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令和4年11月16日局長記者会見

記者会見内容

令和4年11月16日局長記者会見の内容  

1 今冬の取組について

2 北海道開発局インフラDXの推進について
 ・ 除雪現場の省力化に向けたi-Snowの取組
 ・ AI/Eye Riverの取組(AI、ドローンなどを活用した河川空間管理、河川・ダム管理施設点検)

3 北海道インフラゼロカーボン試行工事の取組状況について

4 平取ダム完成式典の実施について ほか
 ・ 平取ダム完成式典の実施
 ・ 釧路川治水100年記念フォーラムの開催
 ・ 令和4年度 北海道開発局総合防災訓練

会見日時・場所

令和4年11月16日(水曜日) 15時00分~15時32分
札幌第1合同庁舎15階 特別会議室

配布資料

説明動画

1. 「みち・レ・ポ」サイト利用者が発見した道路異状の投稿機能
2. シュート自動制御安定性試験の様子など(i-Snow) 
3. AI/Eye River(アイ・リバー)河岸浸食検知の様子 
4. ダム監査廊においてテスト飛行したドローンの追跡映像 

冒頭:挨拶

会見の様子1
 本日は大変お忙しい中、お集まりいただき誠にありがとうございます。新旧局長会見(6月28日)の際に、北海道開発事業を推進するにあたっては、私どもの考え方をしっかり国民・道民の皆様にも知っていただいて様々な意見を頂き、その考え方を反映しながら進めていきたいと申し上げました。本日はそのような機会でありまして、私ども北海道開発局が行っている事業について、最近の取組を紹介いたします。 

1. 今冬の取組について

 北海道は積雪寒冷な地域ですが、暴風雪に対し安全で円滑な道路交通をしっかりと確保することは我々の使命であり、それを果たしていきたいと考えています。
 近年、通行止めを伴うような降雪が頻発しているイメージがあるかと思います。昨年度は比較的冬期通行止めの回数が多かったのですが、実はグラフを見ると平成24年度・26年度も多い状況だということが分かります。冬期通行止めがどのような理由によるのかについては、円グラフ(1ページ目:冬期通行止め要因(平成24年度~令和3年度))のとおりです。
 2ページ目のグラフは昨シーズンにおける道央圏の雪の降り方ですが、2月6日は24時間降雪量で見ると60センチメートルとなっており、観測史上初めての降り方となっています。雨の降り方も局地化・集中化しているという話もありますが、雪の降り方についても昨シーズンは極めて強い降り方をしていたというのが実態であり、特に札幌市内において生活への影響が非常に大きかったところです。
 それに対し、今冬に行うこととして四つの項目について説明します。
 まずは、除雪体制の確保です。
 北海道開発局では、北海道内の国道約6,900キロメートルを管理しており、その中で、除雪機械を1,070台確保しています。また、10開発建設部と事務所・除雪ステーションを含めて153か所の除雪基地により、除雪体制を確保しています。
 また、広域支援用の除雪機械を、五つの拠点(道央、道南、道北、道東、網走・釧路地方)に計11台配備し、広域間あるいは自治体支援に融通させています。昨シーズン、道北拠点のロータリー除雪車を当別町に運搬して除雪作業を行った写真を資料に掲載しています。
 今冬からの新たな取組として、全道の道路事務所へのハンドガイド式の小型除雪機の配備を目指しており、現在70台くらいを用意しています。市町村の要請に応じて貸し出す支援についても今冬から行いたいと考えていますが、まずは順次、全道への配備を進め、年内には5開発建設部に配備する予定です。配備された機械については、利用の要望があれば全道に融通することも考えています。
 さらに、今年8月2日に札幌市と道路除排雪に関する協定を締結しましたが、それを実行するために、11月7日に「冬期道路に関する連絡調整会議」を設置し、具体的な取組内容について関係機関と協議しております。例えば、道路除排雪に関する相互協力については、豊平川の河川敷に雪堆積場を3か所増設、1か所拡張して合計12か所とし、2割くらい雪を入れる容量が増えると見込んでいます。
 また、大雪時の協力・応援体制に関するタイムライン(行動計画)というものを作成し、どのタイミングにどの機関がどのようなことをするべきかを事前に決めています。
 次に、暴風雪時における立ち往生車両発生の防止についてです。暴風雪の時に立ち往生が発生してしまうと開通に時間を要しますので、数年に一度の猛吹雪のようなものが予想される際には予防的な通行規制を実施して集中的な除雪を行うことにより、結果的に通行止めの時間を少しでも短くできるものと考えています。そのため、道路管理者同士のタイムラインにより連携し、速やかな予防的通行規制を実施します。また、通行止め実施時であっても傷病者の運搬など緊急性の高い移動については、除雪車等の先導支援を行うことで、地域住民の安全確保に努めることとしています。
 また、立ち往生が発生した際の道路管理者による放置車両・立ち往生車両の移動、車両が前に進まない状況において反対車線にUターンをさせるためワイヤロープ式防護柵を撤去して開口部を作る訓練などを実施しています。

