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旧川復元小委員会

「釧路湿原の河川環境保全に関する検討委員会」小委員会

第6回:平成15年5月27日

 平成15年5月27日(火曜日)、釧路地方合同庁舎において「第6回旧川復元小委員会」が開催されました。委員会では茅沼地区で検討されている旧川復元の効果を定量的に予測・評価していくためのリファレンスサイト(比較対象区)の確認、また、事業実施に向けた河道計画及び施工方法についての基本事項と今後の進め方について議論がなされました。
第6回旧川復元小委員会では次のようなことが議論されました。

【予測・評価に関する調査計画について】
  • リファレンスサイトの設定は、左右岸の植生状況の違いを考慮し設定する必要がある。

【旧川復元計画の基本方針】
  • 治水上の安全度の確保から、右岸の掘削残土を取り払って氾濫させ、最終的に河道の直線部分を埋めるならば、社会に対して説明する必要がある。
  • 段階的に河道の復元を図る場合、海外の事例(キシミー川)を参考にし、実験的に試行するなど、何らかの検証が必要である。
  • 右岸の掘削残土の撤去は、釧路湿原本来の自然環境に合った植生回復の効果も期待できる。
  • 現状の生態系で出現する貴重種に対する配慮としては、生息地に対する保全・他に生育できる場所の確保や移植などを考える必要がある。
  • 水理計算手法は、蛇行河川の流れ、土砂の氾濫・堆積など、現状が再現できるモデルに改良することが必要である。

【河道計画について】
  • 旧川部の掘削断面形状、平面形状の設定は、河岸の土質強度などを考慮し、旧川の河道形状に配慮すべきである。

【施工計画について】
  • 貴重種は勿論、元々ある自然環境の良好な場所と、人為的な影響により植生が変化した場所を区分して、工事施工予定箇所の工事・施工の選定理由を明らかにすべきである。
  • 旧川部を掘削する際は、濁水対策を行うなど、河道内の生息生物の保全に配慮すべきである。対策方法は、投入する費用と効果を考慮し選定する必要がある。
  • 試験調査や工事の実施に際しては、専門家の意見を十分に聞く必要がある。旧川復元小委員会もその役割を果たしていきたい。
  • 復元計画案

第5回:平成14年11月8日

 平成14年11月8日(金曜日)、中標津町のトーヨーグランドホテルにおいて「第5回旧川復元小委員会」が開催されました。委員会に先立ち、釧路川茅沼地区の旧川復元計画の参考として、標津川の自然復元試験地の視察を行いました。
 委員会では、 茅沼地区における旧川復元による効果の予測等について、対照区と比較しながら定量的に予測・評価していく等の議論がされました。

第5回旧川復元小委員会では次のようなことが議論されました。

【茅沼地区旧川復元計画について】
  • 「湿原への土砂流入防止」を一つの目標として設定するのではなく、蛇行河川の機能として生じる副次的な効果として扱うべきである。
  • 旧川を復元することにより生物の個体数が増えるとは限らない。目指すべきものは湿原本来の生物が生息できるような環境を戻すことではないか。
  • 蛇行区間の評価対照区(リファレンスサイト)である下流部の調査をしっかりやり、その際に直線区間の状況も並列することで、目標としての位置付けがより明確になっていくのではないか。
  • 魚類の最終的な目標としては、種類相を下流域(湿原内)に近づけるといった方がよいのではないか。
  • 植生の再生目標を踏まえた復元計画が必要である。

【施策実施効果量の予測評価方法について】
  • 旧川に通水することによって、直線区間の地下水位が下がり、乾燥化するのであれば、対応策が必要ではないか。
  • 現状の区域を全てヨシ-スゲ群落にするのではなく、周辺の状況によって復元する植生を考えていく必要がある。
  • 今後、現状の予測からかけ離れた結果が出る場合の対策も考慮していく必要がある。

【施工計画について】
  • 場合によっては、旧川区間から発生する土砂対策を施す必要がある。
  • 旧川に戻す時は、住民の意見を反映した方法とする必要がある。

第4回:平成14年2月18日

 直線化した河川を旧川に戻す検討を行う第4回「旧川復元小委員会」が第4回「土砂流入小委員会」と合同で平成14年2月18日に開催されました。
 旧川復元小委員会では、旧川復元の目標設定や茅沼地区旧川復元試験計画の修正案等について議論が行われました。

第4回旧川復元小委員会では次のようなことが議論されました。

【旧川復元試験について】
  • 旧河道を全掘削することで旧川復元試験内容を修正し、調査を実施すること。
  • 昔の河道への復元は、河川周辺も含めて元の湿原状態に戻すことであるが、地域の実情も考えなければならない。

