美利河ダムの魚道-特徴
自然な往来をささえる温もりの工夫 特徴
後志利別川では10科23種の魚が確認されており、サクラマスをはじめとした川と海とを行き来する回遊魚が多く生息します。美利河ダムの魚道にはこうした魚たちの自由な行き来を支える様々な工夫が施されています。
01 低々水路
ダム直下から下流への約360m区間は魚の遡上を確保するために河道を掘り下げています。形状は自然の川に近づけるため蛇行させています。
02 待避プール

■撮影平成19年6月18日
03 階段式魚道
高低差の大きい箇所には切り欠きを付けた越流隔を階段状に設置し、魚たちが休みながら遡上できるようになっています。
04 多自然型魚道
魚道一般部はできるだけ自然環境と同じ条件となるようにさまざまな配慮が行われています。川底には玉石が敷かれ、両岸には魚たちに餌や木陰をもたらす木々が植えられています。
05 観察窓
魚道には観察窓が設けられ、行き来する魚の姿を観察することができます。
06 チュウシベツ取水施設

(1)魚道制水ゲート
魚道制水ゲートは、変動するチュウシベツ川の河川流量及び導水路流入量に対して、下流バイパス魚道の流量を一定確保する調節機能を有すると同時に、魚の遡上・降下に支障のない構造形式とした。
魚道制水ゲートは、変動するチュウシベツ川の河川流量及び導水路流入量に対して、下流バイパス魚道の流量を一定確保する調節機能を有すると同時に、魚の遡上・降下に支障のない構造形式とした。

◆薄層越流
魚は水深が浅くなることを本能的に嫌います。そこで、越流堤に斜面付き法面を配置し、水深の浅い箇所を連続的に生じさせることでスモルトの余水吐きへの落下を防いでいます。
◆導水路
スモルトは流速の早い方に降下することから(室内実験による)、導水路末端の流心部に魚道をつなげました。

◆ひさし
魚は陰影部を好みます。そこで魚道へ繋がる右岸側には庇(ひさし)を設けた。
◆法面
導水路の余水吐き法面には魚の嫌う白色の塗料を塗りました。夜間にもこの機能がはたらくようスモルト降下時期のみ斜面付き法面にライトを照射させています。
ダム水環境改善事業が全建賞を受賞しました
全建賞は、社団法人全日本建設技術協会が、建設技術の活用並びに公共事業の進め方やストックの運用の工夫等なより、優れた成果の得られた、もしくは、優れた成果を得ようとする事業及び施策を選考し、これを実施した機関を表彰するものです。平成17年度「美利河ダム魚道設置事業」は受賞を果たしました。
全建賞は、社団法人全日本建設技術協会が、建設技術の活用並びに公共事業の進め方やストックの運用の工夫等なより、優れた成果の得られた、もしくは、優れた成果を得ようとする事業及び施策を選考し、これを実施した機関を表彰するものです。平成17年度「美利河ダム魚道設置事業」は受賞を果たしました。