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第8回協議会 議事要旨

第8回(平成17年10月11日)

  • 釧路湿原自然再生協議会

第8回協議会 議事要旨

設置要綱の改正(案)について

 事務局より協議会設置要綱の改正(案)について説明があり、構成員の任期を現行の1年から2年とする改正(案)が了承された。

小委員会開催報告について

 事務局より第4回森林再生小委員会、第5回土砂流入小委員会、第6回旧川復元小委員会の開催概要の説明が行われた。第5回土砂流入小委員会については、委員長の代理として事務局から小委員会で出された主な意見について説明が行われた。
 第4回森林再生小委員会および第6回旧川復元小委員会については、それぞれの実施計画に関する議事の中で、各委員長から実施計画(案)の考え方、小委員会で出された主な意見について説明が行われた。

(土砂流入小委員会 代理(事務局))
􀂄 久著呂川の土砂流入対策について、目標設定の考え方、具体的対策の実施計画案の検討を行っており、第5回土砂流入小委員会では、要因、現象、課題と目標、対策の関係が分かりづらいので整理すべきである。
􀂄 裸地への植林は、発生源での土砂生産の抑成対策として重要である。
􀂄 中久著呂の河床低下、河岸侵食箇所は、久著呂川流域の最も大きな土砂生産源の1 つになっていることから、早急に計画を立てる必要がある。
􀂄 湿原への土砂流入抑制効果を一層向上させるため、現状でも比較的顕著な土砂堆積を生じている河岸と下流にも土砂調整地を設置してはどうか。これを実施すれば、洪水時の上流農地の排水性向上も期待できる。
􀂄 委員から湿原流入部土砂調整地についての提案があり、今後、併せて比較検討を行うことになった。

茅沼地区旧川復元実施計画(案)について

􀂄 旧川復元小委員会の神田委員長より、実施計画(案)検討経緯、小委員会で出された主な意見について説明が行われた後、事務局より実施計画(案)の内容について説明が行われた。
􀂄 釧路開発建設部の丹野委員より、本実施計画は、実施者として想定している釧路開発建設部が関係機関等との調整を経て、策定することになり、その過程で、大きな変更等が生じた場合には、再度協議をお願いしたい旨の説明が行われた。
􀂄 第5回旧川復元小委員会において、実施計画(案)の内容は了承された。

(旧川復元小委員会 委員長)
􀂄 事業の実施により、現在止水域となっている旧川の環境が失われる。このことが、湿原生態系にどのような影響を与えるのか把握し、引き続き施行計画の中で検討する必要がある。
􀂄 モニタリング計画の内容を検討し、今後評価を行うためにも、事業実施前の調査をしっかり行う必要がある。

(委員)
􀂄 釧路川の直線部分の下流端KP31付近は、リファレンスサイトに設定されているが、ここは直線化の影響を受けて、樹高が高くなり、植生も変化していると思う。ここを再生の目標にするのは違うのではないか。直線化による影響と、リファレンスサイト設定に当たっての範囲の考え方を確認したい。

(事務局)
􀂄 リファレンスサイトは、実施事業区間と連続した環境にあって、かつ人工的な改変を受けていないという考えで、ここをリファレンスサイトに設定した。
􀂄 KP31付近については、洪水時に土砂が多く堆積するところなので、樹高も大きくなっている。ただし、リファレンスサイト全区間でそのような影響を受けているわけではないので、今後のモニタリングにより適切な評価対象区を絞り込んでいきたい。
􀂄 直線化による影響については、当時右岸側の農地計画を踏まえて直線化を行ったことにより、周辺地下水位が低下し、周辺の土地が乾燥化して、湿原植生に影響を与えたと考えられる。また、洪水時に濁水を一気に下流へ流下させることで、湿原中心部に多量に土砂を流入させてしまうなど、影響は大きいと考えている。

(会長)
􀂄 KP31付近は影響を受けているとしてリファレンスサイトをKP28~30とすると狭くなりすぎるということもあると思う。
􀂄 リファレンスサイトは分かり易いところに設定するということも重要である。

