令和7年5月27日局長記者会見
ページ内目次
記者会見内容
令和7年5月27日局長記者会見の内容
1 気候変動への対応(本格的な雨のシーズンを迎えるに当たって)
・ 河川防災情報の発信 ~河川水位や河川カメラの画像をご活用ください~
・ 令和7年度 石狩川水系忠別川総合水防演習を実施します
・ 民間企業施設と連携し、QRコードで防災・災害情報を提供します
2 観光シーズン等に向けた取組
・ 外国人ドライブ旅行者向けポータルサイトの開設
・ 地域共創インフラツアーの紹介
3 シーニックバイウェイ北海道20周年
~20周年の振り返り、20周年記念フォーラムの開催~
4 国営土地改良事業(R6年度完了:津別地区)の効果
1 気候変動への対応(本格的な雨のシーズンを迎えるに当たって)
・ 河川防災情報の発信 ~河川水位や河川カメラの画像をご活用ください~
・ 令和7年度 石狩川水系忠別川総合水防演習を実施します
・ 民間企業施設と連携し、QRコードで防災・災害情報を提供します
2 観光シーズン等に向けた取組
・ 外国人ドライブ旅行者向けポータルサイトの開設
・ 地域共創インフラツアーの紹介
3 シーニックバイウェイ北海道20周年
~20周年の振り返り、20周年記念フォーラムの開催~
4 国営土地改良事業(R6年度完了:津別地区)の効果
会見日時・場所
令和7年5月27日(火曜日) 11時00分~11時48分
札幌第1合同庁舎15階 特別会議室
札幌第1合同庁舎15階 特別会議室
配布資料
説明動画
1.シーニックバイウェイ(秀逸な道)
2.国営農地再編整備事業(津別地区)
2.国営農地再編整備事業(津別地区)
冒頭:挨拶

今日、お話しさせていただきたいことは4点です。
1点目は、これから平成28年の大雨のような豪雨災害が起きる時期を迎えますので、事前に皆様方にも知ってほしい情報等について紹介します。
2点目は、これから観光シーズンが本格化することと、夏休み時期のテーマとしてインフラツーリズムが活用できるのではないかと思いますので、観光シーズンに向けた取組として説明します。
3点目は、シーニックバイウェイという制度ができて20年になりますので、この20年の振り返りと、来月に予定されています20周年の記念フォーラムについて紹介します。
4点目は、北海道開発局において実施しています国営農地再編整備事業のうち昨年度に津別町において事業が完了し、その効果が非常に出てきていますので、紹介します。
1.気候変動への対応(本格的な雨のシーズンを迎えるに当たって)
河川防災情報の発信 ~河川水位や河川カメラの画像をご活用ください~

前回の記者会見時に資料1ページの左側の図をご覧いただきましたが、前回は冬期でしたので、アメダスにおいて過去10年間における降雪量観測について、統計開始以来最多となる降雪量を記録した観測地点が64箇所で全体の約53%であった旨説明させていただきました。今回においては、これから雨のシーズンになりますので、アメダスの観測地点道内226箇所のうち、直近10年間において1時間降水量または24時間降水量が観測史上1位の値を更新した観測地点を地域ごとに赤で着色しています。割合としては全体の52%になっています。最近、道内では数年に一度は必ず大雨となっていますので、気候変動の影響は実感されているのではないかと思います。
それから、同ページの右側の図についてですが、従来の河川整備は、過去の災害履歴等を踏まえどれだけ河川の掘削等の対策を実施すればよいかという考え方に立っていました。しかしながら、現在は、将来、気温が2度上昇したときに各地域の雨量がどの程度増えるかということを勘案して、河川整備に関する計画の見直しを進めております。この地図を見ていただくと分かるように、温暖化の影響は、北国のほうがより大きくなっています。例えば、気温が2度上昇した場合、本州の方であれば降雨量は1.1倍ですが、北海道の場合は1.15倍ということで非常に影響が出ます。かつ、全国に比べて北海道は年間降雨量が非常に少ないので、これからも気候変動の影響を大変受けやすい地域であるということで、私どもとしても非常に危惧しております。
