第7回天塩川流域懇談会
ページ内目次
第7回天塩川流域懇談会
- ホーム
- 河川整備計画とは
- 流域懇談会の設立趣旨
- 懇談会メンバー
- 第1回天塩川流域懇談会[平成12年1月20日(木曜日)]
- 第2回天塩川流域懇談会[平成12年2月14日(日曜日)]
- 第3回天塩川流域懇談会[平成12年8月8日(火曜日)]
- 第4回天塩川流域懇談会[平成12年11月28日(火曜日)]
- 第5回天塩川流域懇談会[平成13年3月7日(水曜日)]
- 第6回天塩川流域懇談会[平成13年7月13日(金曜日)]
- 第7回天塩川流域懇談会[平成13年11月2日(金曜日)]
- 第8回天塩川流域懇談会[平成14年1月24日(水曜日)]
- 第9回天塩川流域懇談会[平成14年3月6日(水曜日)]
- 天塩川かわづくりの提言
第7回天塩川流域懇談会
日時:平成13年11月 2日(金曜日)13:00~15:30
場所:士別プリンスホテル2階 金翅の間
出席者:懇談会メンバー(敬称略)
石川 信夫 ・ 梅津 和昭 ・ 岡村 俊邦 ・ 黒木 幹男
酒向 勤 ・ 清水 康行 ・ 田苅子 進 ・ 橘 治國
出羽 寛 ・ 長澤 徹明 ・ 肥田 照美 ・ 前川 光司
山口 研吉 ・ 浅田 弘隆(天塩町助役:代理)
場所:士別プリンスホテル2階 金翅の間
出席者:懇談会メンバー(敬称略)
石川 信夫 ・ 梅津 和昭 ・ 岡村 俊邦 ・ 黒木 幹男
酒向 勤 ・ 清水 康行 ・ 田苅子 進 ・ 橘 治國
出羽 寛 ・ 長澤 徹明 ・ 肥田 照美 ・ 前川 光司
山口 研吉 ・ 浅田 弘隆(天塩町助役:代理)
議事概要
1.懇談会の経緯(第1回~第6回)
2.河川環境の現状と課題
3.流水の正常な機能の維持に関する現状と課題
4.委員懇談
5.第1回懇談会から第6回懇談会までの意見のとりまとめ
6.委員懇談
2.河川環境の現状と課題
3.流水の正常な機能の維持に関する現状と課題
4.委員懇談
5.第1回懇談会から第6回懇談会までの意見のとりまとめ
6.委員懇談
第7回意見のキーワード
- 世界に誇る様々な動植物が生息するサロベツ湿原の問題点を個々に明確にし、中小河川も含めた全体的な河川管理を考えていく必要がある。
- 天塩川の河川環境保全について目標を設定し、ある時点で評価を行い、結果をフィードバックしていくというようなシステムをつくるため、評価基準を定めなければならない。
- 天塩川の特徴は、蛇行していることと三日月湖があること、全国の他の河川に比べて水質がきれいなこと、河川横断工作物が少ないことなどである。その特徴をもっと生かすことで、川の生物を守れないか。
議事要旨
サロベツ湿原の保全について
- サロベツ湿原で今一番話題になっているのは、湿原の保全や農地造成、およびシジミが採れなくなる等の漁業の問題である。1つ1つの問題を明確にし、全体的な水の総合的管理を考えていく必要がある。短期的に簡単に解決できるような種類のものではないので長い時間をかけて方向性を導き出していく必要がある。
- 世界的な遺産のサロベツ湿原があるという認識の元に関係者が集まって話し合うべきである。
- サロベツ湿原は、世界に誇れる色々な貴重な動植物が生息している。今、時間を追ってどんどん環境が変わりつつある。それをそのまま放っておいて消滅させてもいいかどうかという時間の問題がある。今までの流域管理の結果、湿原が危ないというようなことを意識しながら、何か手だてというのを提案していただけないかと思う。
- 高層湿原であることから特殊な生物、貴重な生物が全体をなしており、水の流れから考えると、中小河川を含めた全体的な河川管理ができるような提案はできないのか。
天塩川の有効活用について
- 地域住民としてもっと天塩川を身近なものにしたい。
- 道北の各地域にはそれぞれ観光資源がありながら、なかなか交流人口が創出できない現状にある。今は全国的に道の駅から始まって、町の駅が整備され、川の駅があっても良いと思う。川の駅では、子どもを含めた地域住民に自分たちの住む地域に生息分布する動植物等を知ってもらうことができるような施設を配置するなど、川の駅が利用促進されれば、交流人口が増加すると思う。
- 現在のカヌーポートを川の駅として利用している。例えば、天塩川を下って行くと、カヌーの行程で1日ぐらいの距離に温泉がある。その温泉に上がって、キャンプしてという、1つの体験型観光等色々な形で使えると思う。