(委員)
􀂄 直線河道の下流側は少なからず影響を受けているので、その影響を完全に排除すると下流にリファレンスサイトを設定することができなくなる。茅沼地区の議論は、研究の議論ではなく、現場としてどのように対応していくのかという議論である。
􀂄 KP31付近のデータを整理した上で、影響が大きい区間は外すとしても、リファレンスサイト区間の設定の考え方はこのままでよいと思う。

(委員長)
􀂄 リファレンスサイトの設定は非常に難しい。ただし、旧川復元の効果を評価することを考えると、上流過ぎても下流過ぎても、あまり離れると別の要素が入ってくるのでリファレンスサイトとして適さなくなる。
􀂄 影響を受けているということも考慮しながら検討していく必要はあるが、現場を見た限り、良好なハルニレ林が残っているなど、それほど悪い影響は受けていないと見受けられる。

(委員)
􀂄 リファレンスサイトの考え方を整理し、リファレンスサイトの中に影響を受けた区間も一部含まれているということが読み取れるようになっていればいいと思う。

(会長)
􀂄 影響を受けている可能性があるという目でデータを捉えて考えていけばよい。

(委員)
􀂄 水深や流速の数値が細か過ぎる。シミュレーションでは細かい計算結果を出すことができるが、現地でこのような細かい数値を必要とするのか。
􀂄 土砂堆積のシミュレーション結果を見ると、その範囲は厚さ0.5mmが最大になっている。0.5mmという幅で、復元前と復元後で土砂量が3割も減るのか疑問である。小さな数値をシミュレーションでいじり過ぎていないか、この結果が現地ではどういう意味を持つのか考えを示してほしい。
􀂄 計算結果は、現地での流量観測の精度に左右される。計算結果が細かくても、信頼性としては測定流量の信頼性しかない。記載の精度は現場の測定範囲に止めた方がよい。

(事務局)
􀂄 記載の精度は、モニタリングが実施可能な範囲で再考する。

(委員)
􀂄 湿原中流部に流入する年間土砂量は、旧川復元により3割減る結果となっており、その土砂は旧川復元した1.6キロ区間に堆積することになる。相当な量の土砂が堆積し、乾燥化することになるので、この地域での湿地植生の復活はあり得ないと思う。旧川復元区間に新たな土砂溜め場をつくるというイメージにとれる。

(会長)
􀂄 氾濫域が広くなり、そこに土砂が堆積することを期待している。

(事務局)
􀂄 旧川復元箇所で氾濫させる意義は、湿原中心部に土砂が流入するのをできるだけ防ぐために、氾濫域を上流に移動させるということにある。
􀂄 旧川復元区間では氾濫量が増加し、土砂堆積量が多くなるが、河岸以外の堆積厚はかなり薄くなる。旧川復元により、地下水位の上昇と氾濫頻度の回復が図られ、湿原植生が回復すると予測している。

(委員)
􀂄 先日の降雨の後、KP32から33の区間を実際に見てきたが、1~1.5m水位上昇していた。試験掘削箇所も水没し、低いところにはかなりの土砂が堆積したはずである。
􀂄 旧川復元により、現在より多くの土砂が堆積するようになる。我々は何十年、何百年単位の議論をしているので、増加する土砂量というのはものすごい量になる。今までは低いところには水が溜まっていたが、そこに土砂が堆積し、低いところの水辺が消失することになる。

(事務局)
􀂄 予測結果として示している図は、年最大流量時の土砂堆積状況を予測したものである。今回の出水時も、低いところには土砂が溜まったが、溜まらなかった箇所も見受けられた。
􀂄 今後も、予測結果と実際の洪水時の観測結果を踏まえ、予測の精度を上げていく必要があると考えている。今後も継続的に検討していく。

(委員)
􀂄 直線河道の右岸側には、直線河道掘削時の浚渫土砂が置かれており、現状では右岸側に氾濫しない状態となっている。これを撤去することにより、昔あった氾濫区域をここに復元することで湿原へ流入している土砂を軽減することができるのであって、蛇行復元だけの効果ではない。
􀂄 釧路湿原流域全体の負荷を蛇行復元だけで解決しようというのは無理な話である。全体構想に示したように、湿原への負荷を軽減するためには、流域全体での対策が必要である。釧路湿原全体、流域全体での議論を行っていく必要がある。