資料2ページ目の左側のグラフは、北海道の月別の降水量・平均気温を示したもので、ご覧のとおり、7月から降水量は増えており、8月は特に台風等で非常に降水量が増えております。このような出水期にどのような情報をご覧いただきたいかということで、改めて今回3点ご紹介させていただきます。
1点目は、「川の防災情報」です。こちらは河川の水位や河川のカメラ画像を確認することができます。道内では、河川水位について約1,600箇所、河川カメラについて約1,700箇所ご覧になれます。普段から、自分の周りにどのような危険があるかを把握していただくための手段になるのではないかと思っています。イメージは資料4ページに示すように、河川の実水位や基準となる水位に対してどうなっているかも確認でき、カメラの画像がある部分をクリックすると、現地の画像と水位を確認することができます。また、資料5ページに示すとおり、指定河川洪水予報の発表後は6時間先までの水位も確認することができますので、活用いただけるのではないかと思います。
2点目の「ハザードマップポータルサイト」については、浸水が自分の地域でどの程度起こるかが、地域ごとで分かりますので、活用いただきたいと思います。イメージについては、資料6ページに示すとおり、住所を入力すると、そこでどの程度の浸水が想定されるかが分かります。何かの折りに、居住する地域等に対して関心を持っていただくとこれから役に立つのではないかということで紹介させていただきました。
3点目ですが、「北海道開発局公式X(旧Twitter)」においても防災情報を発信していきますので、活用いただければと思います。
令和7年度 石狩川水系忠別川総合水防演習を実施します
続いて、水防演習の話題です。毎年実施しておりますが、今年は5月31日に、旭川市の忠別川右岸の旭川地区河川防災ステーションで行います。水防機関の密接な連携及び水防技術の向上、それから水防意識の高揚を図るということと、地域住民の理解と協力を深めることを目的として開催しております。
今年のポイントは、資料9ページの右側に赤字で記載しております。
高校や小学校等、これから地域を担う若い人たちに防災に対する意識を高めてもらい、また、体験型ということで、大雨や浸水時にどの程度水圧がかかるかなどの、体験ができるコーナーを設けます。
さらに、昨年の元旦に発生した能登半島地震を踏まえて、河川水から飲料水や生活用水を作る浄水訓練についても現地で行う予定です。
それから、若い人にもより知っていただきたく、レバンガ北海道の折茂武彦氏にも来ていただいて、色々な活動をしていただくことを考えております。
資料10ページに体験型のイメージ、資料11ページに浄水訓練のイメージを示しています。また、避難所の開設訓練ではテントや段ボールベッドを作るということも実施する予定です。
今年のポイントは、資料9ページの右側に赤字で記載しております。
高校や小学校等、これから地域を担う若い人たちに防災に対する意識を高めてもらい、また、体験型ということで、大雨や浸水時にどの程度水圧がかかるかなどの、体験ができるコーナーを設けます。
さらに、昨年の元旦に発生した能登半島地震を踏まえて、河川水から飲料水や生活用水を作る浄水訓練についても現地で行う予定です。
それから、若い人にもより知っていただきたく、レバンガ北海道の折茂武彦氏にも来ていただいて、色々な活動をしていただくことを考えております。
資料10ページに体験型のイメージ、資料11ページに浄水訓練のイメージを示しています。また、避難所の開設訓練ではテントや段ボールベッドを作るということも実施する予定です。
民間企業施設と連携し、QRコードで防災・災害情報を提供します
防災系の3つ目、民間企業と連携した防災情報等の提供についてです。
全道に4万ほどあるコカコーラの自動販売機の中で、特に道の駅や公共施設といった一般の方や観光客の方が多く集まる場所に設置してある自動販売機、それからセイコーマートの全店舗1,090店において、防災・災害情報を掲載するサイトへアクセスできるQRコードを貼らせていただきました。QRコードを読み込むことで、先ほど説明したような河川情報や、道路情報についてはJARTICのサイトで全国の渋滞情報及び通行規制が確認できます。また、日付を指定することによって渋滞予測情報なども分かりますので、活用いただければと思います。
