豊平川と2つのダムについて
豊平川について
『北海道の地名』によれば豊平という地名は、アイヌ語の「トイピラ」(崩れる・崖)に由来しています。
豊平川は、その源流を小漁山(1,235m)に発しており、渓流を集めながら北に流れて豊平峡ダムのある渓谷を下り、定山渓に至ります。ここで定山渓ダムのある小樽内川を支川にもつ白井川と合流した後、道都札幌の市街地を貫流し、札幌市の北部で石狩川に合流する幹線流路延長72.5キロメートル、流域面積902キロメートル2の石狩川の主要支川の1つです。
豊平川は、その源流を小漁山(1,235m)に発しており、渓流を集めながら北に流れて豊平峡ダムのある渓谷を下り、定山渓に至ります。ここで定山渓ダムのある小樽内川を支川にもつ白井川と合流した後、道都札幌の市街地を貫流し、札幌市の北部で石狩川に合流する幹線流路延長72.5キロメートル、流域面積902キロメートル2の石狩川の主要支川の1つです。
治水上の課題
豊平川は河床勾配が大きく洪水時には、三角波が発生するなど高速の乱れた流れが発生します。このような流水の持つ強いエネルギーによって堤防などが決壊し、ひとたび豊平川が破堤氾濫すると、流れの早い氾濫流が短時間で札幌市の中心市街地に到達し、避難行動や避難誘導を困難にするだけでなく、道都札幌市の都市機能を麻痺させる恐れがあります。
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主要河川の縦断形状
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縦断形状図
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三角波の発生状況
治水の沿革
明治初期の豊平川は、左岸側の低い扇状地面に網状の河道を形成し、氾濫を繰り返していました。
明治14年、豊平川で初めての堤防が現在の南1条から南8条までの左岸で完成し、明治19年には現在の藻岩下から東橋下流間の左岸堤防と主要部分の護岸工事が実施されるなど、主に豊平川左岸を守るための工事が明治から大正にかけて行われました。その後、昭和15年までには石狩川合流点から真駒内合流点付近までの左右岸の堤防が連続しました。
明治14年、豊平川で初めての堤防が現在の南1条から南8条までの左岸で完成し、明治19年には現在の藻岩下から東橋下流間の左岸堤防と主要部分の護岸工事が実施されるなど、主に豊平川左岸を守るための工事が明治から大正にかけて行われました。その後、昭和15年までには石狩川合流点から真駒内合流点付近までの左右岸の堤防が連続しました。
過去の洪水
近年の代表的な洪水として、昭和50年8月の洪水及び昭和56年8月の上旬と下旬の二度にわたる洪水がありました。
昭和50年8月の洪水では、豊平川流域の各支川で内水氾濫が発生し、多大な被害が発生しました。また、昭和56年8月下旬の洪水は、豊平川において戦後最大の流量となり、下流部では浸水被害が発生し、豊平川の市街区間では河床洗掘や土砂堆積が発生したほか、高速の乱れた流れにより、高水敷や河岸が破壊されるなど多大な被害を受けました。
昭和50年8月の洪水では、豊平川流域の各支川で内水氾濫が発生し、多大な被害が発生しました。また、昭和56年8月下旬の洪水は、豊平川において戦後最大の流量となり、下流部では浸水被害が発生し、豊平川の市街区間では河床洗掘や土砂堆積が発生したほか、高速の乱れた流れにより、高水敷や河岸が破壊されるなど多大な被害を受けました。
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昭和56年洪水<豊平川>
過去の洪水発生
洪水発生年月日 | 気象原因 | 代表地点雨量(mm/3日) | 雁来地点観測流量(m3/s) | 被害等 ※石狩川下流流域での被害 |
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明治31年9月 | 台風 | 札幌 158 | 不明 | 被害家屋 18,600戸 浸水面積 1,500平方キロメートル 死者 112名 |
明治37年7月 | 台風・前線 | 札幌 177 | (8,350 注1)) 石狩大橋地点 |
被害家屋 16,000戸 浸水面積 13500平方キロメートル |
大正11年8月 | 台風 | 札幌 66 | 不明 | 被害家屋 9,200戸 浸水面積 不明 死者 7名 |
昭和36年7月 | 低気圧・前線 | 札幌 140 | 874 | 被害家屋 23,300戸 浸水面積 523平方キロメートル 死者 11名 |
昭和37年8月 | 台風・前線 | 札幌 203 | 1,358 | 被害家屋 41,200戸 浸水面積 661平方キロメートル 死者 7名 |