(委員)
􀂄 右岸の置土を撤去して濁水が広い範囲に氾濫するようになると、低いところに砂泥が堆積し、そこに生息している生物は棲みかを失われることになる。
􀂄 上流部での土砂の生産を抑えることも大事なことであるが、そんなにうまくいくものではない。

(委員)
􀂄 自然の状態でも濁りが発生するのは普通のことである。土砂がないと氾濫源も形成されない。ある程度の栄養塩はそこに供給されるべきである。
􀂄 今までは、それを抑えるための議論であったが、元々の状態でも氾濫して土砂や栄養塩が供給されていた。土砂だけに着目し、それがあたかも大量に堆積すると誤解を生じているようであるが、堆積厚は0.5mmの範囲である。
􀂄 生物に対する影響という点では、直線化により水位が低下し、乾燥した立地になったので、直線化が生物にとって良かったとは思えない。

(事務局)
􀂄 右岸側の土手を撤去することで氾濫域が広がり、変化することになる。失われるものが全くないとは考えていない。ある程度変化するところもあるし、改善されるところもあるが、変化量はそれほど大きくならないと考えている。

(委員)
􀂄 釧路川を流れてくる土砂量は相当多い。蛇行復元により湿地植生が再生されるという意見は理解できない。逆に乾燥化すると考えている。
􀂄 氾濫原を1.6キロ上流に移しても根本的には何も変わらない。上流域の発生源の対策をどうするのか位置付けて展望を示してほしい。

(事務局)
􀂄 この実施計画案は、茅沼地区で実施する対策について示したものである。流域全体の対応については、今後とも各小委員会での議論が必要になると考えている。

(委員長)
􀂄 ここだけを変えれば湿原が良くなるかというとそんなことはない。茅沼地区は実験区的な要素があり、ここでしっかりと行い、効果を検証して次につなげたいと考えている。何もしなければ湿原は失われていく一方である。
􀂄 農地の問題などを考慮すると、茅沼地区は河川を直線化して農地にする計画が無くなった地区であり、そういう意味では影響が比較的小さく実施しやすい場所だと考えられる。
􀂄 ここに流入してくる土砂のうち、重たい土砂は河川沿いに堆積して自然堤防を形成し、軽いものは湿原中心部に流れていくことになる。発生源対策は必要であるが、洪水が発生すればそのような現象が生じ、見た目は悪いかもしれないが、それが無くなると湿原が乾燥化する。

(委員)
􀂄 これまでの議論は、この実施計画の内容はいいが、実施に当たっては流域で考えられている他の事業と連携する必要があるという提案だと思う。そこで、実施計画の第5章に、旧川復元を単独で行うのではなく他の再生事業と連携して実施すること、連携することによりこの再生事業がより有効になることを記述して委員の意見を聞いてはどうか。

(会長)
􀂄 大変良い意見だと思う。小委員会で検討してはどうか。

(委員長)
􀂄 河川の氾濫や土砂堆積のメカニズムは、ある程度分かっていることだと思う。川とはそういうものであり、旧川を復元することの問題点や効果はこれまでの議論でクリアされている。

(委員)
􀂄 茅沼地区の旧川復元だけでは、湿原の抱えている現在の問題を解決することはできないので、他の再生事業との連携、流域管理の考え方などを実施計画に記述することで、皆の共通認識がここで確認されることになる。

(事務局)
􀂄 第5章には、他の事業と連携して進めていくことなどを記述している。
􀂄 実施者は、釧路開発建設部だけではない。協議会に参加されている方々1人1人が再生事業を実施しようと参加しているので、流域全体での取り組みについては委員全員が同じだけ責任を負うものと考えている。

(会長)
􀂄 第5章に「他事業とも連携しつつ」と書いてある。単独で実施するわけではないことは、ここで読むことができる。

(委員)
􀂄 実施計画の目標の4 つ目に土砂のことが示されているが、土砂の軽減については土砂流入小委員会で検討しており、発生源対策は何より重要な対策であると位置付けて検討している。議論が噛み合わないのは、旧川復元事業で土砂対策を強く盛り込んでいるところにあると思う。