全道に4万ほどあるコカコーラの自動販売機の中で、特に道の駅や公共施設といった一般の方や観光客の方が多く集まる場所に設置してある自動販売機、それからセイコーマートの全店舗1,090店において、防災・災害情報を掲載するサイトへアクセスできるQRコードを貼らせていただきました。QRコードを読み込むことで、先ほど説明したような河川情報や、道路情報についてはJARTICのサイトで全国の渋滞情報及び通行規制が確認できます。また、日付を指定することによって渋滞予測情報なども分かりますので、活用いただければと思います。
2.観光シーズン等に向けた取組
外国人ドライブ旅行者向けポータルサイトの開設
2点目は、地域共創と観光の取組についてです。
まず初めに、外国人レンタカー利用の状況です。左上のグラフは外国人の来道者数推移となっており、コロナが明けてから回復傾向にあります。左下のグラフは、北海道のレンタカー貸出件数で、年間平均8万~9万台ぐらいが貸し出されています。
真ん中上のグラフは、トヨタレンタリース札幌の資料を元に、レンタカーによる事故発生状況を示したものです。外国人に貸し出したレンタカーの事故と、日本人に貸し出したレンタカーの事故を比較しますと、外国人の事故発生割合が多く、日本人の約2倍という結果となっています。真ん中下のグラフは月別の事故発生件数となっており、季節別に見るとやはり冬が多くなっています。
また、外国人ドライバーへのアンケートについて右上のグラフをご覧いただきますと、交通ルールを事前に勉強していない方が3割ほどいるということが、大きな特徴となっています。
この状況に対し、これまでも観光であれば北海道観光機構、レンタカーであればレンタカー協会、交通ルールであれば北海道警察と、それぞれが外国人ドライブ観光向けに情報提供をしておりました。今回、北海道開発局では、これらを一つのポータルサイトにまとめ、かつ、多言語対応として日本語、英語、中国語、韓国語の4ヶ国語に対応した形で情報発信をすることで、外国人のドライブ旅行者の交通安全に役立てていただきたいと思っています。
外国人の方からは、「止まれ」という標識の意味合いが分からない、国によっては「はみだし禁止」の青矢印の意味合いが全く違うといった声もあるそうですので、事前に勉強していただく機会になればと思っています。
少し余談になりますが、最近、外免切替のニュースも目にしますので、外国人レンタカーとの違いについてお話します。外国人観光客がレンタカーを借りる時には、基本的に国際免許証とパスポートが必要となり、それらを確認し貸し出している方は「外国人レンタカー」という扱いとなっています。一方、外免切替により日本の免許証を取得した外国人の方がレンタカーを借りる時には、外国人という区分にしていないということです。今回の資料でいう外国人というのは、国際免許証を持って短期で来られた方を対象にしており、外免切替を実施した方とは違うということだけ、ご理解いただきたいと思います。
まず初めに、外国人レンタカー利用の状況です。左上のグラフは外国人の来道者数推移となっており、コロナが明けてから回復傾向にあります。左下のグラフは、北海道のレンタカー貸出件数で、年間平均8万~9万台ぐらいが貸し出されています。
真ん中上のグラフは、トヨタレンタリース札幌の資料を元に、レンタカーによる事故発生状況を示したものです。外国人に貸し出したレンタカーの事故と、日本人に貸し出したレンタカーの事故を比較しますと、外国人の事故発生割合が多く、日本人の約2倍という結果となっています。真ん中下のグラフは月別の事故発生件数となっており、季節別に見るとやはり冬が多くなっています。
また、外国人ドライバーへのアンケートについて右上のグラフをご覧いただきますと、交通ルールを事前に勉強していない方が3割ほどいるということが、大きな特徴となっています。
この状況に対し、これまでも観光であれば北海道観光機構、レンタカーであればレンタカー協会、交通ルールであれば北海道警察と、それぞれが外国人ドライブ観光向けに情報提供をしておりました。今回、北海道開発局では、これらを一つのポータルサイトにまとめ、かつ、多言語対応として日本語、英語、中国語、韓国語の4ヶ国語に対応した形で情報発信をすることで、外国人のドライブ旅行者の交通安全に役立てていただきたいと思っています。
