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令和3年7月2日局長記者会見(北海道開発記者クラブ)

記者会見内容

令和3年7月2日局長記者会見の内容
  1. 倉内公嘉 前北海道開発局長からの挨拶
  2. 橋本幸  北海道開発局長からの挨拶

会見日時・場所

日時: 令和3年7月2日(金曜日) 10時30分~10時55分
場所: 札幌市北区北8条西2丁目札幌第1合同庁舎15F 1・2号会議室

配布資料

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話題1

倉内公嘉 前北海道開発局長からの挨拶

倉内公嘉 前北海道開発局長写真
 倉内でございます。昨日、7月1日付けで北海道開発局長を退任いたしました。在任の1年間、報道の各社の皆様には、良いところも悪いところも、北海道開発局の事業のやり方であるとか、取組を取り上げていただきありがとうございました。皆様方の伝える力といいますか、我々では太刀打ちできない力というものが、我々にとっては非常に有り難かったと思っておりますし、皆様方のおかげで緊張感を持って仕事に取り組むことができました。大変ありがとうございました。
 在任中の1年間は、コロナ禍の真っ最中ということで、仕事のやり方も変更を余儀なくされたところです。好むと好まざるとにかかわらず、リモートでの対応であるとか、テレワークの推進というのが不可避な状況になったところです。昨年の末までに、テレワークなどの推進に必要な機器であるとか、ソフトを整備させていただきました。リモートでも効率的に仕事ができる環境を整えたところでございます。きっかけはどうあれ、現在では、テレワークやリモートでの会議がすっかり定着したところです。内部の話になるかもしれませんが、いろいろとコロナ禍での制約状況のある中で、改めて北海道開発局の組織の力がしっかりしているなと、手前味噌な感じではありますけれども実感した、そういう1年間でもありました。
 コロナ禍で北海道経済が落ち込んでいる中で、それを下支えするという意味でも、事業の早期執行というのが北海道開発局の使命の一つでありましたけれども、こういう状況の中でも例年を上回るような執行が図られたということでございます。
 事業執行の中でも、国土強靱化の予算ということで、防災・減災が進んだということに加えて、同時に、経済の下支えに少しでもお役に立てたのではないかと思っているところです。私は北海道開発局を離れますけれども、引き続き、北海道開発局のことをよろしくお願い申し上げまして、私からの御挨拶とさせていただきます。本当に、どうもありがとうございました。

話題2

橋本幸 北海道開発局長からの挨拶

橋本幸 北海道開発局長写真

 7月1日付けで、開発局長を拝命いたしました橋本と申します。
 非常に特殊な時期に、開発局長をやらせていただくことになりました。
 コロナが社会全体を覆って、1年半にもなります。お互いの顔が半分隠れたままで、もしかすると去年の4月以降、人事異動をした人間とかは、上司・部下のお互いの本当の顔も知らないというようなことで、コミュニケーション等にも非常に苦労していると思いますが、楽観はできませんけれども、ワクチン接種がかなり進んでいって、きっと、長いトンネルの出口付近にいるのではないかと思っています。その時に、このコロナ禍の中で、想定はしていなかったけれども必要に迫られて我々の仕事の中にビルトインされていったもの、それがリモートであったりします。リモートなんていうのは、縦に400キロ、横に500キロあるこの北海道では、距離を超える機能がほかのどの地域よりも私たちにとってポジティブな財産になっていくと思っています。
 コロナ禍が明けても、単にコロナ前に戻るのではなく、新しい考えですとか価値観を持った組織にしていきたいと思っています。
 私たちは、河川、道路、港湾、農業基盤といった、人の社会を便利にして、人の命を守るような仕事をしています。それ自体は、意味のあることだと一般的にも理解はされるのでしょうけれども、何十年にもわたって、ものすごくたくさんの方がお使いになるものなので、事業費がとても大きいというところ、ここは我々留意が必要で、いくら必要だといっても、大きな予算を税金というものを原資にいただくわけですので、とにかく、いかに理解をいただくかということに、私も局長という立場で全力をかけたいと思っています。もちろん、鈴木知事を始めとした北海道庁の皆さん、秋元市長を始めとした札幌市の皆さん、それから、全道の市町村の方々、道経連、道商連といった経済界もそうですし、それから、なによりここにいらっしゃるマスコミの皆さんと、少しでも多くコミュニケーションを取らせていただいて、様々なことに私もお答えをさせていただきながら、コミュニケーションを図って、私たちの事業への理解というものを広げていければと思っています。
 また、開発局には5,030人位の様々な属性の職員が働いています。職場環境も随分変わりましたし、行政改革がどんどん進んでいく中で、好むと好まざるにかかわらず、人も減りました。しかしながら、私たちのやらなければならないことや地域の期待は変わらないので、私たち職員もまた、体はもちろん心も健康でなければいけないわけですけれども、様々な働き方の改革がありますし、今でいうと、健康に不安のある方、心に病を抱えている職員、LGBTというような人もいるでしょう。私も昨年度、妻を亡くしまして、シングルファザーとして長男の弁当や夕御飯作り、掃除・洗濯などをしながら、でも、やっぱり周りに支えてもらいながら仕事をしています。そこは、お互いがお互いの違いを認識しながら、お互いを認め合っていくことで、それが北海道開発を支える力そのものになっていくと思いますので、様々な価値を認め合いながら、開発局が皆さまのお役に立てるような組織にしていきたいと考えるところです。
 先ほども申し上げましたが、マスコミの皆さんとコミュ二ケーションをどんどん図っていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