 次に、道路利用者の方に向けてのお願いと、知っておいていただきたいことについてのご説明になります。
 北海道地区道路情報のWEBページがあります。画面で操作状況を見ていただきますが、規制箇所をクリックしていただきますと、規制区間、延長、解除予定日時などの情報が表示されます。また、気象情報や国道の5分間隔カメラ画像も見ることができます。現在、峠の路面状況を確認することができますので、是非、ご活用ください。
 また、メール配信サービスも行っており、ご登録いただけると通行規制開始時間や解除予定時間などの情報をメールで受けることができます。
 先ほど、数年に一度の猛吹雪というお話をさせていただきましたが、そのような状況になった場合、関係機関が連携して緊急的に報道発表を行います。プレスリリースのほか、SNSやラジオ放送でも情報提供させていただきます。また、併せて不要不急の外出はお控え願いますというお願いもさせていただきます。
 続きまして、こちらも情報提供をお願いするものですが、道の駅スタンプラリーの電子版「みち・レ・ポ」についてです。このアプリは、道の駅の情報と併せて通行止めの情報をご覧いただけるほか、道路を走行中、何か異状があった時に情報提供していただく機能が入っています。では、使い方を動画で説明します。

 動画1 「みち・レ・ポ」サイト利用者が発見した道路異状の投稿機能

 情報を投稿するタブを選択すると入力画面になりますので、どのような事象かを選択、位置情報が入り、写真も投稿できます。現地の状況を文字で入力していただくと、そのまま道路管理者に情報が入り、どこでどのような事象が起きているかが分かり、速やかに対処できるようになりますので、道路利用者の方々にはアプリを使って情報提供いただきたいというお願いです。
 除雪作業に向けてのご理解・ご協力のお願いについても、資料として添付しています。 

2. 北海道開発局インフラDXの推進について

除雪現場の省力化に向けたi-Snowの取組

会見の様子2
 平成28年度から除雪現場の省力化に向けて取り組んでおります。オペレータと運転手の2名体制で実施していた除雪作業を1名でも可能となるような自動化の取組です。大きくは2点でありまして、一つはロータリー除雪車の除雪作業の自動化と、もう一つは、猛吹雪の際、ホワイトアウトするような状況下でも、道路状況の画像が鮮明に見えるような技術開発を行っているところです。既に今年度から網走においてロータリー除雪車を1台本格導入しているところです。その仕組みは、センチメートル級の精度となります準天頂衛星みちびきの情報で位置を把握し、また、事前に作成した3Dマップの座標位置を見ながら「シュート」の方向や角度を変えたりできるシステムです。これは映像で見ていただいたほうが分かりやすいと思いますのでご覧ください。