外国人の方からは、「止まれ」という標識の意味合いが分からない、国によっては「はみだし禁止」の青矢印の意味合いが全く違うといった声もあるそうですので、事前に勉強していただく機会になればと思っています。
少し余談になりますが、最近、外免切替のニュースも目にしますので、外国人レンタカーとの違いについてお話します。外国人観光客がレンタカーを借りる時には、基本的に国際免許証とパスポートが必要となり、それらを確認し貸し出している方は「外国人レンタカー」という扱いとなっています。一方、外免切替により日本の免許証を取得した外国人の方がレンタカーを借りる時には、外国人という区分にしていないということです。今回の資料でいう外国人というのは、国際免許証を持って短期で来られた方を対象にしており、外免切替を実施した方とは違うということだけ、ご理解いただきたいと思います。
地域共創インフラツアーの紹介
続いて、地域共創インフラツアーについてです。昨日、「インフラツーリズム魅力倍増プロジェクト」のモデル地区に選定された美瑛町で、ツアーのマスコミ向け内覧会を開催したところです。
「インフラツーリズム魅力倍増プロジェクト」は、国土交通省で平成30年から進めているもので、モデル地区を決め、その中で色々な知見を吸収しながら全国展開しようという社会実験の一環であります。令和5年に選定された全国で3つあるモデル地区のうちの1つに、青い池と十勝岳火山砂防情報センターが選定されております。
本日ご説明しますのは、インフラを地域として一緒にツアーで学んでもらおうと、全国的な取組よりも少し早く、平成25年から開発局で実施しているインフラツアーについてです。
令和6年度に4つの地域でインフラツアーを企画し、一定の効果もありましたので、令和7年度に予定している5つのプロジェクトにつきましても、ご紹介させていただきます。 こちらのツアーは、地域と一緒にルートや観光箇所などを提案したもので、今後、旅行会社から一般の方に募集し、最少催行人数に達しましたら、商品として成立します。資料6ページ右下にありますQRコードを読むと、この5つのコースがそれぞれ募集中なのか、まだ募集をしていないのかということが分かります。これから夏休み等の総合学習の一つのテーマとしても活用いただければと思い、今回ご紹介をさせていただきました。
「インフラツーリズム魅力倍増プロジェクト」は、国土交通省で平成30年から進めているもので、モデル地区を決め、その中で色々な知見を吸収しながら全国展開しようという社会実験の一環であります。令和5年に選定された全国で3つあるモデル地区のうちの1つに、青い池と十勝岳火山砂防情報センターが選定されております。
本日ご説明しますのは、インフラを地域として一緒にツアーで学んでもらおうと、全国的な取組よりも少し早く、平成25年から開発局で実施しているインフラツアーについてです。
令和6年度に4つの地域でインフラツアーを企画し、一定の効果もありましたので、令和7年度に予定している5つのプロジェクトにつきましても、ご紹介させていただきます。 こちらのツアーは、地域と一緒にルートや観光箇所などを提案したもので、今後、旅行会社から一般の方に募集し、最少催行人数に達しましたら、商品として成立します。資料6ページ右下にありますQRコードを読むと、この5つのコースがそれぞれ募集中なのか、まだ募集をしていないのかということが分かります。これから夏休み等の総合学習の一つのテーマとしても活用いただければと思い、今回ご紹介をさせていただきました。
3.シーニックバイウェイ北海道20周年 ~20周年の振り返り、20周年記念フォーラムの開催~

1つ目は「美しい景観づくり」として、「花いっぱい運動」という函館で行っているものがあります。これはシーニックバイウェイ制度が始まる前から、地域のボランティアの方が取り組んでいるということで、令和6年度では、800名の方が参加しており、4つの町内会、6つの学校、それから9つのスポーツ少年団という、若い人を中心に長年にわたって活動されております。なかなかボランティアの効果というのは、評価が非常に難しいところですが、この団体で参加された方に、「参加をする前と、参加をした後によって地域への関心はどうですか?」と聞いてみると、明らかに参加した後については、地域に対する愛着が深まったという声が出ているというのも一つの効果だと思っております。