(委員)
􀂄 湿原上流部の掌の指のようになっているところの泥炭地の土層を見ると、土砂がサイクル的に堆積している。
􀂄 この泥炭地が形成される前から土砂が入ってきており、その土砂があるから泥炭地が形成されている。その土砂をどこで受け止めるかという議論だと思う。水だけでは湿原は成立しないということを踏まえておく必要がある。

(会長)
􀂄 撤去する右岸残土は、直線河道の埋め戻しに使用すると解釈してよいのか。

(事務局)
􀂄 大半は埋め戻しに使う。余剰分は、上流の堤防が完成していないところへ流用する計画を考えている。ただし、測量の結果から検討すると、ほぼ全量を埋め戻しに使用することになると思う。

(委員)
􀂄 泥炭はボリュームが小さくなるので、埋め戻し分が不足することになると思う。

(会長)
􀂄 不足する場合は必ずしもフラットにしなくてもよいということだと思う。

(委員)
􀂄 直線河道の埋め戻し区間上流端に強固な堰などを設けないと、洪水時に突破される可能性があるのではないか。

(事務局)
􀂄 工法はこれから考えていくが、洪水が埋め戻した直線河道部に流れ込むことがないようにしていく。

(会長)
􀂄 必ずなにか問題が出てくることを覚悟して、修正することも含めて柔軟的に対応していくということだと思う。

(委員)
􀂄 直線河道右岸の残土を撤去するので、埋め戻す区間の上流側から氾濫は始まり、水位も流速も下がることになる。

(委員)
􀂄 旧川復元区間には、JR線路と近接するヘアピンカーブがある。旧川を復元することにより、ここが浸食されると思う。こういった箇所については、自然に任せるばかりでなく、人間による管理も必要になる。

(事務局)
􀂄 守るべきところは守っていく。

(委員)
􀂄 過去、現況、復元後の植生図が示されているが、過去をどのように認識しているのかがよく分からない。過去と対比して、復元後の植生が変化しすぎている。
􀂄 復元後の河道周辺を見ると、河畔にはかなりヤナギ林が残るような形になっている。過去の植生に戻すということではなく、過去と異なる環境をあえてつくっているようなイメージを受けた。

(事務局)
􀂄 過去の植生図は、米軍の空中写真を用いて作成したもので、精度よく読み取ることができなかったので、ヨシの優先度で示している。
􀂄 できれば、直線化される以前の状態に戻すことができればいいが、旧川復元も河岸への土砂堆積、浮遊砂の湿原への流入といった自然現象が生じる。ここでは、旧川を復元することで植生がどのように変化するのかということを予測し、まとめた図になっている。

(会長)
􀂄 復元後の植生図は、潜在的な自然植生がこうだということを表しているのではないか。これが1つのターゲットに成り得るという意味だと解釈した。

(委員長)
􀂄 現在ある牧草地などは、湿原に戻していくということになるが、100年後、200年後はずっと様子が変わり、過去に近い姿になるだろうと思う。
􀂄 ここで示している復元後というのは、比較的短期間の復元後ということである。ただし、現在ハンノキ林などが優占しているところも、本来の湿原に近い形になっていくと考えている。

(会長)
􀂄 現在想定される比較的近い将来にはこのようになるが、後にハルニレなどの河畔林が形成されるということだと思う。それは想定されることである。

(委員)
􀂄 その辺のイメージを、この過去、現況、復元後の植生図から読み取ることはできない。

(委員)
􀂄 冠水頻度の変化などにより植物群落が変化するという、予測の根拠になるデータがあるはずなので、それらを整理して示した方がよい。物理環境を変えることで生物がよみがえるということの方が重要なので、そういった説明が必要である。

(委員長)
􀂄 過去の姿に近づけようとすると、植林をするなど、色々なことが考えられるが、そういったことは安易に行うべきではないと言い続けている。
􀂄 旧川復元を行った後は自然の復元に委ねるべきで、我々は湿原に戻るのを50年、100年我慢する必要がある。

