石狩川治水に係わる主な事業【札幌開発建設部】治水100年
発刊にあたって
それぞれの想いを胸に、新天地へとやってきた開拓者達の目の前には、巨木がうっそうと茂る原野を、なすがままに曲がりくねる石狩川がありました。彼達はこの川を使って移動したり物を運び、そして水をひいて田畑を開きました。
しかし、大雨が降ったり雪解けのたびに、石狩川は氾濫しました。せっかくつくった線路も道路も、ようやく収穫をむかえる農作物も、荒らぶる石狩川の前ではひとたまりもありません。また、石狩川中下流の土地は、水を多く含んでぬかるみ、深いところでは歩くのもままならない状態でした。
北海道の開発のためには、まず石狩川を治めなければならない—。
こうして、北海道一の大河・石狩川の治水事業がはじまりました。石狩川の治水は、曲がりくねって流れる蛇行(だこう)部分を、ショートカットして流れを良くする捷(しょう)水路工事が一貫して行われました。第二次世界大戦後からは、復興のために石狩川水系の水を流域の産業と暮らしに生かす、多目的ダムが建設されました。技術の進展とともに、今は洪水を一時的に溜めこむ遊水地など、自然環境に配慮した多彩な河川整備が行われています。 『石狩川治水に係わる主な事業』は、こうした石狩川流域の発展とともに歴史を刻んだ、治水事業の100年の歩みを振り返り、後世に残すことを目的にしています。石狩川で行われた治水事業のなかから、流域の歴史を表すような事業を選び、下流から上流へ、支川・地域毎に分類しました。各事業が行われた時代がわかるよう、「開拓初期」「明治43年頃」「昭和35年頃」「昭和55年頃」「現在」という、大きな洪水などで治水事業が進展した5つの時代のアイコンと、かんたんなマップも入れています。
専門的な技術よりも、河川改修の経緯などを簡潔にまとめることで、その地域の特色もわかるようにしました。上・中・下流、そしてそれぞれの地域によって、河川改修も違いをみせます。石狩川治水の流れとともに、支川や地域の違いなどをみるのも、100年の醍醐味かと思います。
『石狩川治水に係わる主な事業』をたくさんの人に読んでいただき、石狩川流域と石狩川を再発見し、川へ出かける機会になれば幸いです。それが、今の、そしてこれからの、石狩川を考える一歩につながるものと考えます。
しかし、大雨が降ったり雪解けのたびに、石狩川は氾濫しました。せっかくつくった線路も道路も、ようやく収穫をむかえる農作物も、荒らぶる石狩川の前ではひとたまりもありません。また、石狩川中下流の土地は、水を多く含んでぬかるみ、深いところでは歩くのもままならない状態でした。
北海道の開発のためには、まず石狩川を治めなければならない—。
こうして、北海道一の大河・石狩川の治水事業がはじまりました。石狩川の治水は、曲がりくねって流れる蛇行(だこう)部分を、ショートカットして流れを良くする捷(しょう)水路工事が一貫して行われました。第二次世界大戦後からは、復興のために石狩川水系の水を流域の産業と暮らしに生かす、多目的ダムが建設されました。技術の進展とともに、今は洪水を一時的に溜めこむ遊水地など、自然環境に配慮した多彩な河川整備が行われています。 『石狩川治水に係わる主な事業』は、こうした石狩川流域の発展とともに歴史を刻んだ、治水事業の100年の歩みを振り返り、後世に残すことを目的にしています。石狩川で行われた治水事業のなかから、流域の歴史を表すような事業を選び、下流から上流へ、支川・地域毎に分類しました。各事業が行われた時代がわかるよう、「開拓初期」「明治43年頃」「昭和35年頃」「昭和55年頃」「現在」という、大きな洪水などで治水事業が進展した5つの時代のアイコンと、かんたんなマップも入れています。
専門的な技術よりも、河川改修の経緯などを簡潔にまとめることで、その地域の特色もわかるようにしました。上・中・下流、そしてそれぞれの地域によって、河川改修も違いをみせます。石狩川治水の流れとともに、支川や地域の違いなどをみるのも、100年の醍醐味かと思います。
『石狩川治水に係わる主な事業』をたくさんの人に読んでいただき、石狩川流域と石狩川を再発見し、川へ出かける機会になれば幸いです。それが、今の、そしてこれからの、石狩川を考える一歩につながるものと考えます。
目次1
Area 石狩川(河口・江別)
- 1 石狩川河口橋・石狩川(河口)渡船場
- 2 生振捷水路
- 3 茨戸河跡湖
- 4 志美運河(運河水門)
- 5 石狩放水路
- 6 ミズバショウ群落
- 7 当別捷水路
- 8 篠路第2捷水路
- 9 対雁捷水路
- 10 対雁河跡湖
- 11 伏籠川総合治水対策特定河川事業
- 12 札幌・茨戸間運河
- 13 花畔・銭函間運河
- 14 丘陵堤
- 15 岡﨑式単床ブロック
- 16 石狩川の浚渫事業
- 17 茨戸川浄化対策事業
Area 豊平川
- 18 モエレ沼遊水地
- 19 大友堀
- 20 鴨々川水門
- 21 豊平川新水路
- 22 豊平川床止群
- 23 厚別川新水路
- 24 月寒川・望月寒川
- 25 雁来橋
- 26 豊平橋
- 27 豊平川環境整備事業
- 28 豊平川砂防事業
- 29 定山渓発電所
Area 千歳川
Area 夕張川
Area 石狩川(江別・月形)
目次2
Area 幾春別川・美唄川・幌向川
Area 石狩川(月形・滝川)
Area 空知川
Area 石狩川(滝川・深川)
Area 雨竜川
Area 石狩川(上流)
- 82 オサラッペ川改修事業
- 83 旭橋
- 84 黒岳沢川直轄砂防事業
- 85 緊急用河川敷道路
- 86 石狩川上流環境整備事業
- 87 愛別発電所
- 88 永山床止
- 89 魚がのぼりやすい川づくり推進モデル事業
- 90 カワセミ営巣ブロック
- 91 神竜頭首工
- 92 近文頭首工
- 93 石狩川愛別頭首工
Area 美瑛川
Area 忠別川
Area 牛朱別川
Area ダム
- 103 豊平峡ダム
- 104 定山渓ダム
- 105 漁川ダム
- 106 桂沢ダム
- 107 大夕張ダム
- 108 滝里ダム
- 109 金山ダム
- 110 大雪ダム
- 111 忠別ダム
- 112 芦別ダム
- 113 千歳第3ダム
- 114 千歳第4ダム
- 115 野花南ダム
参考資料
- 石狩川治水史(財団法人北海道開発協会)
- 続石狩川治水史(北海道開発局石狩川開発建設部・北海道開発局旭川開発建設部)
- 石狩川舟運史(財団法人石狩川振興財団)
- 捷水路(財団法人北海道河川防災研究センター)
- 北海土地改良区80年史(北海土地改良区)
- 石狩川の礎(財団法人石狩川振興財団)
- 石狩川の水利(北海道開発局石狩川開発建設部)
- 北海道のダム1986(北海道広域利水調査会)
- 石狩川百景(財団法人北海道開発協会)
- 石狩ファイル(石狩市)
- 他