2つ目は、知床の海岸線の国道で、平成19年から行っているガードレールの雪かき活動です。なぜこういうことを行ったかと言いますと、バスであればガードレールの雪に関係なく流氷を見ることができますが、レンタカーや普通の一般車で走るとこの雪が邪魔になるとの声を地元の方が聞いたとのことです。そこで始めたのが、このガードレールの雪かきを行うことで、ガードレールの間の雪を全部取って流氷が見られるようにするという活動です。最近では150名ほどの方が参加して活動を進めております。
景観の3つ目は、我々道路管理者も制度の主体になっておりますので、現地の方と一緒に景観診断を実施しております。例えば、「家の前の道路を気持ちよく走ってもらうにはどうしたらいいだろうか」という意見を聞いて景観改善策を検討していくということです。色彩を統一することや標識の撤去・集約、それから矢羽根やクッションドラムの撤去という意見がありますが、道路管理者として、例えばクッションドラムについては、何年か前に事故があったから置かなければならないとか、矢羽根については冬場、雪が吹いて見えないから付けてほしいという過去の目的があって設置しています。これらについては、更新時期にもう一度評価をし直し、撤去等の対応をしております。どちらかというと地味な作業ではありますが、例えば矢羽根であればデリネータに変更できないか、標識も分散していて邪魔だという話もありますが、これについては集約して、かつ路面の安全対策をすることで、同様の機能も果たすことができるのではないかという、取組も行ってきているところです。
次に「地域づくり」では、道路協力団体制度が平成28年にできました。これは、道路を占用する際には占用許可が必要ですが、地域の清掃などを道路管理者と一緒にやっているような活動については、道路協力団体という指定を受ければ、占用許可の手続きを簡素化して、かつ、道路上で飲食・物販の収益を得る活動を行うことができるという制度です。
6ページの写真は、弟子屈の道の駅ですが、キャンピングカーが夏の時期に多いため、一般利用の方が駐車場を使えなくなるという状況がありました。この地域のシーニックバイウェイの団体が主体になって、道路協力団体になり、料金を徴収しあらかじめ決められた場所に駐車することによって、一般利用の方もそれからキャンプに来る方も快適に使用することができるという効果が出ております。
これについても、令和元年から令和6年まで毎年継続していることが効果になっております。
次の「地域づくり」については、苫前商業高校の事例です。
令和3年に入学者が7人しかおらず、2年連続で10人を切ると、統廃合の対象になるため危機感を持った苫前商業高校が、シーニックバイウェイ地域団体へ協力を依頼したという事例です。例えば、教職員や生徒がサイクリングで地域の資源を再発見してPRしていくことや、校長先生が自ら全道を回ったり、苫前町では、寮の整備補助を行うなど複合的な取組を実施した結果として、入学者数が堅調に推移してきたということです。
次に「観光空間」についてです。十勝の事例で、「ふたりぼっちパスポート」については、令和2年度から取り組んでおりますが、これは1人分の料金で2人が楽しめるものです。非常にお得であるため、いろんな観光施設を周遊できる効果があり、利用者が増加傾向にあります。
次に、ニセコルートについて、冬場の北海道観光をどうやって盛り上げるかという取組に関し、このアイスキャンドルを作るのも非常にご苦労されたと聞いております。こちらは、キャンドルライトを作って、地域に人を呼び込んで、かつ様々なイベントも合わせて実施することによって観光振興を図っております。
観光の最後になりますが、「秀逸な道」です。特に北海道に来る方の来訪理由を聞きますと食べ物よりも景観を楽しみに来られる方が一番多いということです。本州の方の特に東京や大阪から来られてレンタカーを借りる方に聞くと、普段は運転しないが北海道なら運転してみたいという方が非常に多いということです。ドライブに来るということは、移動自体が目的になるということで、一定のレベルで美しい道については、秀逸な道という制度を作って、各ルートから推薦していただき、その中で特に魅力的な景観を有する、他の模範となる、取組を主体的に実施しようとしているなどの視点から選んで、秀逸な道として、地域と道路管理者が協働しながら観光資源として活用していくことも重点的に実施しております。これにつきましては、動画がありますので、ご覧ください。