昭和50年8月 | 台風・前線 | 札幌 175 | 1,241 | 被害家屋 20,600戸 浸水面積 292平方ロメートル 死者 9名 |
昭和56年8月上旬 | 低気圧・前線・台風 | 札幌 294 | 647 | 被害家屋 22,500戸 浸水面積 614平方キロメートル 死者 2名 |
昭和56年8月下旬 | 前線・台風 | 札幌 229 | 1,417 | 被害家屋 12,200戸 浸水面積 57平方キロメートル 死者 1名 |
昭和63年8月 | 前線・台風 | 札幌 66 | 64 | 被害家屋 2,000戸 浸水面積 65平方キロメートル 死者 0名 |
平成13年9月 | 前線・台風 | 札幌 153 | 749 | 被害家屋 63戸 浸水面積 38平方キロメートル 死者 0名 |
平成23年9月 | 前線・低気圧 | 札幌 126 | 1,050 | 被害家屋 8戸 死者 0名 |
治水対策とダム
洪水を防ぐためには、川幅を広げたり、川底を掘るなどの方法もありますが、札幌市の場合すでに豊平川沿いの堤防のすぐ脇まで市街地が広がっており、また、地下鉄が建設されていたりするため、そういった方法をとることが困難です。
そこでダムを建設し、洪水時の増えた川の水を一時的にダムに貯え、ダムや河川の状況を監視しながら洪水や渇水といった被害が出ないように、ダムの下流に流す水量を調節しています。
そこでダムを建設し、洪水時の増えた川の水を一時的にダムに貯え、ダムや河川の状況を監視しながら洪水や渇水といった被害が出ないように、ダムの下流に流す水量を調節しています。
生活とダム
札幌市民の生活と結びつき
豊平峡ダムと定山渓ダムは、洪水調節・札幌市の上水道・水力発電という3つの役割を持った多目的ダムです。
豊平峡ダム・定山渓ダムの主な防災操作効果
- 令和7年4月14日防災操作状況 (PDF:284KB)
- 令和6年8月12日防災操作状況 (PDF:352KB)
- 令和5年11月17日防災操作状況 (PDF:322KB)
- 令和5年10月5日防災操作状況 (PDF:298KB)
- 令和4年8月低気圧による大雨 豊平峡ダム防災操作状況 (PDF:251KB)
- 令和3年11月8日の豊平峡ダム防災操作状況 (PDF:241KB)
- 令和3年4月18日の豊平峡ダム防災操作状況 (PDF:365KB)
- 令和2年11月20日の豊平峡ダム防災操作状況 (PDF:483KB)
- 令和2年5月4日の豊平峡ダム防災操作状況 (PDF:500KB)
- 令和元年10月8日の豊平峡ダム防災操作状況 (PDF:299KB)
- 令和元年8月17日の豊平峡ダム防災操作状況 (PDF:291KB)
- 令和元年5月7日の豊平峡ダム防災操作状況 (PDF:551KB)
- 平成30年10月27日の豊平峡ダム防災操作状況 (PDF:551KB)
- 平成30年10月24日の豊平峡ダム防災操作状況 (PDF:545KB)
- 平成30年9月5日の豊平峡ダム防災操作状況 (PDF:551KB)
- 平成29年9月18日の豊平峡ダム防災操作状況 (PDF:1.10MB)
- 平成29年6月22日の豊平峡ダム防災操作状況 (PDF:591KB)
- 平成28年8月30日~31日の防災操作状況 (PDF:270KB)
- 平成28年8月20日の防災操作状況 (PDF:377KB)
- 平成28年8月16日~17日の防災操作状況 (PDF:638KB)
- 平成28年5月11日~17日の防災操作状況 (PDF:300KB)
- 平成27年10月8日~9日の防災操作状況 (PDF:85.0KB)
- 平成27年9月2日の防災操作状況 (PDF:327KB)
- 平成27年5月1日~5日の防災操作状況 (PDF:555KB)
- 平成26年10月16日~17日の防災操作状況 (PDF:259KB)
- 平成26年9月11日防災操作状況 (PDF:327KB)
- 平成26年8月11日防災操作状況 (PDF:711KB)
- 平成26年8月5日防災操作状況 (PDF:285KB)
- 平成26年7月27~28日防災操作状況 (PDF:330KB)
- 平成25年5月27日防災操作状況 (PDF:437KB)
- 平成25年4月7日防災操作状況 (PDF:408KB)
- 平成24年11月7日防災操作状況 (PDF:256KB)
- 平成24年10月28日防災操作状況 (PDF:341KB)
- 平成24年9月9日防災操作状況 (PDF:546KB)
- 平成24年5月2日防災操作状況 (PDF:145KB)
- 平成23年9月2日防災操作状況 (PDF:832KB)