札内川技術検討会(第6回)
議事次第
日時:平成25年10月8日(火曜日)13:00~15:00
場所:とかち館 1階 丹頂の間
1. 開会
2. 議題
礫河原再生の取り組みについて
(1)平成25年度ダムからの放流概要報告
(2)今後に向けて
3. 閉会
場所:とかち館 1階 丹頂の間
1. 開会
2. 議題
礫河原再生の取り組みについて
(1)平成25年度ダムからの放流概要報告
(2)今後に向けて
3. 閉会
資料
議事概要
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第6回札内川技術検討会の様子(帯広市内,とかち館にて)
第6回札内川技術検討会が平成25年2月28日(木曜日)に開催されました。
【第6回検討会の議題】
- 平成25年度ダムからの放流概要報告
- 今後に向けて
氏名
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所属等
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---|---|
泉 典洋 | 北海道大学大学院 工学研究院 教授 |
伊藤 丹 | (独法)土木研究所寒地土木研究所寒地水圏研究グループ寒地河川チーム 上席研究員 |
斎藤 新一郎 | 環境林づくり研究所 所長 |
中村 太士 | 北海道大学大学院 農学研究院 教授 |
藤巻 裕蔵 | 帯広畜産大学 名誉教授 |
丸山 純孝 | 帯広畜産大学 名誉教授 |
柳川 久 | 帯広畜産大学 教授 |
渡邊 康玄 | 北見工業大学 教授 |
オブザーバー | (独法)土木研究所寒地土木研究所 |
【委員からの主な意見】
議題(1)「平成25年度ダムからの放流概要報告」に関する意見
(資料(1) ダムからの放流概要)
・網状に流れる河川の流量については、これまできちんとした観測方法がなかった。今回、流量を正確に観測できたことは非常に価値のあることだと思う。その技術的なノウハウをきちんと残していくことは重要なことだと思う。
(資料(2) 放流による河道内の変化状況)
・侵食や堆積の傾向は、無次元掃流力(τ*)の絶対値だけではなく、流れの変化量で決まる。増水時はτ*が大きくなって侵食されるが、減水時はτ*が小さくなって堆積する。
・今回の放流で深掘れした箇所があるかもしれないが、深くなっていけばいつか側岸が崩れ、深掘れ部が埋め戻されると思う。深掘れは一過性の現象である可能性もあるため、引き続ききモニタリングする必要があると思う。
・無次元掃流力の大きさとその継続時間により変化の傾向を把握しようとしている。検討の方向性はそれで良いと思う。
・河道の大きな変化は、大きな掃流力が作用したときに発生すると考えられる。τ*0.05は、河床材料そのものが動き始める掃流力であるため、大きな変化について検討する場合は、τ*0.05より大きめのτ*で検討した方が変化の傾向を把握しやすいかもしれない。
・札内川の検討でどの程度の大きさのτ*を用いるかについては、もう少し議論を深めていく必要があると思う。
(資料(3)施工区の状況)
・現況、一本の流路となっている区間でも、放流の流量で複列砂州領域に入るのであれば、旧川引き込みにより複列砂州になることを促すことができる。そこに、土砂水理学的な大きな意味があると思う。ダム放流の流量で複列砂州領域に入るのか、改めて確認しておく必要がある。
・既往出水により大きく変化したところ、ほとんど変化しなかったところを調査し、出水が発生したときに複列の流路になりやすいと考えられる箇所を見つけ出して、旧川引き込みを行っていくことが考えられる。
・旧川を現状のままにしておくと樹林化してしまう。今回の旧川引き込みにより、水が流れるようになった箇所は、小さいながらも礫河原を維持できると思う。
・旧川に水を引き込むことの評価が曖昧。河床変動計算等により変化を予測する等、評価の基準を確立できるよう取り組んでもらいたい。
(資料(4)放流による環境の状況)
・放流によりチドリ類の巣が水に浸かるという先入観があったが、放流による水位上昇でも水に浸からない高い場所に巣がつくられたということが非常に重要なポイントだと思う。今回の放流による巣への影響はないのではないかと思う。
・チドリ類は、長い進化の過程で、できるだけ高い場所に巣をつくるという習性を獲得したのだと思う。
・今回の調査結果をみると、一部の個体が放流により流されたかもしれないが、放流後に個体数が回復していることから、今回の規模のダム放流によって河原に生息するオサムシ科昆虫が減少することはないだろう。