質疑応答

 (記者)
 橋本新局長にお伺いしたいのですけども、先ほどのご挨拶と重なる部分があるかもしれませんが、まず、就任に当たっての抱負と力を入れたい事業についてお聞かせください。また、北海道のインフラ整備の課題をどのように認識されていて、解決に向けた今後の対応をどのように考えているか、お願いします。

 (橋本新局長) 
 抱負は一言でいうと、「北海道の生産空間を守りたい、維持したい」。言い換えると、生産空間から都市に対する、いわゆる「あきらめ移住」と私は勝手に呼んでいますけど、不便であるがために、そこに移っていくというあきらめ移住をなくしたいということになります。北海道の地方部というのは唯一無二で、食料自給への貢献は日本一ですし、日本一である北海道観光の観光資源を供給しています。もう一つは、人口密度も日本一小さい。恐ろしい生産性を誇るということになりますが、食料供給、観光資源の供給、人口密度が最小、ある意味三冠王ですけれども、そういう三冠王の地域に敬意を表して、単なる地方部という言い方ではなく、様々な価値を生産するという意味で、「生産空間」という呼び方を私たちはしています。ただし、先ほど課題とおっしゃってくださいましたけれども、人口が少ないという点がインフラ投資を行う上での判断となる費用対効果という面で、その数字を引き下げるというジレンマがあります。北海道開発70周年ということになりますけども、現時点で思うことは、費用対効果というものの数字の影響力が強すぎて、本来必要な進捗には届いていないと個人的には考えます。なぜなら、費用対効果という数字は、人口の少ない地域が大きな価値を生むということを想定した数字ではないということだと思います。例えば、人口10万人のベッドタウンがあって、ベッドタウンは、そこにお住まいの方の生活があるのはもちろんですが、そこでは生産活動は行われていない。一方で、人口1万人の農産物を届ける北海道のまち。どちらかに一本の道路を造ろうとすると、費用対効果は、前者が10倍になってしまうわけですね。それは、効果≒(ニアリーイコール)人口だと考えればそうなってしまう。前者に対する投資を否定しているわけでは全くなくて、インフラに限らず社会の費用は、何というか都市部の税収を地方部に再配分されるというものなのでしょうから、その際に、享受する人口が多いところに少しでも優先されるというのも実に合理的ですし、全く妥当な考え方ですけれども、ただし、この考え方だけだと、後者に対するインフラ投資というのは、なかなか難しくなってくる。そこが最大の課題だと思います。その課題をどうしていくかというと、先ほど述べたところと重なるのですけれども、人口が少ないものの大きな価値を生むというところを守るものに対して、様々な方々とコミュニケーションをさせてもらい、何よりもマスコミの皆さんの発信力にお頼りをしながら、そういったものの力を維持する。今、このままだと本当に人口減少になってしまって、かつ、道央圏の人口は変わりませんので、周りだけが半分になっていくということになります。周りは多分、この20年で、道央圏を除くと200万人から100万人と半分位になると思います。半分というのは、全体的に薄くなるというなくなり方もあるかもしれませんが、完全にゼロになるところも出てくるとすれば、本当に由々しき問題だと思っていますので、そこに定住を促すには、文化、教育、医療ですとか、いろいろなツールがあるので、何もインフラが万能だとは思ってはおりませんけども、しかしながら、最低限の利便性ですとか、そういった必要性というのは訴えていきたいと思っています。
 力を入れたい事業という意味では、そういったものを守る私たちの事業を全て、という言い方になってしまうのかもしれませんが、着目していますのは、最近、経済界の方が提案されている第2青函トンネルみたいな構想。考えてみると、国土の中で、道路で行けない地域があるという先進国は多分ないと思いますので、今は青函トンネル一本ということですけども、北海道だけがそういったもので行き来ができないというところに対して、最近は声を上げてくださるようになってきました。私たちもそういった動きをキャッチアップしながら、この間はご要望にもみえられましたけども、私たちもしっかり勉強していって、今はない新しい価値みたいなものも生んでいきたいと思っています。2030年のオリンピック、札幌も招致を目指していますし、そういったものが来た暁には、私も直前にJR北海道に札幌駅周辺の再開発というもののプロジェクトリーダーなるものを仰せつかってまいりましたけども、JR、交通、そういった様々な、多様なところとも連携しながら、北海道の交通基盤を含めたものを守っていきたいと思っております。以上でございます。

 (記者)
 ありがとうございます。続きまして、倉内前局長にお伺いしたいと思いますけれども、先ほど、コロナのリモートの対応の話もあったと思いますけども、在任中に力を入れた事業や印象に残っている事業、また、その成果についてお聞かせください。今後の北海道開発局が事業を進めていく上で重要だと感じていることについて、ぜひ、橋本局長への期待も込めてお伺いしたいと思います。

