇所を調査すると、土砂堆積の影響を受けている箇所がある。その他に、地下水や土壌のリン濃度が非常に高濃度である箇所がある。ハンノキには窒素固定能力があり、栄養素が増加すると特異に増殖することがある。
・ 火山灰の影響でリン濃度が増加することがあるが、釧路湿原の場合、そのようなレベルではない。私が調査した地点の地下水のリン濃度は、通常の百倍から一万倍くらいあり、特に深層地下水は高濃度である。
・ ハンノキが生育している地点の地下水のリン濃度を調査すると、深さ方向に濃度が高くなっていく。どちらかというと、火山灰の影響ではなく、周辺の土地開発の影響を受けているのではないかと考えている。大正時代の畑地土壌のリン濃度は非常に高いという報告もある。
・ 深層地下水がどのように流れているのか把握することが重要である。いつの間にか、釧路湿原の南側一体もハンノキだらけになるのではないかと危惧している。

(会長)
・ これまでに、地質学的にリンが溶出しやすいという報告が行われている。また、農業の影響でリンが溶出しやすいという問題もあると思う。
・ ハンノキについては、今後も監視を続け、何らかの対策を実施できるものについては実施していくことになると思う。

(委員)
・ 流域全体の水の流れを見るようにしてもらいたい。

(会長)
・ 水循環小委員会で検討することになると思う。

(委員)
・ 釧路湿原の面積について、配布された資料に議論の結果は示されているが、図面が示されていない。できれば、図面を示してもらいたい。

(事務局)
・ 現在検討中の図面であれば提供することができるので、必要に応じて事務局の環境省釧路事務所に申し出てもらいたい。

(会長)
・ 確定したものとして扱って良いのか。現状の図面に問題があるのであれば、問題が解消されてから公表した方が良いのではないか。

(事務局)
・ 釧路湿原の面積については、湿原再生小委員会で議論中である。協議会には、湿原再生小委員会での議論を経て、正式に報告したいと考えている。

(会長)
・ 議論途中の図面であれば、見ることができるということである。湿地の定義は難しいので、色々な議論を経なければ合意を得たものを示すことはできないと思う。

(委員)
・ 北海道でも、外国資本による土地の買収が進んでいる。釧路湿原にも個人の土地があれば、買収は可能である。湿原面積に関する中間成果でも良いので、それを示し、買収を阻止しておかなければ、今後影響が出てくると思う。

(会長)
・ 幌呂地区と広里地区で湿原再生について検討が行われており、両方とも排水路の問題があったと思う。地盤の切り下げで対応するという話があったが、排水路を埋めることはできないのか。

(事務局)
・ 幌呂地区については、排水路としての機能が残っている箇所があるので、埋め戻すことはできないと考えている。

(事務局)
・ 広里地区については、排水路の埋め戻しについても議論しているが、対応はまだ決めていない。今後の状況に応じて対応を決めたいと考えている。

(委員)
・ 土砂流入小委員会の報告の中で、帯工の説明があった。帯工について全国の事例を見ると、市民参加可能な帯工の設置事例も報告されている。釧路湿原でもそのような方法を検討することができないか、小委員会で話し合ってもらいたい。

(事務局)
・ 帯工の施工にあたってどのような市民参加が可能なのか、まだ知識が無いため、勉強してから検討したい。

(委員)
・ 大正11年のハンノキの分布が分かれば教えてもらいたい。

(事務局)
・ 現時点では把握していない。

議事3 :平成22年度協議会(事務局)の取り組みについて

 事務局から平成22年2月28日に開催した茅沼地区蛇行復元フィールドワークショップの開催概要について報告が行われた。
 また、このフィールドワークショップと同時開催の予定であったが、開催前日に発生したチリ沖地震による津波警報発令により中止となった「こども発表会」の開催予定(平成22年12月19日)について報告が行われた。

議事4 :釧路湿原自然再生5年目の施策の振り返りについて

 事務局、または各小委員会の委員長から、各小委員会における5年目の施策の振り返り状況および今後のとりまとめ方針について説明が行われた。

(会長)
・ 協議会として、施策の振り返りについて具体的に議論するのは次回ということになる。
・ あくまで、事業の評価ではなく、全体構想の振り返りを行い、評価を行ってもらいたいと考えている。
・ 各小委員会で検討し、その結果がでたときに議論を深めていきたいと思う。
・ 振り返るだけではなく、どこが問題だったのか明らかにし、未来に対する活動計画にしていきたいと考えている。