 動画2 シュート自動制御安定性試験の様子など

 画面は操作室内です。左側に運転手がいるのみで助手席には作業員がいない状況です。シュート部から防雪柵と電線の間を狙って投雪しています。電柱などもあるのでそれらも避ける操作を行っています。
 次の映像です。操作室とシューター部を幅広に写した画面です。こちらが操作状況を写している画面で、停止まで5メートルと映し出されていますが、運転手はどういう状況にあるかというのを画面で確認することができます。現在、実証実験中でありシステムを調整中でありますが、例えば、停止させたい場所で停止させる、あるいは、高架橋など下に道路がある場合などは、シュートの向きを変えるなど、正確に操作できるように修正しています。
 次に、吹雪時の映像鮮明化技術です。映像をご覧ください。このようにホワイトアウトの状況でも鮮明化の処理をすると周囲が見えるようになります。また、AIを活用した技術では、人や車を検知して画面に表示してくれるようになり、この二つの技術開発を行っています。
 次の映像を見ていただきます。見ていただいている画面は運転席のフロントから見える映像になりますがホワイトアウトとなっております。次に鮮明化後の画像を見ていただきます。左の画面が画像鮮明化、右の画面がAI活用型です。ホワイトアウトの状況でもモニター画面では周囲が見えております。
 次に、i-Snowでは最後になりますが、除雪機械で凍結防止剤の散布を自動で行うもので、どの範囲を、どのタイミングで、散布剤の量をどの程度にするかということを事前に入力しておき、自動で散布するという技術です。また、指示については音声で指示できるようになっており、「ヘイ サンプ」とかけ声をかけると指示できます。映像をご覧ください。「剤のみ20」との指示がありましたが、散布剤のみ1平方メートル当たり20グラムを散布するよう指示したものです。 

AI/Eye Riverの取組(AI、ドローンなどを活用した河川空間管理、河川・ダム管理施設点検)

 次に河川ですが、北海道開発局の河川管理延長は1,850キロメートルあり、1,600程度の樋門等の施設があります。ダムの施設もあり、やはり担い手不足や技術力の継承という課題に対し、北海道大学・寒地土木研究所と連携しながら、ICTを活用して生産性を上げていこうという「AI/Eye River(アイ・リバー)」の取組を行っています。ご紹介するのは、河川空間管理と河川・ダム管理施設点検の取組です。不法投棄などを検知するシステムと河岸浸食検知システムを検討していますが、このうち、本日紹介するのは河岸浸食検知システムになります。河岸浸食がどのように進んでいくのかをAIを使い検知していくというシステムです。

 動画3 AI/Eye River(アイ・リバー) 河岸浸食検知の様子
会見の様子3
 河岸浸食検知については、1分前の画像と対比して処理していくのですが、変状検知・物体検知・サイズ検知という方法があります。変状検知では、まず動いているものを認識し、1分前と比較し何が動いているかを検知します。ただし、河岸以外に重機なども動いていますので、それを物体検知で教師データから排除します。再度、河岸の決壊を認識した上で、どのくらい決壊しているのかサイズを認識し、それを実際に起きている現象と画像で見比べていきます。画像(河岸浸食検知の動画)では、決壊のサイズが示されますが、これにより決壊が拡がっていく様子が分かるようになります。

 次は、河川・ダム管理施設点検です。堤防や樋門の点検もありますが、今回ご紹介するのはダムの点検であり、ドローンを活用して点検を効率化することができないかというものです。ダムの監査廊の中ではGPSの座標位置が取得できないのですが、ARマーカというものがあり、このマーカから指示情報をカメラで受けて、ドローンが充電ポート間を指示に基づいて自動で動くことができるようになります。これにより、樋門の中の点検もできる可能性が出てきますので、この技術をしっかりと確立させたいという試みになります。明日17日に十勝ダムで実証実験を行いますが、実際に現地で様子をお見せできますので、取材いただければと思います。

 動画4 ダム監査廊においてテスト飛行したドローンの追跡映像

 ARマーカをドローンの横に付いているカメラで読み取り、どういう高さでどの位置で飛んで行くのかというのを読みとって、指示どおりに動き出します。高度や壁からの距離、ホバリングの時間等の指示に従って進んでいきます。
 本来は、点検するためにカメラからの情報も得ることになりますが、次のステップでは、監査廊内を自動飛行し、撮影した映像からAI解析により、亀裂などの変状を検出する試験も行っていきます。 

