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札内川技術検討会(第10回)

議事次第

日時:平成29年2月7日(火曜日)12:45~15:00
場所:北海道新聞帯広ビル 2階 大会議室

1. 開会
2. 議題
    ・礫河原再生の取り組みについて
    ・情報提供
3. 閉会

資料

議事概要

  • 10

    第10回札内川技術検討会の様子(帯広市内,北海道新聞帯広ビルにて)

 

         札内川技術検討会 委員名簿(敬称略,五十音順)
氏名
所属等
泉 典洋 北海道大学大学院 公共政策学連携研究部 教授
斎藤 新一郎 環境林づくり研究所 所長
新目竜一 (国立研究開発法人土木研究所寒地土木研究所)
中村 太士 北海道大学大学院 農学研究院 教授
藤巻 裕蔵 帯広畜産大学 名誉教授
柳川 久 帯広畜産大学 教授
矢部浩規 国立研究開発法人 土木研究所 寒地土木研究所 寒地水圏研究グループ 寒地河川チーム 上席研究員
渡邊 康玄 北見工業大学 教授
オブザーバー 国立研究開発法人 土木研究所 寒地土木研究所

【第10回検討会の議題】
  1. 礫河原再生の取り組みについて
  2. 情報提供
【委員からの主な意見】

■議題(1)「礫河原再生の取り組み」に関する意見

「資料1 H28 年6 月出水による河道内の変化状況」について

・平成28 年6 月の出水は、ダムからのフラッシュ放流はなかったが長雨の影響でこのような出水形態になったようだ。今後の管理方法に向けて、このような事象が過去にどれくらいの頻度で発生していたのか、まとめておいた方が良い。
 

「資料2 礫河原再生の取り組みによる魚類やチドリ類の生息場の変化状況」について

・チドリ類の巣が集中している方が良いのか、巣がある程度均等に礫河原に散らばっている 方が良いのか、巣の数に対する成功数を整理することにより、量的な判断だけではなく、 質的な判断もできると思う。チドリにとってより良い巣の配置が分かるかもしれない。
 

・既往調査結果によると、チドリ類は比較的水に浸かりづらい高いところに巣をつくる傾向 のため、礫河原の面積だけではなく、高いところの割合も繁殖の成否に関係すると思う。
 

・今回の出水により礫河原が広がったため、チドリ類の分布も変化すると思う。礫河原の高低差、高いところの割合なども確認してもらいたい。
 

「資料3 H28 年8 月出水による河道内の変化状況」について

・広大な礫河原が形成されて喜ばしいが、流された流木がどこにたまっているのか、そちら の方が心配である。また、形成された礫河原へのヤナギ類の定着状況など、今年の秋の状 態を観察し、その後の対策をどうすべきか考えた方が良い。
 

・これまでのモニタリングにより、旧流路引き込みが有効であることが分かってきた。今回 の出水について、引き込みを実施した場所の他に、実施していない場所のデータを取得し て比較することにより、引き込みは非常に大きな洪水に対しても効果があるということが 理解しやすくなると思う。
 

・礫河原再生事業は、生物的な視点に加え、当初より河道内樹林化による洪水流下能力の減少という治水面の視点もあった。河道内樹林化をそのままにせず、放流や引き込みにより礫河原を維持したことによる洪水被害の軽減という視点も加えて分析した方が良い。
 

・仮に樹林化が進んだ状態で今回のような大洪水が発生すると流木の生産量も増大し、河道 や施設への外力が大きくなってしまう。それをこの事業によりある程度抑えておくことは、 今後の温暖化により大洪水が発生した際の対策、備えとしてとても重要なことだと思う。
 

・今回の出水により大規模に撹乱された河道をどれくらい維持するのか、考えておく必要が ある。既往出水による河道変化を調べ、どこまで管理するかをもう一度見直した方が良い。
 

「資料4 平成29 年度札内川自然再生(礫河原再生)実施計画書(案)」について

・流木の幹は枯れているように見えるが、地面に接している下側は年輪を刻み、根を出す。細葉ヤナギ類は栄養繁殖するが、根が出た状態で上下をひっくり返し(天地返し)、根に日光を当てて乾燥させると枯死することから、流木からの樹林化を防ぐことができる。栄養繁殖するのは細葉ヤナギ類とドロノキの2 種類だけである。
 

・樹木が繁茂した状態でのフラッシュ放流により維持できる礫河原の幅と、現在の状態で維持できる幅は違う可能性がある。フラッシュ放流により今後の樹林化を抑制することができれば、礫河原再生の管理幅をさらに広げていくことができるのではないか。
 

・現在の河道において、河道を動かす仕組みを取り込むことができれば、管理幅を広げられる可能性もあると思う。ただし、非常に難しいと思う。
 

・次年度の放流により、現在の河道内をどのように流れ、どれくらい砂礫が動くのか、まずは確認が必要だと思う。
 

・今後の樹林化については、種子から芽生えた実生が生長して樹林が形成されるのか、流木からの栄養繁殖により樹林化していくのか、確認していった方が良い。
 

・樹林化やケショウヤナギの更新動態については、数十年に1 回規模の出水を想定した管理になると思う。今回の大洪水については、この検討会では今後の回復過程を見ていきながら取り組んでいくスタイルになると思う。

■議題(1)「礫河原再生の取り組み」に関する意見
 

札内川をめぐる地域の動き」、「札内川ダム『タイムカプセル』開封式」、「北海道緊急治水対策プロジェクトに伴う工事安全祈願祭・現場見学会」及び「河川生態学術研究委員会での表彰」について

(意見交換)

・札内川懇談会や高校生への環境教育等は、大変すばらしい試みだと思う。このような活動を通じて、札内川は大雨が降ったとき非常に怖い川に変貌するということも地域住民の方々に知っていただき、その中で治水の重要性についても知っていただければと思う。

・北海道は、あまり雨が降らない土地で、洪水や水害を想像していなかった人が多くいると思う。北海道でも洪水や水害は他人ごとではないということを地域の方に知っていただくことがとても大事なことだと思う。

・今後、温暖化により台風が強大化して北海道に上陸する時代が来れば、昨年規模の大洪水も、これまでより高頻度で発生するようになるかもしれない。そのような時代が来た場合は、そのような大規模な撹乱を考慮した礫河原再生の議論も必要になると思う。

今後の予定

・本日の議論を踏まえて、平成29 年度自然再生実施計画書のとりまとめを行い、関連する調査、検討の準備を進める。

・今年度の出水では札内川も被災しており、早期復旧が第一に望まれている。引き続き、札内川の調査、検討を行った上で、札内川での災害復旧工事の進捗や融雪時の流況等も考慮しながら、放流時期や規模などについて検討していきたいと考えている。委員の皆様には、引き続きご指導をお願いしたい。

お問合せ先

治水課

  • 住所:北海道帯広市西5条南8丁目
  • 電話番号:0155-24-4105

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