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十勝川千代田分流堰魚道検討委員会 news[第4号]

十勝川千代田分流堰魚道検討委員会 news[第4号]

第4回魚道検討委員会の様子(帯広市: 寿御苑)
第4回魚道検討委員会の様子(帯広市: 寿御苑)
第4回十勝川千代田分流堰魚道検討委員会が開催されました。

 帯広開発建設部では、千代田分流堰設置に伴い新設する魚道設計にあたり『十勝川千代田分流堰魚道検討委員会』を設置し、技術的検討を行い、提言を頂くこととしています。
 その第4回目の検討委員会が平成14年7月31日に帯広市内の寿御苑で開催され、堰横魚道水理模型実験状況や魚類調査状況等の説明、高水敷魚道の基本諸元についての検討状況が事務局から説明され、活発な議論が交わされました。
 今後は9月中旬に青野ダムの魚道を視察した後、12月に最終となる第5回委員会を開催する予定です。

十勝川千代田分流堰魚道検討委員会委員名簿
平成14年7 月31 日現在
区 分 氏 名 所 属
委員長 藤田 睦博 北海道大学大学院工学研究科教授
委 員 板垣  博 十勝管内漁業協同組合長会会長
井上  聰 社団法人北海道栽培漁業振興公社
常勤技術顧問
太田  昇 帯広NPO28 サロン専務理事
小嶋  孝 社団法人十勝釧路管内さけます増殖
事業協会会長
鈴木 淳志 東京農業大学生物産業学部生物生産
学科助教授
中津川 誠 独立行政法人北海道開発土木研究所
環境水工部環境研究室長
中村 禧夫 十勝川改修工事対策協議会会長
藤巻 裕蔵 帯広畜産大学名誉教授
藤本 長章 十勝エコロジーパーク推進協議会
副会長
眞山  紘 独立行政法人さけ・ます資源管理
センター調査研究科生物生態研究
室長
(敬称略、五十音順)
議事内容・資料