シーニックバイウェイの最後になりますが、包括連携協定企業との連携ということで、現在15の企業団体と協定を結んでおり、様々な取組を進めております。北海道でレンタカーのドライブが非常に増えていますが、最初のきっかけで一番分かりやすい事例を紹介します。シンガポールのFollow Me Japanの西村さんが当時北海道に対し非常に思い入れが強く、レンタカーで外国人に北海道を周遊させたいという思いから、採算度外視でチャーター便を飛ばしてくださいました。特にシンガポールの方は東京23区ぐらいの狭いエリアを運転しているので、雄大な北海道でドライブするニーズがあり、ドライブ観光が爆発的に増えたと思っています。各レンタカー協会やレンタカー会社の方が協力していただき、ドライブマップも置いてもらいました。また、当時は英語表記や外国人案内も不足していたので、デンソーさんの協力によるマップコードによってカーナビの番号を入れることで、その場所に行けるようになりました。迎える側も街路等を清掃できれいにするなど、包括連携協定を進めてきております。
来月シーニックバイウェイ北海道20周年記念フォーラムがあります。今回のポイントは、シーニックバイウェイルートの方が直接来られますので、私が話すよりもはるかにリアリティを持った話が聞けると思います。また、アメリカのコロラド州のコロラドシーニック&ヒストリックバイウェイズ・コミッションと協定を結びますので、海外における状況もお聞きになれると思います。ぜひお時間があればフォーラムにもご参加いただきたいと思っております。
4.国営土地改良事業(R6年度完了:津別地区)の効果

そして、農業生産額についても、右上がりで推移しており、自給率については、カロリーベースで全国24%に対して北海道は218%という状況になっています。また、担い手は、道内の農家数が減少している状況でも耕地面積が増加しているのは、大規模化によって集約し、1経営体当たりの規模を大きくしながら、北海道は今のところうまく対応している状況になります。全国との比較で見ますと、いわゆる主業、専門で行っているのは7割となり、経営主体についても耕地面積で9割がいわゆる専業的に行っています。
一方で今後人口が減っていきますので、農家数が減って、その分大規模化していかないと、耕地面積を確保することができないことになります。今回ご紹介する津別町については、中山間地域で、土地利用がいびつで、傾斜がきつく、排水性も悪いという課題がありました。
本地域にいる受益者の120名の方と調整・協議し、10年間で国営農地再編整備事業を進め、昨年度完了しましたので、ご報告するというのが今日の趣旨です。
農地での作業時間の変化について、どう変わったのかということをステップで記載しています。
ステップ1は、国営農地再編整備事業によって水はけも良くなり、区画が大規模になりますので、効率が上がり作業時間が約4割短縮することができます。
それからステップ2としては、今、スマート農業について話題となっていますが、自動操蛇システムにより、GPSと連動することで作業スピードが上がり、夜間も作業ができ、あまり機械に熟練していない作業員でも操作できるということで、20%ぐらい効率が上がります。また、自動操蛇システムを使用すると植えるときにまっすぐに畝ができるので、非常に効率的になり、ホクレンの資料では同じ面積で4%ぐらい畝の本数が増えたという話もありますので、効率化を図ることができたということになります。
そして、この結果、収益性が高いたまねぎなどへの作付け転換が進んだということもあり、10年間で農業の生産額が2倍になったというのが特徴になります。
また、基盤整備とあわせて、役場の方も、例えば経営開始のときに農地の賃貸料の1/4を3年間補助するなどの様々な就農支援を行っています。これらの取組の結果、農家数は若干減ってきておりますが、それを補うような形で新規の就農者やUターンで戻ってくる方もおり、新規就農者などによる非常に若い方が増えているという成功事例になっております。
