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第11回水循環小委員会 議事要旨

第11回(平成25年3月21日)

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第11回水循環小委員会 議事要旨

小委員長選出について

1.開会
 開会に先立ち、初代協議会会長辻井達一氏に全員で黙祷。

2.委員長及び委員長代理の選出
 委員の互選により、委員長に藤間委員、委員長代理に新庄委員が選出された

議事1:水循環小委員会の検討の流れについて

 事務局より、水循環小委員会の検討の経過について説明が行われた後、内容について協議が行われた。

(委員長)
・ この小委員会で一番大切なことが書いてあるのは4ページ(小委員会の3つの目標)。目標(1)は湿原再生のための望ましい地下水位を保全すること。水質、地下水の状態を1980年以前の状態に戻したいというのが目標である。それを実現するために目標(2)が設定されている。釧路川流域の水、物質循環メカニズムを把握し、湿原再生の各種施策の手法の検討や評価が可能となるようにするということ。
・ 第5期(平成23~24年)は、釧路川流域、湿原、もう少し小さな河川の流域について、地下水がどのような状態にあるかということをシミュレーションによって表そうとし、ある程度の精度でこれを再現できるようになった。
・ これをもとに今度は、物質、いわゆる汚染物質がどう拡散していくかを調べていく。

議事2:水循環小委員会の今後の検討方針について

 事務局より、水循環小委員会の今後の検討方針(案)について説明が行われた後、内容について議論が行われた。

(委員)
・ 物質循環の検討について、この小委員会で取り扱う物質をどう考えればいいのか。

(委員)
・ 湿原が乾燥化してハンノキが増えていることに着目すると、ハンノキに影響を及ぼしている要因は何なのかということになる。地下水、土砂の流入、水質で言えばSSとか土砂の関係、それからやはり栄養塩の関係ということになるのではないか。

(委員長)
・ ひとつは栄養塩。もうひとつは、土砂のたまり方によって地下水位が相対的に変化することで、植生が変わってくると思う。物質は栄養塩と限定できるのではないか。

(委員)
・ 土砂の問題も大きな影響を持っているとすれば、土砂流入小委員会で久著呂川における情報を集積し、データも取られていると思うので、密接な情報の共有化をすべき。

(委員長)
・ 最終的に2つもしくは3つの小委員会が合同で話し合って、最終的に結論を得る、そういうことが必要になってくると思う。
・ 第6期の2年にかけて、今後釧路湿原におけるいろいろな栄養塩がどういうふうに拡がっていくか、現在どういうような状況にあるかということを推定したい。
・ ところが釧路湿原は200キロメートル2を超える面積を持っており、とてもこの複雑な現象を流域全体もしくは湿原全体で再現することはできないと思う。
・ まず、久著呂川流域において、観測データを用いて物質の移動をモデル化することが水循環小委員会のやるべきことととらえている。

(委員)
・ 私たちは釧路湿原の上流部で農業を営んでいる。排水路の土砂が湿原中心部に流れ込まないように、沈砂池を設けている。この沈砂池の土を分析していただきたい。

(委員)
・ 土砂流入小委員会でも検討できないか諮ってみるのがいいのではないか。
・ 土砂流入小委員会では各排水路の特徴や流域特性に応じた土砂の出方を分析しており、かなりの情報が得られていると思う。

(委員)
・ 私たち、釧路川上流部で営農する者の責任として、釧路市の大事な生活水を汚しては何にもならない。環境を維持するための酪農を求めていきたい。そのための数値的な情報を提供してもらい、農家だけでなく町・農協も率先して対策に取り組むべきである。

(委員長)
・ 非常に意味のあるコメントを頂いた。
・ 例えば人間の活動があるからここまで汚れてしまった、だからやめなさい、というものではなくて、こういう対策、施策をすれば、ある程度の改善が望めるというように、人間と自然がうまく融合するような形をこの小委員会でも扱っていきたいと思う。

(委員)
・ 単純に1980年代に戻せばいいという話ではなくて、かえって1980年代のほうが悪くて、今はいろいろ対策をやってきてよくなってきているかもしれない。

(委員)
・ 資料17ページ、発生源の検討は土地利用を主体においているが、点源も検討の対象にするのではないか。

(事務局)
・ 当然点源も必要だということであれば、つけ加えていくことになる。

(委員)
・ 川の近くに畜舎や農場があることが、河川を汚す一つの要件になっていないか心配している。点源をより考慮しながら検討を加えていただきたい。

(委員)
・ もともと汚濁の性質が点源と面源では違う。犯人探しというのではなくて、汚濁がどういうところからどういうふうに出てきているのかというのを明らかにするために、点源も面源も両方しっかり押さえるべきだと思う。

(委員)
・ 土地利用、家畜の頭数、河川の改修など、物質移動の要因を全部ピックアップして、10年、20年、30年でどのように変化しているかを洗い出すことが先決かと思う。

(委員長)
・ 単に数値計算を行うと、堂々巡りするような感じがする。きっちりとデータを整理したうえで、この小委員会が持っている知見で物質移動を検討していきたいと考えている。
・ 達古武あたりをみるとかなり汚染が進んでいる。それがまた釧路川に悪影響を及ぼす。それをどういうふうに取り込んでいくか、これから非常に課題になってくると思う。

(委員)
・ 地下水に乗ってくる栄養塩がどう関係しているのかも、チェックしておく必要がある。地下水の水質のモニタリングの必要はないのか。ただ、全体の水循環の中で占める割合が少なければ、難しいことでもあり、ペンディングということもありうると思う。

(委員長)
・ 河川水と地下水の物質移動は、現象面としては全然違う。川まで物質が届くプロセスを解明するには、地下水も検討しなければならないが、これは未だかつて解明されていない現象である。

(委員)
・ 地下水の水質に関しては、先送りという理解だが、もし可能であれば、地下水の水質のデータの集積は今から考えておくといいと思う。

その他:水循環小委員会の運営や検討に関する意見交換

 水循環小委員会の運営や検討に関して、意見交換が行われた。

(委員)
・ 再生普及小委員会から情報を発信する。水循環小委員会も情報提供をお願いしたい。

(委員)
・ 湿原の水の希釈や湧き水など、市民の見学会などで話していただきたい。

(委員)
・ 幌呂地区の湿原再生事業が進んでいく。昨年度の水循環小委員会の予測結果の精度を確認し、振り返りながら議論していければ良いと思う。

(委員)
・ 釧路湿原の自然再生事業では、アダプティブマネージメントを確実に実践してほしい。

(委員)
・ 釧路湿原の維持と酪農が両立できるようにしていくことが必要だと思う。

(委員)
・ 水質の数値の意味について、もう少し分かりやすく説明していただければと思う。また、久著呂川の改修前の状態についても今後明らかにしていただきたい。

(委員)
・ この小委員会の検討目標は水循環であると思うが、水質の改善の話しが中心となっている気がする。

(委員長)
・ 水循環が正しい。湿原をめぐり水が回っている。それを1ヵ所で止めると湿原が成り立たなくなる。湿原全体の良好な状態を長く維持する検討を行うので「水循環」である。

(委員)
・ 1980年代のタンチョウから水銀が出ており、決して良い時代ではなかったのかなと思う。

(委員)
・ 湿原の環境がよくなることが地域にとってもプラスになるといいと思う。

(事務局)
・ 先ほど話があった幌呂地区では、地下水位と植生の調査を実施する予定である。まず、湿原再生委員会で結果を示し、その後水循環小委員会でも示す流れになる。

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