札内川技術検討会(第5回)
議事次第
場所:とかち館 1階 丹頂の間
1. 開会
2. 議題
平成25年度札内川自然再生実施計画書(案)について
3. 閉会
資料
議事概要
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第5回札内川技術検討会の様子(帯広市内,とかち館にて)
第5回札内川技術検討会が平成25年2月28日(木曜日)に開催されました。
【第5回検討会の議題】
平成25年度札内川自然再生実施計画書(案)について
氏名
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所属等
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泉 典洋 | 北海道大学大学院 工学研究院 教授 |
伊藤 丹 | (独法)土木研究所寒地土木研究所寒地水圏研究グループ寒地河川チーム 上席研究員 |
斎藤 新一郎 | 環境林づくり研究所 所長 |
中村 太士 | 北海道大学大学院 農学研究院 教授 |
藤巻 裕蔵 | 帯広畜産大学 名誉教授 |
丸山 純孝 | 帯広畜産大学 名誉教授 |
柳川 久 | 帯広畜産大学 教授 |
渡邊 康玄 | 北見工業大学 教授 |
オブザーバー | (独法)土木研究所寒地土木研究所 |
【委員からの主な意見】
・ダムからの放流パターンについては、平成25年の調査結果をもとに、シミュレーション等により一番効果的な放流パターンを検討していくことになる。
(平成25年度施工区について)
・過去に土砂が流れたことがある場所が旧川引き込みに適している。数年前に土砂がぶつかった形跡が樹木にみられた場所では、うまくいくと思う。
・測量結果を計算に適用することを考えると、横断測量の測線配置を格子状にするか、測線間隔を短くして密に横断測量を行うのが良い。
・樹齢把握は、生長錐調査の他、年輪の円盤を採取して確認すると良い。
・地上部の伐採のみ行う施工区がある。残された根の量による流水への抵抗の違いについて調査し、施工のバリエーションについて検討したい。
・根を残す場合、地表面付近で伐採してひこばえ(伐り株等から生えてくる若芽)再生を抑止する必要がある。
・現在は試験の段階なので、伐採して根を残す、抜根まで行うなど、可能な範囲でいろいろ試験していただきたい。また、根が流された場合、魚のハビタットとして機能することも考えられる。
・樹木除去施工区でのビデオ撮影は、河岸侵食や樹木流亡のメカニズムが分かるようなクローズアップした撮り方が良い。
・河床から削られていくのであれば、水没していない河原に生育している樹木の有無は関係ない。しかし、河岸の上部と河床の両方が削られて相乗的に根を洗い出していくのであれば、河岸上部の流速や掃流力の大きさが樹木の流亡にも関係するので、伐採や抜根が必要になる。次のステップを想定し、側岸侵食や樹木流亡のメカニズムを把握しておく必要がある。
(取り組みの評価、モニタリング計画について)
・魚類に関しては、ハビタットの多様性のほかに、現存量・種類数の変化や、越冬期における副流路の季節的な利用、稚魚等の利用などが指標になると考えられる。それらを調査して放流の効果を把握する場合は、もう少し広い範囲で調査を行う必要がある。
・底生動物に対する効果は現れづらい。ダム放流により一時的に底生動物の個体数や種類数が減ると思うので、その結果をもとにどのように評価を行うのか、事前に検討しておいた方が良い。
・付着藻類については、放流後がどういう状態になれば良いのか、評価軸をある程度定めておく必要がある。
・水質については、現状に問題があり、取り組みによる改善の把握が目的であれば分かりやすいが、現状の水質に問題がないのであれば、現時点ではデータの蓄積ということになると思う。
・礫河原の面積をモニタリングしていくうえで、厳密な判断基準が必要ならば、植生の被度により区分する方法が考えられる。目的に応じて定義すれば良いと思う。
・6月末の放流時に、まだ飛ぶことができない雛がいると流される可能性がある。平成25年のモデル区間における調査で把握する必要がある。
・6月では少し遅いかもしれないが、卵の段階であれば巣が流されても繁殖をやりなおす可能性がある。チドリ類以外にも、イソシギやセキレイ類が関係するので、調査方法を検討した方が良い。
・複数に分岐した流路では、各流路の水位が異なることがあるので、各流路で水位観測していただきたい。
まとめ~平成25年度に向けて~
・再生すべき礫河原幅を平面的に設定し、その中でケショウヤナギ等が礫河原とともに更新できるような目標を設定していきたい。
・本日の検討会での意見を踏まえて詳細な整理を行い、平成25年度の実施計画書(案)としたい。
今後の予定について
・各調査の結果をとりまとめた後、第6回検討会を開催する(8月頃)。