(委員)
􀂄 水循環小委員会では、地下水解析について検討を行っているが、余りに地層が複雑なために、どのようなモデルを使うべきなのかまだ結論が出ていない。
􀂄 ここに地下水位シミュレーションの結果が示されており、旧川復元後の地下水位が細かい数値で示されている。ここまで示さず、旧川復元により地下水位が上昇するということだけを示してはどうか。水循環小委員会で検討している地下水位シミュレーションができたときに、食い違いが生じては問題である。

(委員長)
􀂄 この数値に確かな根拠があるとは思えないので、数値を除いてイメージで示す形にした方がよい。

(委員)
􀂄 蛇行を復元するとしても、できるだけ流路は固定しないで、自然の回復力に任せ、長い目で見守るのがよいのではないか。

(会長)
􀂄 幾つかの重要な指摘や提案があった。それらを踏まえ修正することとして、この実施計画案を承認していただき、次の段階に進めたいと思う。(一同同意)

達古武地域自然再生実施計画(素案)について

 森林再生小委員会の中村委員長より、実施計画(素案)の考え方、検討経緯、小委員会で出された主な意見について説明が行われた後、事務局より実施計画(素案)の内容について説明が行われた。

(森林再生小委員会 委員長)
􀂄 当実施計画の特徴は、事業対象区域だけではなく、達古武沼周辺全体を対象に議論しているところである。達古武沼を保全するためには、森林問題の他、水質や土砂の問題にも取り組んでいかなければならない。基本的なスタンスとしては、達古武沼の再生を大きな目標とし、可能な取り組みを整理しながら、小委員会として何ができるかというまとめ方で示している。
􀂄 外来種であるカラマツ林の問題については、9割が私有林であることを鑑み、地域全体としてどのように考えていくべきかという議論がなされた。
􀂄 カラマツ林を否定するわけではなく、自然再生事業として実施する場合には、生物多様性の向上を念頭に置くべきであるということが共通した認識である。また、家畜糞尿も含めた栄養塩類や土砂の達古武沼への流入対策も実施すべきで、こういった2 つの観点で実施計画を立案するということで小委員会において同意に達した。
􀂄 シラルトロ湖を中心とした流域全体の解析については、林野庁が森林の状態の評価を実施した。主な方法として、北海道が昨年発表した評価手法をもとにしている。特に、トドマツの立ち枯れが発生している雷別地区の293林班に注目したモニタリングを行い、立ち枯れした林班の再生手法や目標などについての議論がなされた。

(委員)
􀂄 1996年以降に急激に富栄養化が進み、シアノバクテリア(アオコ)の大発生が見られるとあるが、シアノバクテリアに限られているのか。シアノバクテリアのみというのはかなり特殊な状態であり、普通はあり得ないと思うので、植物プランクトンと表現した方がよい。

(委員)
􀂄 森林の再生に対するシカの対策について示されているが、シカ問題自体、どのような認識に立てばいいのか。シカによる食害は。今後増加するように思うが、シカのモニタリングについての考え方を聞きたい。

(委員)
􀂄 各市町村の協力により、シカの生息密度を減らすという対策をとっている。道が進めているモニタリングで、ある程度の生息動向は分かると思う。
􀂄 達古武地域で森林再生を行なっていく上で、その採食圧の影響について、現在実験区を設けて調査しているし、防鹿柵をする中で稚樹の生存率を上げていくという対策がとられており、妥当な対策が実施されていると思う。
􀂄 シカは広葉樹を非常に好んで食べる。広葉樹の再生は、シカの密度をある程度低くするか、または柵で囲うというような対策を行わない限り難しい。

(事務局)
􀂄 今回の実施計画は、達古武川北東のカラマツ林に絞っての計画を考えており、防鹿柵等を使った広葉樹林でのシカ対策の効果を、この場所で具体的に検討していきたいと考えている。

(委員)
􀂄 我々の実施場所で見た場合は、南東斜面、北東斜面など、狭い地域の中でも食害の受け方が違っている。現場をよく踏査して、場所ごとに適切な対応をとっていくというのが一番よい。