議事5 :設置要綱の改正(案)について

 事務局から、運営事務局(北海道)の組織改変に伴う設置要綱の改正(案)について報告が行われた。

その他

 今後の自然再生協議会運営についての課題と対応策について、団体委員の「さっぽろ自然調査館」から提案が行われた。

(会長)
・ 今日、具体的な内容まで踏み込んで議論するものではないと思う。今後、ワーキングをつくり検討していくことについて、提案が行われた。
・ 協議会は、お客さんではなく、プレイヤーの集まりである。委員が自発的に出るものは、どんどん行ってもらいたいと思う。どこでどんなワーキングをつくろうとも、それは自由である。
・ 行政機関にも協力してもらい、委員の皆さんにも頑張っていただかないとならない問題も多々あると思う。
・ 協議会の原点に立ち戻って見直し、皆さんが活発に議論できる場にしていきたい。
 そのための取り組みを進めたいので、ご了承いただきたい。多々問題があると思う。その問題を率直に指摘していただき、議論をはじめることが重要だと思う。

(委員)
・ 現在、我が国の森林、水資源が外国資本に買収されている。このことについても、目を光らせていく必要がある。上流部で水資源を奪われると、下流側の水はどうなるのか、という問題が生じる。そういったことも考えてもらいたい。

(会長)
・ 是非参加してもらいたい。
・ 外国資本が全て悪いとは思わないが、水の問題だけではなく、森林の問題もある。
 日本の土地利用制度は、個人の権利が強く、それを抑えるということが極めて難しくなっている。
・ ニセコをはじめ、北海道の森林が外国資本に買収されており、その買収の目的がはっきりしない、という問題があるようである。釧路川流域でそういった問題があるのであれば、行政と協力しながら、協議会としても検討していくことが重要だと思う。

(委員)
・ 排水路沈砂池のモニタリングを実施しているということであるが、その結果はどこにいけば提供してもらえるのか教えてもらいたい。

(事務局)
・ 農業用排水路に設置している沈砂池については、事業実施期間中は事業主体である釧路開発建設部がモニタリングを行い、結果を管理している。
・ 事業完了後は、関係市町村および維持管理団体等に施設を引き継ぎ、そこがモニタリングを実施している。地元で管理を実施しているため、資料等についてはそちらへ問い合わせていただくことになる。

(委員)
・ この協議会としては、沈砂池の効果等を追跡していかないということか。

(事務局)
・ 沈砂池での堆積実態は、ある程度結果が出ている。長期的なデータは無いが、事業完了後2~3年のデータは釧路開発建設部で管理している。依頼があれば、提供することに問題は無い。

(会長)
・ 個別の市町村に沈砂池の管理を任せてしまうと、この協議会に結果が出てこなくなることを心配されているのだと思うが、その点はどうか。

(事務局)
・ 小委員会では、関係市町村の方も委員となっているので、必要があれば小委員会の中で地元から報告していただくことになる。

(委員)
・ 事業が終わったらあとは知らない、ということでは、釧路湿原を守っていくことはできない。
・ 地元が行っている沈砂池の管理は、ある程度の助成金で行っているボランティアである。時限立法的な側面があり、将来が見えない事業である。

(委員)
・ 自然再生協議会のあり方にも係わると思う。自然再生の取り組みについて報告があった際、今後のモニタリング方法について知恵を出すようにすれば良いのではないか。
・ 自然再生事業に係わるデータを集めて共有することについて、先ほど「さっぽろ自然調査館」から提案があった。行政、地元市町村、あるいは直接携わっている地元農家の方々のデータを集めて、自然再生協議会で共有し、判断し議論する場を求めているのだと思う。このようなことについても、協議会のワーキングの中であり方について検討していくことになると思う。

(会長)
・ この協議会にデータが出てこなくなることも問題だが、全て行政任せにしていても、やはりうまくいかないと思う。
・ 汗を流す協議会の委員がたくさんいることが望ましい。ワーキングをつくり、事業の管理主体が変わる場合や、地域の人がとっているデータについてはどのようにサポートしていくのか、話し合っていきたいと考えている。

 事務局から、各小委員会、第17回釧路湿原自然再生協議会の開催予定について説明が行われた。

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