【旧川復元方法について】
  • 旧川に生息している生物を移植する場合は、現在の生息環境を十分把握した上で移植を行い、モニタリング調査を継続する必要がある。

第3回:平成12年12月19日

 釧路湿原に流入する直線化した釧路川を元の蛇行河川へ復元するため、茅沼地区で実施される旧川復元試験について。河川工学、自然環境の専門的な立場から助言を得ることを目的とした第3回「旧川復元小委員会」を平成12年12月19日に開催しました。
 第3回小委員会では、第5回検討委員会で示された「釧路湿原の河川環境保全に関する提言」(案)を受けて、目標達成のための具体的な施策、旧川復元の目的、試験計画案(茅沼地区)等について議論が行われました。

第3回旧川復元小委員会では次のようなことが議論されました。

【旧川復元試験計画案について】
  • 通水の第一段階目(試験通水)では、水は釧路川本川に流れ、土砂は旧河道に入りやすくなる可能性がある。水理学的には最初から第三段階目(試験最終)を実施して一気に通水した方がよい。
  • 社会的影響として茅沼地区上流側農地での地下水位上昇や下流への底泥の流出が考えられるので、事前に関係者に試験計画を説明し、理解を得る必要がある。
  • 第三段階目(試験最終)を5年間と固定せず、可能な限り早くした方がよい。よって、長くても5年以内に通水の状態にすべきである。
  • 念のため茅沼地区の底質調査を行い、旧河道の底泥に有害な重金属が含まれていないことを確認しておく必要がある。有機物であれば支障はないと思われる。

【その他】
  • 今後、復元を考えている他の河川についても具体的な復元計画をつくっていく必要がある。

第2回:平成12年10月19日

 釧路湿原に流入する直線化した釧路川を元の蛇行河川へ復元するため、茅沼地区で実施される旧川復元試験に、河川工学、自然環境の専門的な立場から助言を得ることを目的とした第2回「旧川復元小委員会」を平成12年10月19日に開催しました。第2回小委員会では、茅沼地区の旧川復元試験地の現地視察を行った後、第4回検討委員会で示された「釧路湿原の河川環境保全に関する提言」(素案)を受けて、旧川復元小委員会で議論すべき目標達成までの施策、旧川復元試験計画案等について議論が行われました。

第2回旧川復元小委員会では次のようなことが議論されました。

【提言について】
  • 旧川にある貴重な水生動物については、周辺を含めた生息環境を調査し、保全する方向で考える必要がある。

【旧川復元方法について】
  • 河川の蛇行化の効果について、地下水の変化、植生の変化、土砂移動の変化を現在の技術で予測し、実現象とともに検証する。
  • 農地等への影響も考えられるので、モニタリングしながら徐々に水を入れていくべきである。
  • 水面を失った旧川の復元を行う場合、将来、漁業への影響などの問題が起きてくる可能性がある。
  • 計画の通水位置は小規模の工事なので自然環境に対するダメージが少なくてよい。一方、新水路との合流部は河道が狭くなっているため、掘削などの最小限度の土木工事が必要である。
  • 復元にあたってモニタリングする生物指標種が決まっていると、旧川への通水量等が決めやすい。
  • 野生生物の生息環境の視点からモニタリングすることが必要である。イトウなどが生息する環境を復元するには、徐々に水を流すのではなく本来の水量を一気に流す方がよいと思う。

【その他】
  • 新水路の河岸は浸食しにくい土壌で構成されているため、20年経過した現在でも河道は直線形を維持している。
     

第1回:平成12年2月1日

 釧路湿原に流入する直線化した釧路川を元の蛇行河川へ復元するため、茅沼地区で実施される旧川復元試験に、河川工学、自然環境の専門的な立場から助言を得ることを目的とした第1回「旧川復元小委員会」を平成12年2月1日に開催しました。

第1回旧川復元小委員会では次のようなことが議論されました。

【旧川復元試験計画案について】
  • 一般に河道を直線化すると、交互砂州ができ数年経てば蛇行河道に戻るので、現在の直線河道を長期間かけて蛇行河道に戻していく考えもある。直線河道部の交互砂州発達過程を把握するため横断測量はもう少し細かなピッチで行うべきである。
  • 計画対象地周辺のJRについて、水位や蛇行部に近接する箇所への影響について検討する必要がある。その際、計画対象地の高水敷に冠水する融雪出水の観測は必要である。
  • 旧河道の復元については賛成である。

【河川環境について】
  • 魚種が多く、魚が棲みやすい言う点では現在の新河道の方が多様な環境下にある。旧河道の方は、導水して蛇行部に深みができれば多様な環境、例えばイトウの棲める環境になることも考えられる。
  • 旧河道に導水することで旧河道の魚種は多くなるが、個体数は多少減ると考えられる。本来の釧路川を蛇行河道に戻すとすればやむを得ないと考える。
  • 単純に多様性を増すために旧河道を復元するということでなく、本来の湿原を流れる蛇行河道に戻すということが位置づけとして重要である。

【旧河道復元方法について】
  • 今回の茅沼地区の旧河道の復元は、他の直線河道に適用するための実験区として位置づける。
  • 新河道から旧河道に流す水の量を徐々に増加させて最終的には全ての水を旧河道に流すのが望ましい。新河道の方は多様な自然環境を呈す地区になると考えられる。

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