中山間地域においても、このように地域と一緒に取組をすることによって、非常に明るいメッセージが出せるということで、今回ご紹介させていただきました。
参考ですが、自動操蛇システムは全国の7割が北海道に出荷されており、実はスマート農業は北海道が非常に進んでおります。津別町では、有機農業にチャレンジしており、除草や草刈りが非常に大変ですが、5Gを利用しリアルタイムで画像を処理しながら操蛇を行うことで無人でも除草できるようにできないかという、様々な取組を実施しています。こちらも動画がありますので、ご覧ください。
駆け足になってしまいましたが、これで私の方から4点の説明の方を終わらせていただきますので、よろしくお願いいたします。
質疑応答

外国人や旅行者向けのポータルサイトについてお聞きします。今まで北海道警察などが空港で交通マナーを守るよう呼びかけ等はやっていたと思いますが、開発局で改めてこのポータルサイトを開設しようとする目的を教えてください。
(局長)
開発局も、例えば冬道運転の注意喚起は実施してきており、また、高速道路の関係では関係機関と連携したり、災害情報の発信も実施してきたところです。昨今のコロナ禍後で、また改めてその北海道観光に来られる方が右肩上がりで増えていること、それから、最近新聞でも外国人の方の事故報道が多い状況にありますので、ポータルサイトにより利便性が上がるのではないかということで、今回開設させていただいたところです。
(記者)
関連で伺います。開発局調査で外国人ドライバーのアンケートのところですが、このアンケートはいつ実施したのでしょうか。
(事務方)
2023年に独自調査を実施しております。
(記者)
ポータルサイトを使ってもらうには周知が必要だと思いますがいかがでしょうか。
(局長)
本日、この記者会見での説明もそうですし、レンタカー協会などともタイアップして、車を借りる時に見てもらえるよう、各レンタカー会社の窓口などで周知をしていきます。

国営農地再編整備事業の津別地区の受益面積と受益戸数を教えていただきたい。
農業事業には国営かんがい排水事業などもありますが、国営農地再編整備事業とはどのようなことを目的にしているのでしょうか。
(事務方)
受益面積は畑を対象としており、2,433ha、受益者は120名となっております。
国営農地再編整備事業は、基本的に農地に着目した事業で農地の区画を大きくし、作業効率を高める整備をしています。農地を大きくし大型の機械を導入することで、作業の効率を高め、農地をしっかりと保全していくとともに、それを契機として農家の所得向上、農村振興にも寄与していくとしています。
(記者)
今の話題について追加でお伺いします。今回津別地区が10年経って、完了したということですが、中山間地域というのは、ほかにも道内にあるかと思います。今回この津別を選ばれた経緯や現在実施中の地域がほかにもあるのかどうかについて教えてください。
(局長)
国営農地再編整備事業は現在道内17地区で実施しています。津別地区を選んだ理由については、昨年度事業が完了したこと、中山間地域で条件があまりよくないところでも、地域は非常に頑張って取り組んでいることです。また、なかなか基盤整備のところは見えない部分もあるので、ぜひこういう場で、頑張っている地域として、新しい方も入ってきているところで紹介させていただきました。
(記者)
取組としては農地を広く整備し、機械を大型化して効率を上げるということですか。
(局長)
そのとおりです。また、ICTを活用して、人が減っている状況でもどう機械でカバーして効率を上げていくかということと、ハードだけではダメなので、就農する方に対して様々な就農支援、農地の管理面など、地元自治体の方も頑張っているので、そこに光を当ててほしいということで、今回話題に上げさせていただきました。また、シーニックバイウェイも同様で、効果の具体的な説明はなかなか難しいのですが、ボランティアで地域に20年間関わるというのは、やはり人ではないかなと強く感じています。そういう方にどうやって光を当てて、どうやって支えていくかということが非常に大事ではないかとの思いがあって、本日ご説明をさせていただきました。
※ この文章は、読みやすいよう、重複した質疑内容や言葉遣い、明らかな言い直しなどを整理した上、作成しています。(文責:開発監理部広報室)