3. 北海道インフラゼロカーボン試行工事の取組状況について

 北海道、札幌市と共に、公共事業においても「ゼロカーボン北海道」にしっかりと取り組んでいくため、今年度の成果となる工事を対象に各工事においてCO2削減の取組を実施した場合には工事成績でのインセンティブを付与するなどの取組を試行しているところです。北海道開発局では、10月末時点で対象工事が1,500件ほどあり、このうち8割ほどの工事において、受注者によりCO2削減の取組を行っていただいております。取組の項目として多いのは、ソーラーパネルやLED照明の活用が45パーセントほどで、バイオマス燃料や低燃費型の建設機械を使うというのもございます。
 この取組に、新たに、鉄道建設・運輸施設整備支援機構(JRTT)とNEXCO東日本北海道支社にも参加していただけるということになり、NEXCO東日本からは本日発表されると聞いています。
 また、ゼロカーボン北海道のロゴマークについてですが、試行工事の中でロゴマークを掲示することとしています。これにより現場で作業している方の意識醸成に加えて一般の方にも、そういう取組を行っている工事であることを知っていただきたいということで、ロゴマークの活用に取り組んでまいります。 

4. 平取ダム完成式典の実施について ほか

平取ダム完成式典の実施

 平取ダム本体が今年度完成し、運用を開始しておりますが、11月26日に完成式典を実施いたします。平取ダムは、アイヌ文化の伝承に配慮した様々な取組を実施しております。 

釧路川治水100年記念フォーラムの開催

 釧路川治水100年記念フォーラムについては、昨年度に報告させていただきましたが、新型コロナウイルス感染症の影響により延期となっていたところ、本年12月17日に開催いたします。

令和4年度 北海道開発局総合防災訓練

 11月28日に日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震に関連しまして、北海道根室半島沖におけるマグニチュード9クラスの地震発生を想定して、ロールプレイング方式による防災訓練を実施します。災害初動対応マニュアルについては4月3日に作成済みであり、そのマニュアルを受けての取組となります。訓練当日は、浜中町とのホットライン通信訓練についても実施する予定です。 

質疑応答

(記者)
 大雪の関係で、除雪体制の確保についてご説明いただきましたが、昨日の北海道雪害対策連絡部に開発局も参加し、大雪対応訓練をされたと思いますが、2月の大雪の後には、関係機関が雪の降る前だけではなく、降雪中や天候回復後の滞留なども含めて、より情報共有を図ることが重要との課題が出たかと思います。タイムラインなどを使った情報共有の在り方として、今年の降雪期を迎えるに当たり、北海道開発局として取り組んでいきたい、意識したい点を改めて教えてください。

(局長)
 大雪等の事象に対して関係機関がタイミングを意識して、連携しながらどの様に取り組んでいくか、それぞれの機関が持てる機材・人材等を最大限活用して、効率化を図る上でも情報共有が重要となります。数か年に一度の大雪のような時には予防的通行規制等の情報を事前に道路利用者に知っていただくこと、通行止めが解除されたことを知っていただくことも必要となり、そのような点を含めてタイムラインに基づき行動できるよう、関係機関と連携してまいります。気象情報については、気象台などとの連携も非常に重要になると考えています。

(記者)
 除雪の省力化の関係で、国土交通省全体でインフラDXを進めていると思います。除雪という北海道ならではの、いろいろな状況があると思いますが、そういった面で特に求められる工夫、雪国ならではの省力化の難しさとなどがあれば教えてください。

(局長)
 産学官民が連携しながら取り組んでいるi-Snowのプラットフォームでは、東北地方整備局、北陸地方整備局もオブザーバーとして参加しています。また、北海道、札幌市などの道路管理者とも連携しています。雪が多い地域はほかにもありますけれども、積雪寒冷な地域というのは、北海道の特徴の一つだと思いますが、新たなイノベーションを起こしていく意志が必要だろうと考えています。また、その果実を他の機関にも普及していけるように取り組みたいと考えています。
以上 

※ この文章は、読みやすいよう、重複した質疑内容や言葉遣い、明らかな言い直しなどを整理した上、作成しています。(文責:開発監理部広報室) 

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