94 十勝岳直轄火山砂防事業【札幌開発建設部】治水100年
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石狩川治水に係わる主な事業
94 十勝岳直轄火山砂防事業
火山泥流への万全な備えと細部のこだわり
十勝岳は30~40年周期で噴火を繰り返す活火山で、積雪の期間が長いため、噴火すると融雪が誘因となって大きな被害になる可能性が高い(融雪型泥流)。最近では昭和63年に噴火したため、最も危険性の高い「火山泥流対策基本計画」が策定された。しかし基本計画が策定されて以降、人々の環境保全への意識が高まり、砂防事業にも環境への配慮がもとめられた。
直轄砂防事業では、美瑛川・尻無(しりなし)沢川・硫黄(いおう)沢川に、13基の砂防ダムと13基の床固工群と流路工を実施している。そのなかで白金温泉直下流の、尻無沢川第2ダムはコンクリートの表面を、全国ではじめて木で被う修景を施した(カラマツ間伐材)。火口に近い白金温泉地域には砂防施設が集中的に整備されたが、温泉街の中心を延びる流路工内には芝生が広がり、せせらぎ水路も流れる温泉街の小公園だ。また流路工に架けられた橋も見所のひとつ。上流から、昴(すばる)橋、永光(えいこう)橋、虹泉(こうせん)橋—。名付け親は、十勝岳大噴火を描いた「泥流地帯」の著者である故・三浦綾子だ。二度と悲劇を繰り返さない、強い意志さえ感じる名だ。
直轄砂防事業では、美瑛川・尻無(しりなし)沢川・硫黄(いおう)沢川に、13基の砂防ダムと13基の床固工群と流路工を実施している。そのなかで白金温泉直下流の、尻無沢川第2ダムはコンクリートの表面を、全国ではじめて木で被う修景を施した(カラマツ間伐材)。火口に近い白金温泉地域には砂防施設が集中的に整備されたが、温泉街の中心を延びる流路工内には芝生が広がり、せせらぎ水路も流れる温泉街の小公園だ。また流路工に架けられた橋も見所のひとつ。上流から、昴(すばる)橋、永光(えいこう)橋、虹泉(こうせん)橋—。名付け親は、十勝岳大噴火を描いた「泥流地帯」の著者である故・三浦綾子だ。二度と悲劇を繰り返さない、強い意志さえ感じる名だ。
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白金温泉街の十勝岳流路工
(旭川開発建設部蔵)
昭和55年頃
- 監視システムが充実した十勝岳火山砂防情報センター
所在地
- 美瑛町白金温泉周辺