・昆虫の識者にも意見を聞き、それを踏まえ、今回の規模の放流がオサムシ科昆虫に大きな影響を与えるとは考えにくい。ただし、一度の調査結果で結論付けることは望ましくないため、5年に1回程度のモニタリングは実施した方が良いと思う。
議題(2)「今後に向けて」に関する意見
(資料(1) ダムからの放流概要)
・網状に流れる河川の流量については、これまできちんとした観測方法がなかった。今回、流量を正確に観測できたことは非常に価値のあることだと思う。その技術的なノウハウをきちんと残していくことは重要なことだと思う。
(資料(2) 放流による河道内の変化状況)
・侵食や堆積の傾向は、無次元掃流力(τ*)の絶対値だけではなく、流れの変化量で決まる。増水時はτ*が大きくなって侵食されるが、減水時はτ*が小さくなって堆積する。
・今回の放流で深掘れした箇所があるかもしれないが、深くなっていけばいつか側岸が崩れ、深掘れ部が埋め戻されると思う。深掘れは一過性の現象である可能性もあるため、引き続ききモニタリングする必要があると思う。
・無次元掃流力の大きさとその継続時間により変化の傾向を把握しようとしている。検討の方向性はそれで良いと思う。
・河道の大きな変化は、大きな掃流力が作用したときに発生すると考えられる。τ*0.05は、河床材料そのものが動き始める掃流力であるため、大きな変化について検討する場合は、τ*0.05より大きめのτ*で検討した方が変化の傾向を把握しやすいかもしれない。
・札内川の検討でどの程度の大きさのτ*を用いるかについては、もう少し議論を深めていく必要があると思う。
(資料(3)施工区の状況)
・現況、一本の流路となっている区間でも、放流の流量で複列砂州領域に入るのであれば、旧川引き込みにより複列砂州になることを促すことができる。そこに、土砂水理学的な大きな意味があると思う。ダム放流の流量で複列砂州領域に入るのか、改めて確認しておく必要がある。
・既往出水により大きく変化したところ、ほとんど変化しなかったところを調査し、出水が発生したときに複列の流路になりやすいと考えられる箇所を見つけ出して、旧川引き込みを行っていくことが考えられる。
・旧川を現状のままにしておくと樹林化してしまう。今回の旧川引き込みにより、水が流れるようになった箇所は、小さいながらも礫河原を維持できると思う。
・旧川に水を引き込むことの評価が曖昧。河床変動計算等により変化を予測する等、評価の基準を確立できるよう取り組んでもらいたい。
(資料(4)放流による環境の状況)
・放流によりチドリ類の巣が水に浸かるという先入観があったが、放流による水位上昇でも水に浸からない高い場所に巣がつくられたということが非常に重要なポイントだと思う。今回の放流による巣への影響はないのではないかと思う。
・チドリ類は、長い進化の過程で、できるだけ高い場所に巣をつくるという習性を獲得したのだと思う。
・今回の調査結果をみると、一部の個体が放流により流されたかもしれないが、放流後に個体数が回復していることから、今回の規模のダム放流によって河原に生息するオサムシ科昆虫が減少することはないだろう。
・昆虫の識者にも意見を聞き、それを踏まえ、今回の規模の放流がオサムシ科昆虫に大きな影響を与えるとは考えにくい。ただし、一度の調査結果で結論付けることは望ましくないため、5年に1回程度のモニタリングは実施した方が良いと思う。
議題(2)「今後に向けて」に関する意見
・いまは、放流前後の比較で掃流や堆積の状況を把握している。放流前後の比較では変化していなくても、放流中に砂礫が入れ替わっている場合もある。
・個別の議論に入りすぎて全体像が見えなくなっており、礫河原をこれくらい再生するというイメージが湧きづらくなっている。全体像を示し、その中で、いまは何を行っているのかということが分かるように示していった方が良い。
・全体像の議論を行う際は、最終的にケショウヤナギがどのようになるのか、少し長いスパンでモニタリングしていく必要がある。植物の将来を予測できるような調査を行った方が良いと思う。
・旧川引き込みについては、どのようなことを行えば旧川を維持できるのか、モザイクが発生しやすくなるのか等、評価できるように取り組んでほしい。平成26年度は、そのような計画のもとで実施していただきたい。
今後の予定について
・本日の議論を踏まえて検討を行い、平成26年度の実施計画書(案)を作成する。
・そのうえで、平成26年2月頃に第7回検討会を開催する。
・そのうえで、平成26年2月頃に第7回検討会を開催する。