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湿原再生小委員会

「釧路湿原の河川環境保全に関する検討委員会」小委員会

第8回:平成15年5月27日

 平成15年5月27日(火曜日)、釧路地方合同庁舎において「第8回湿原再生小委員会」が開催されました。委員会では幌呂川地区の自然環境・社会環境について調査結果の報告と今後の調査・検討計画、また、雪裡樋門湛水試験地の抜水後の調査計画、広里地区及びその周辺の湿原再生のあり方について議論がなされました。
第8回湿原再生小委員会は次のようなことが議論されました。

【1.雪裡樋門湛水試験について】
  • 雪裡樋門試験地区で抜水後のハンノキ調査結果及び既存調査から、ハンノキ林の枯死と水位・冠水期間の関係を、ダムなど他の事例を参考に整理しておく必要がある。
  • 安原地区の湿原再生については、堤防と地下水の関係を実験も含めて調査し、再生の方向を検討すべきである。

【2.広里地区の湿原再生について】
  • 広里地区の湿原再生の手法として、旧雪裡川の水位を人為的に上げる検討も必要であるが、農地への影響、利水上の問題などをタスクフォース会議を通じて十分検討すべきである。

【3.幌呂川地区の湿原再生について】
  • 保全・再生目標は、人為的な改変が認められる地域と湿原本来の環境が保全されている地域を把握し設定すべきであり、リファレンスサイトも含めた広範囲の調査が必要である。
  • 幌呂川地区の湿原再生は旧幌呂川への導水など、湿地氾濫原と川の一体化した再生を目指すことが必要である。
  • 湿原再生と河川との関わりは流域全体のものであり、これら小委員会で検討された結果は、釧路川流域委員会に提案していくべきである。
  • 湿原再生箇所

第7回:平成14年10月1日

 平成14年10月1日(火曜日)、釧路地方合同庁舎において「第7回湿原再生小委員会」が開催されました。会議に先立ち、下幌呂地区、雪裡樋門地区、広里地区を視察し、湿原再生箇所の現況や堪水試験の状況について現地確認を行いました。
 会議では現地視察を踏まえ、下幌呂地区における湿原再生の目標や事前調査の方向性、広里地区における湿原再生方針、雪裡樋門堪水試験の過年度調査結果を基に平成14年度調査計画等について議論がなされました。
第7回湿原再生小委員会は次のようなことが議論されました。

【1.湿原再生箇所について検討】
  • 今まで雪裡樋門堪水試験地区の湿原植生の制御について検討してきたが、今後は下幌呂地区と広里地区における湿原再生についても検討していく。

【2.釧路湿原における自然再生事業の進め方を確認】
  • 釧路湿原における自然再生事業は、「流域の視点から計画を策定」、「順応的・段階的な事業の実施(アダプティブマネージメント)」、「各省地元自治体、市民、NPO等との連携」、「情報公開」の4つを基本に進める。

【3.雪裡樋門堪水試験】
  • 堪水によるハンノキの制御効果に関する試験の目的は概ね達成した。試験としての堪水は今年度で終了し、今後は自然な変動に沿った堪水区域の長期的、季節的は水位管理を検討していく。
  • 水位調節に関しては、樋門自体の改造等、今後も議論していく。
  • 雪裡樋門地区の湿原の再生は、自然な水環境を踏まえた連続した生態系の復元の議論も必要である。

【4.広里地区自然再生事業の基本方針】
  • 広里地区の自然再生事業の基本方針、調査・事業の進め方、調査概要について事務局(環境省)より案が報告され、了承された。

【5.下幌呂地区湿原再生】
  • 湿原再生にあたり、標準区(リファレンスサイト)を設ける必要がある。
  • 再生にあたり、周辺農地への影響を配慮するだけでなく、幌呂川、赤沼等を含め広域的に議論する必要がある。
  • 自然再生の目指す方向として、この地域の特徴である台地から湿原への移行帯としての湿原環境の再現、良好な水環境の改善が位置づけられる。しかし、流域負荷に対してのバッファ機能を期待するのは難しい。
  • 具体的施策箇所

第6回:平成14年2月22日

 平成14年2月22日、釧路地方合同庁舎において第6回「湿原再生小委員会」が開催されました。
 これまでの湿原再生小委員会では、湿原植生の制御方法としての有効性を検証するための雪裡樋門付近での湛水試験を中心に議論されてきました。今回の第6回小委員会では、これまでの委員会メンバーに加え、学識経験者、行政機関等の多数のオブザーバーを迎え、引き続き湛水試験について議論されました。さらに、雪裡樋門流域の湿原再生の具体策として新たな施策の素案が提案され、活発な議論が行われました。また、国土交通省等により新たに始まる自然再生事業のうち、環境省実施分についての基本的考え方が紹介され、各委員より意見が出されました。
第6回湿原再生小委員会では次のようなことが議論されました。