(委員)
􀂄 達古武沼では、水生植物が激減しているという話であるが、魚類の生息という側面から見ると、イシカリワカサギという在来のワカサギが多量に生息している道内でも珍しい湖である。イシカリワカサギを指標として見ると、自然性の高い湖だと言える。
􀂄 一方で、ワカサギを放流している話がある。放流するのであれば、在来種を捕獲して放流する必要がある。イシカリワカサギの保全、保護は、非常に大事な事項になる。
􀂄 ワカサギとイシカリワカサギの比率は、自然性を評価する際の指標に成り得る。

(委員長)
􀂄 現状がどのような状況なのかを位置づける必要がある。そうしなければ、現状のまま放っておいた方がよいのか、何らかの手を加えた方がよいのかという尺度が見つからなくなってしまう。
􀂄 放流すべきかどうかは、現状が分からない限り、そこに踏み込むことはできない。

(委員)
􀂄 現時点では、イシカリワカサギが非常に多量に生息しているということで、目標としてはワカサギの比率を増やさないということだと思う。

(会長)
􀂄 書き方が難しいので、文章のサンプルをいただきたい。

(委員)
􀂄 森林再生の課題に対する取り組みは、10ページの森林の保全・再生の部分が対応する実施計画と理解していいのか確認したい。

(会長)
􀂄 森林再生以外の部分は、誰がどのように実施するのかについても記述が無く、曖昧である

(事務局)
􀂄 今回、環境省として実施計画を策定して実施に向けて検討していきたいと考えているのは、主に森林の保全・再生と、その他、土砂流入防止と環境教育である。
􀂄 それ以外にここで挙げている目標、取り組みは例示である。それぞれ関わりのある行政機関、地元自治体、NPO、土地所有者等が、実現可能なものから連携して取り組んでいくことができればという期待も込めて書いた。
􀂄 将来的には、それぞれの課題に対し、それを行うに適した実施者が実施計画を策定し、実施していくことになると考えている。その中には、環境省が実施できる部分もあるし、他の実施者が出てくることを期待する部分もある。

(委員長)
􀂄 我々は、釧路湿原全体の今の状況を把握していないと言ってもよいくらいである。全ての問題点を洗いざらい出して、その中で茅沼地区がいいのかという議論は一度もしていない。行政側からの提案があり、その中で実施してきたという感じがする。
􀂄 達古武沼は、釧路湿原全体、特徴をあらわしている小さな区域として考えられている。森林再生がほかの分野に問題点を投げかけることついては、問題があるかもしれないが、協議会を形骸化させないためにも、そういった議論を行っていく必要があると考えている。そうすれば、実施者が説明し、他の者は蚊帳の外で質問しているという状況も無くすことができると考えている。
􀂄 委員長としては、問題を全部挙げて、その中における森林の取り扱いを議論していかないと、本質の問題から外れた議論にもなりかねないと考えている。色々な方が参加できるよう、問題提案型で手を挙げてもらいたいと考えている。

(会長)
􀂄 問題提案型ということであれば、実施計画の文章もそのことが分かる表現にする必要がある。この実施計画に示されている事業を全て実施するのではないかという誤解を生じる可能性もある。

(委員)
􀂄 今、湿原再生小委員会の方で、湿原周辺の未利用地等の復元について盛んに技術検討しているところである。この実施計画で、排水路や客土を取り除いて湿原の復元を図るというところまで具体的書いてしまうと、整合がとれなくなる。
􀂄 達古武地域の復元・再生に関しての色々な課題を具体的に浮き彫りにして、そのうち森林に関して何を実施するのかという書き方の方がすっきりする。

(会長)
􀂄 達古武地域における課題を抽出し、検討すべき問題として提起するという程度にしておいてはどうか。次の段階で、実施者が決まったものについては追加して示していけばよい。

(委員)
􀂄 それぞれの管理者と、その対策が可能なものなのか協議し、調整を図りながら案文を作成していただければと思う。

その他

 事務局より、今後の予定として、協議会構成員の公募実施の説明が行われた。

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