 (倉内前局長)
 今年の3月に函館の空港道路が開通して、国会議員の先生、地元の方々、自治体の方々が集まって、盛大に開通式が開催されました。空港道路は、地域高規格道路と言われている道路で、ちょうど30年前に私が係長の時代に全道の地域高規格道路の路線をどこにどう引くかという調査に携わりました。その時に北海道の地域構造をかなり詳細に分析し、勉強した記憶があります。その当時、地域集積圏をどうやってつくるかということで、高規格道路と併せて、地域高規格道路が機能することによって、集積した地域をどうつくるかという勉強をしたのですけれども、言ってみれば生産空間と中心都市であるとか中核都市をどう結びつけて、広い北海道をよりコンパクトに感じられるような交通基盤の整備をどうしていくか、そういう調査に携わらせていただきました。その30年後、地元の人が、本当に喜んでいただいて、事業の開通を祝っていただく場に私も参加させていただいたことに、非常に感慨深く感じているところでございます。高規格道路もまだ全てできていない中で、地域高規格道路はまだまだですけれども、その係長の当時としては、地域高規格道路が整備されれば、北海道の地域を維持することができて、今でいうところの生産空間を維持することができるという、そういう気概で線を引いたということです。ただ、生産空間を維持するという観点では事業化にはなかなか結びつかなくて、残念ながら、やはり地域の人口に比例するような交通量によって整備順位が決まるということでございますので、まだ、なかなか道のりは大きいところでございますけど、昔、30年前に我々が携わった事業、夢を持って調査をしたということですけれども、いかに交通量だけによらない形で、地域を守ることを目的とした事業を実現させていくかということは、これまでもそうですし、これからの北海道の大きな課題であると思っております。その部分、橋本新局長も非常に精力的に携わっており、知識にも長けていますので、ますます、北海道開発局ですね、組織力を生かした仕事を続けていただければというふうに思うところでございます。

 (記者)
 橋本新局長にお伺いいたします。出身は北海道のどちらでしょうか。

 (橋本局長)
 当別町生まれです。

 (記者)
 JR北海道にいらっしゃったときは、札幌駅周辺の開発事業の責任者だったということでしょうか。

 (橋本局長)
 一昨年前になりますが、出向したのは、札幌駅周辺開発部という部署です。
 北海道新幹線が札幌に延伸になったときには、新しい駅ができますので、その駅と連結した複合ビルを北5条西1丁目と西2丁目、エスタのあるところと、その横の青空駐車場の土地を利用して再開発を行うという事業でした。
 市街地再開発事業ということもあり、多少経験もあったものですから、島田社長からプロジェクトリーダーということで呼ばれたということになります。

 (記者)
 先ほど、組織づくりと多様性にも言及されておりましたが、経験を踏まえた上での組織づくりについて教えてください。

 (橋本局長)
 同じ答えになって恐縮ですが、先ほども申し上げましたが、事業の種類だけでも4種類、細かく分けるともっとたくさんあります。事務、技術もあるし、技術職のなかでも様々な専門性があります。良い意味での縦割りもありますし、横のつながりというところを深めていけたらと思っています。生活様式や価値観も変わって、「自分はこういう考え方を持っていていいんだ」という幅は、確実に広がっているのだと思います。そういったものを昔ながらの価値で抑えつけるのではなく、伸ばしていかないとならないと思っています。もっというと、リーディングカンパニーのようにならないと、北海道開発局に入って、北海道のために自分も頑張ってみようという気持ちになかなかならないと思いますので、違いを認め合って成長していけるような組織にしていきたいと思っています。

 (記者)
 幾春別川総合開発事業のことでお伺いします。今日、道議会の方で計画変更を容認する議案がおそらく可決される見通しで一区切りだと思うのですが、今後、更なる増額につながるのではないかという懸念の声がある中で、先ほどの冒頭のお話で国の事業は規模が大きいので留意しなければならないとおっしゃっておりましたが、今後、どうやって増額を防いでいくのか、道民の理解を得ていくのかというところをお聞かせください。

 (橋本局長)
 昨日の議会の中で、ダムによる人命を守る必要性は理解をしてくださったとはいえ、事業費の分母が大きいために、1%でも大きい額になってくる。そこに対する感覚を研ぎ澄ませていかないとならないと思っています。
 ここに至るまでの様々な課題というか、本当はもっと密に情報共有などをしていれば良かったのかなと思う部分はありますし、何より必要だからやると開き直るつもりは全くありません。昨日、知事は直接国に申し上げるとおっしゃってくださいましたが、私からもぜひ伺って、道義的責任を感じながら知事にも直接お詫びし、ご理解をいただいたお礼と今後のご協力、加えて、事業費管理をますます徹底していく、増やさないということはもちろん、少しでも減らしていけるように、技術の粋を投入して取り組んでいきたいと思っております。
以  上  

※ この文章については、読みやすいよう、重複した質疑内容や言葉づかい、明らかな言い直しなどを整理した上、作成しています。(文責 開発監理部広報室)

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