第4回十勝川千代田分流堰魚道検討委員会では次のような意見が出されました。

(1)堰横魚道水理模型実験状況
  • プール内の流れについて概略でどうなっているのか。
    →(事務局)切欠き部分では、隔壁の天端から落下する流れとほとんど変わらずに、水深方向の回転する流況が卓越していた。ただ、流量が少なくなりますと、切欠きの流れが卓越して、水平方向に時計回りの渦が強くなってきた。
  • プールでの乱れがない状態がベストと考えてよいのか。
    →(事務局)全く乱れがない状況というのは、基本的に考えられないので、対象とする魚の遊泳の行動、遊泳力と流れの乱れの状況、流速などについてデータをとって評価していきたい。
(2)魚類調査状況
  • エゾハナカジカはかなり広範囲な回遊をする魚であり、これだけ捕れていることから、やはり対象魚として入れるべきである。ヨシノボリは下流の方にはいると思うが、この辺(千代田地区)までくるかどうか。今年の8月、あと秋の調査を待たないと、現時点では何とも言えない。ワカサギは、河口域には秋に上ってきて、恐らく春、どこかで産卵していると思う。春の調査で確認されていないので、現時点ではこの辺まで来てないと思われる。ただ対象魚種として考えた場合には、もっと遊泳力の弱いイトヨがいるので、ワカサギを落とすこともないと思う。
  • エゾハナカジカを対象魚に加えても、堰の構造自体を大きく変化させる必要はないというふうに考えてよい。
  • やはり昔生息していたものについては、復元をしていくということを考えれば、できるだけ対象魚にしておいた方がいいと考える。
  • 今考えているイトヨが上がれるような構造になっていれば、ほかの魚は十分に遡上できると考えられるので、ワカサギを対象魚として入れておいても、不自然なことはないので対象魚に含めていきたいと思う。
(3)期別流量の整理結果
  • 最大遊泳速度というのは、一瞬、ほんの数秒なら大丈夫というものであるから、魚道の一番てっぺんをすり抜けるにはこれでいいと思うが、高水敷魚道を通過する場合は巡航速度になり、体長の2~3 倍の流速とかなり落ちるはずなので、これを基本として水路内にいろんな多様性を持つということで対処していかないと幾らイトヨでも、流速1m/s のところをずうっと泳ぎ続けるというのは無理である。
  • 上記は、魚の泳ぐ速度と流速の関係であるが、渦の影響というのはどうなるのか。
    →( 事務局)水理実験の流況を評価するときには、渦のでき具合、流れの方向の状況などから、魚がどういう形態で水の中を通って上のプールに行くかというのを、頭の中で描きながら評価していきたいと考えている。
  • 流況というよりは、渦が巻いている状態で流速を詳細に測るというようなことを実験で確認する必要がある。
    →( 事務局)今の実験計画では最大流速がどれくらい出るか。その流速に対して、先ほどの突進速度として上っていけるかどうかという評価をしたいということと、あとは流れの乱れがどうかということで、流速と流れの乱れも多少関係あるが、計測は別々ということで考えている。
  • 今回の魚道の特徴というのは、隔壁に傾斜をつけるという魚道である。そこに小魚を上らせようということであるが、いろんな角度の傾斜でやるようであるが余り遡上距離が長くなると、薄い流れが速くなって上りにくくなると思うので、その辺を留意してほしい。
(4)高水敷魚道の基本諸元
  • 高水敷魚道の中で、橋は考えているのか。それが木陰、鳥からも守れるということもあるし、それを渡るという利用のこともある。
    →(事務局)高水敷の利用計画の中では、橋を架けることを考えている。魚道の幅がこのくらいであれば、橋のピアを立てることはなく、そのまま渡すので、橋の箇所だけ河床が深いとか、河床に護岸を張るとか、そういうことはないと考える。
    →(事務局)高水敷魚道は、このように蛇行させているが、この蛇行の考え方については今後、この地区にあった望ましい蛇行のピッチを検討していきたい。
  • 鳥のことが考慮されているが、問題はやはりアオサギである。近くにコロニーがあるので、アオサギが来て大量に食べるようなことがあると、やはり捕食が問題になる。ただ、待避プールのイメージ図のように倒木を浮かせてあると、逆にこれが鳥のとまり場になるので、むしろない方がいいと考える。
  • 待避プールのイメージ図があるが、生物のことを考えたら、例えば結構浮き石があったりとか、倒木とか、施工の段階で専門家の方に見ていただく方がよい。
  • この倒木の問題は、もう一回考えてほしい。
  • 待避場所の水深が1m50センチメートルか2mぐらいで、子供たちの安全性は大丈夫か。
    →(事務局)待避プールは、下流区間に設置しようと考えてる。下流は基本的に、積極的な利用をさせない区間、そういうところに深みをつくろうというふうに考えている。
(5)魚道観察施設
→(事務局)迷入防止対策については、河川管理者の帯広開発建設部として関係者と適切に話し合いをもって対処していきたいと考えている。
  • 観察窓は、今回事例紹介だけで、今後どうするかはまだ決まっていないということか。
    →(事務局)千代田の魚道の設置位置から勘案すると、設置するとすれば、屋内から観察
    するタイプのものを設置することになると考える。
(6)意見交換
→(事務局)当地域は、十勝エコロジーパークということで、公園計画も一緒にできている地域である。事務局としては、ある程度川に知識のない人も安全に使えるという区間を上流区間とし、きちっとした総合学習の目的とか、河川で訓練を受けた人も使える区間としては下流ということで考えているので、一概に下流は絶対人に利用させないという考えではない。
  • 魚道内流量の発生頻度であるが、30 日間のうち15 日間は上れるという、50%という評価で考えることについて、(100%ではなくて)50%でよいのか?
    →(事務局)少なくとも半分以上は確保しようということで、50%を目安に検討を進めている。
  • 普通の川でも流速の変化がいろいろあって、その流速の変わり際に上ったりとかするので、(魚道内流況に)変動があっていいんじゃないですか。
  • 1秒間に1.5m とか1m という流速は、魚のサイズや、種類によっても違うと思うが、魚にとってはかなり速いと思う。自然の場合であれば、横に草があるので、そのような流れが緩やかなところを通って移動可能であるが。
    →(事務局)1m/s は突進速度ということで、堰横魚道の越流部を瞬間的に越えるところの評価をそれでしていきたい。高水敷魚道については、マニングの平均流速という形で見ると、大体50 センチメートル/s から60 センチメートル/s ぐらいである。高水敷魚道は先ほどのイメージ図にもあったとおり、多自然型ということで考えているので、水際や河岸の流速は(平均流速よりも)かなり遅くなっていると考えられる。
  • アオサギに魚が狙われるという話であるが、堰横魚道の場合の下流(新低水路内)の水路はどうなるのか?
    →(事務局)新低水路は、あまり木も生えている状況にはならないと思う。年に何回か洪水が流れるので、多分1年生ぐらいの草本ぐらいしか生えない状況とは思われる。
(7)その他
  • 次回の委員会は最終の委員会ということで12 月の初旬に予定しています。現地視察は、青野ダム魚道と自然共生研究センターということで、9月18 日から20 日の予定です。

今後の予定

◇第5回目の魚道検討委員会は、平成14年12月を予定しております。
なお、委員会は公開です。どなたでも傍聴していただくことができます。

お問合せ先

治水課

  • 住所:北海道帯広市西5条南8丁目
  • 電話番号:0155-24-4105

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