【雪裡樋門における湛水試験について】
  • 雪裡樋門地区における現在までの湛水試験結果を理論的、生態的観点から捉えると、湿原再生は可能なはず。さらに、調査・検証を徹底的に進めていくべきである。
  • 雪裡樋門流域で、湿原再生に理想的な箇所をまず再生してみて、多くの人が見学できるようにしてはどうか。
  • 雪裡樋門地区の樋門は水位を制御できる構造にする必要がある。

【自然再生事業(環境省分)について】
  • 事業の実施は、モニタリングを行いながら具体的な検討を進める必要がある。
  • 国立公園の指定区域及び周辺のみならず、区域外の裸地や荒廃地等についても対策を行うべき場所がある。
  • 自然環境のコアとバッファの考え方について、今後整理する必要がある。

【その他】
  • 釧路湿原で調査された資料は公開すべきである。

第5回:平成13年12月17日

 湿原再生小委員会では、ハンノキをはじめとする植生状況の変化などを把握するため、雪裡樋門付近を試験区として湿原湛水試験を行っています。
 平成12年度に引き続き、湛水試験地において動植物・地下水位等の調査を行いました。今年度の調査結果をもとに、自然環境の専門的な立場から湿原再生について助言を得ることを目的として第5回「湿原再生小委員会」が平成13年12月17日に開催されました。
第5回湿原再生小委員会は次のようなことが議論されました。

【1.今後の湛水試験の方向性について】
  • 今回の試験によってハンノキの成長を制御する効果が得られたが、生態に関する詳細については解明されていない部分もあるので、試験を継続する必要がある。
  • 現在の湛水試験地の状況は、昭和30年代の融雪期と同様の風景が見られ、当時はタンチョウや水鳥も生息していた。よって、現在の水位を湿原再生の目安とすることも考えられる。
  • 湛水試験地では、湿原に流入・流出する水の動きを調査するモデル地区に出来るのではないか。
  • ハンノキの樹齢を調査して年代別のグループ分けを行い、湿原再生の目標年代を検討する必要がある。

【2.湛水試験結果のとりまとめについて】
  • 試験結果から、事前に予測された変化要因の仮説を検証するとともに、得られた貴重なデータを解析できるように取りまとめる必要がある。

【3.湛水試験で確認した動植物について】 
  • 湛水試験地周辺に多数のショウドウツバメが飛来しており、その行動の目的等について調べる必要がある。
  • 試験終了後も雪裡地区で湛水を実施する場合は、魚類の遡上に配慮した、魚道の設置が必要である。
  • 今後の湿原再生事業において、確認された貴重種等の動植物に関する資料の取り扱いは慎重にすべきである。

第4回:平成12年12月21日

 雪裡樋門付近を試験区として湿原湛水試験を行い、ハンノキをはじめとする動植物の状況変化などを調査し、自然環境の専門的な立場から湿原再生について助言を得ることを目的とした第4回「湿原再生小委員会」を平成12年12月21日に開催しました。
 第4回小委員会では、第5回検討委員会で示された「釧路湿原の河川環境保全に関する提言(案)」を受けて、目標達成のための具体的な施策の考え方や、平成12年9月から実施している雪裡樋門湛水試験などについて議論が行われました。
第4回湿原再生小委員会では次のようなことが議論されました。

【具体的な施策の考え方について】
  • 湿原再生を実施する場合には、湛水による周辺の水位上昇が考えられるので、周辺の農地への影響を考慮しなければならない。
  • 旧幌呂川に導水する場合、下流側の高層湿原等への影響を考慮しなければならない。
  • 赤沼の水位は、幌呂川の切り換え以前より下がっているのではないか。赤沼の水位データを整理する必要がある。また、航空写真等を用いて赤沼の現在と過去を比較する必要がある。
  • ハンノキ林そのものが土砂流出のフィルター的機能を持つものとも考えられる。
  • モニタリングを行う前に、可能な限り事前に影響を予測しておくことが重要である。

【雪裡樋門湛水試験について】
  • ハンノキと地下水位の関係については、季節的な変動や、周辺の水位との関係を考慮した上で、引き続き調査検討を行う必要がある。
  • ハンノキの生育の仕方や水への耐性については、川沿いと川から離れた箇所に違いがある可能性がある。

第3回:平成12年10月17日

 雪裡樋門付近を試験区として湿原湛水試験を行い、ハンノキをはじめとする動植物の状況変化などを調査し、自然環境の専門的な立場から湿原再生について助言を得ることを目的とした第3回「湿原再生小委員会」を平成12年10月17日に開催しました。
 第3回小委員会では、雪裡樋門付近の湛水試験地の現地視察を行った後、第4回検討委員会で示された「釧路湿原の河川環境保全に関する提言(素案)」を受けて、湿原再生小委員会で議論すべき目標達成までの施策、平成12年度調査中間報告等について議論が行われました。
第3回湿原再生小委員会では次のようなことが議論されました。

【施策について】
  • 湿原に流れこむ川沿いで、近年急激なハンノキ林の発達が見られる場所もある。湿原の保全・再生を図るには、湿原内に限らず河川の上流部も視野に入れる必要がある。
  • 湿原植生が変化してきている原因は、場所により異なっている。それぞれの場所に応じた検討を行い、対策をとる必要があるので、他の小委員会と連携しながら進める。
  • 久箸呂川の直線化された区間の下流では氾濫しやすくなっており、ハンノキ林が発達しているが、その中の立ち枯れが多い場所を遊水池、あるいは沈砂池として利用できるのではないか。
  • 幌呂川の上流部が雪裡川に切り換えられたことで、赤沼の水位が低下しているようにみられる。

【川レンジャーによるモニタリングについて】
  • 野鳥を見てその種を判別するのは難しいので、野鳥が湿原を利用している場所を図面に記入することなどからモニタリングを始めた方がよいと思う。
  • 川レンジャーには、湿原の調査に興味を持って楽しみながら観察を続けてもらうことが大切である。

【その他】
  • 湿原湛水試験のデータは、調査方法や範囲などを適切に整理すべきである。また、調査項目が多いので、調査地点に一連の通し番号を付けると各調査項目のデータ管理がしやすい。

第2回:平成12年7月10日

 雪裡樋門付近を試験区として湿原湛水試験を行い、ハンノキをはじめとする植生状況の変化などを調査し、自然環境の専門的な立場から湿原再生について助言を得ることを目的とした第2回「湿原再生小委員会」を平成12年7月10日に開催しました。
第2回湿原再生小委員会では次のようなことが議論されました。

【釧路湿原の湛水試験について】
  • 今回の試験の大きな目的の一つはハンノキ林と川の水位との関係をみることである。
  • 湿原再生の目的の一つとして、試験湛水によりハンノキ林を制御する一方、湛水によってできる水面を利用する鳥類が生息できるというメリットもあると考えられる。
  • 鳥類調査は、秋の渡り鳥の時期である10月、11月の調査も行った方がよい。
  • 湿原の中ではタンチョウが好む餌が少ないと思われる。カエル等が多数生息する場所をつくることも大事である。
  • 今回の湛水試験は、ハンノキに焦点を絞って行えばよい。事前と事後を比較してどうなるかという検証ができればある程度成果は出せると思う。将来的にこの実験をどう生かしていくのかということも考えなければならない。

【住民参加による調査について】
  • 試験を行って解析・評価してハンノキの広がりを抑制するということも重要であるが、例えば、市民の方の景観評価なども入れて、総合的に評価した方が、この湛水試験は非常に重要な価値があると思う。
  • 鳥類調査等は、釧路湿原川レンジャーなど市民参加型で調査することも可能である。
  • 観察対象となるハンノキを決めておかなければならない。観察する項目については、チェックシートを作成し、誰でも客観的にチェックできるものを用意する必要がある。

第1回:平成12年1月19日

 雪裡樋門付近を試験区として湿原湛水試験を行い、ハンノキをはじめとする植生状況の変化などを調査し、自然環境の専門的な立場から湿原再生について助言を得ることを目的とした第1回「湿原再生小委員会」を平成12年1月19日に開催しました。

第1回湿原再生小委員会では次のようなことが議論されました。

【平成11年調査及び平成12年調査計画について】
  • タンチョウの繁殖状況はヘリコプターを利用して確認できないか。4月と5月の2回調査が望ましい。その際、空中から写真を撮っておくと、湛水前後の植生状況を比較しやすい。
  • 水位を上げる時の堰には、イトヨなどが通過できるように魚道設置の必要性がある。
  • 湛水によるハンノキへの影響を把握する上で、基準木を選び写真撮影しておくと比較しやすい。
  • 湛水中の水位観測は調査地内だけでなく、堤防沿いにも行う必要がある。また、動植物の調査地内の水位データを詳細に調べられないか。

【湛水位、湛水範囲の検討方法について】
  • 湛水により湿原の環境条件を維持することが目的であるから、そのことを調査目的に明記しておくべきである。調査によりマイナスの面もでてくると思うが、それについては心配せずに目的から外れないように注意しなければならない。

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