天塩川の水質保全について
- 天塩川の水質汚染をみると、小さな枝川にかなりの汚水が流れている。それが集まって、本川に流れ込んでおり、それが案外見落とされている。できる限り小さな支川についても調査して、汚染に対する何らかの対策を考えるべきではないか。
人と生物の関わりについて
- 自然生態系と人の生活とは対立させて考える必要はない。例えば天然記念物や特異な自然などに注目してしまう。いわゆる珍しい種や貴重種ではなくて、もっと身近にある普通の生き物や自然をもっと住民が大事にする。それがほかの地域から来た人にも誇れるものだということが高まっていくと、むしろそれが地元の資源になっていく。もっと地域の自然の中身を知っていくことが大事である。
- 今の自然はその世代の人だけの利益ではなく、貴重種など色々な生物が住めるような環境を次の世代に残すということが、基本的に次世代の人間がどうやって生き延びていくかという戦略の中で河川環境も良くしていこうということではないか。
テッシの保全について
- 天塩川らしさとして取り上げられているテッシは、生物との関係においても特異だと思う。現在も残されているような場所は、生物の生息環境としても何か意味を持っているのではないだろうか。生物の生息環境を阻害しないように河道整備を考えてもらいたい。
- 事務局解答>テッシは天塩川のシンボル的存在であり、生態系の多様性のある場所と言うことで、検討中ですが基本的には残さざるを得ないと考えている。テッシの高水敷の部分を少し下げるとか、そのテッシの形態あるいはそれが持っている機能を壊さない形でいかに流下能力を上げられるかを検討中ですが、それは可能だと考えている。
- テッシの真ん中の岩盤だけを残して、両側全部削り取ってしまうような改修工事はやめていただきたい。
- 事務局解答>今後ああいう状況がないように十分配慮していきたい。
天塩川の水利用について
- 川の水の大部分は農業が使っており、流域の生態や、環境に対して非常に大きな影響を与えている。これをどのように管理、運営していくかということが非常に重要な視点になる。農業の特に水田に関しては、実は完全に消費しているわけではなくて、ほとんどが川に還元している。そういった意味で、他の利水とは少し違うのではないかということを共通の認識にしていただきたい。
- 流域管理という視点が、絶対に必要になってくると思う。
- 岩尾内ダムの管理上、7月1日にある一定のところまで水位を下げており、近年、400万トンの弾力的運用ということで、水位で1メートル持ってもらい、フラッシュ放流的なことを行いながら、生息動物の保護などに充てている状況にある。それを1週間なり10日先に延ばしてもらえると、河川の流量確保の緩和や、農家や他の利水者にとっても、非常に有効に活用できるのでは。
天塩川の環境保全の目標設定について
- 環境保全について目標を設定して、ある時点で評価を行ってフィードバックしていくというようなシステムをぜひ取り入れてもらいたい。そのためには評価基準を定めなければならない。
- 天塩川の生き物の特徴が出されていない。天塩川の生態系、生物相がどうなのかなど、生き物側からもっと特徴を出していくことが必要である。
- 天塩川の特徴というのは、1つは蛇行していること。それから三日月湖があること。また、水質は、全国や北海道の中で比べてみると、いい方かなという感じがする。それともう1つは、本川に障害物が非常に少ないなど、その特徴をもっと生かすことが、少なくとも川の生物を守ることにつながっていくのではないか。川の生物でチョウザメについては何か手を打ちたいような気がする。
- 動植物の評価基準について、できれば例みたいなものを先生たちから示していただいた方がよいのでは。
- 天塩川の陸域の特徴の1つは、森林性の動物が多いということだと思う。例えばエゾアカネズミや、ヒメネズミ、エゾクロテン、エゾリスなどが場合によっては水辺まで生息している。それが1つの特徴だと思う。本来はそういうのが多数生息し、むしろ普通だった。それがそうではなくなってきたというのは、1つは河畔林が原因であると思う。もう1つは堤内地の森林とのつながりを大事にすることである。将来そういうものを回復していくという手がかりになるのだと思う。
サンルダムのメリット、デメリットについて
- 事務局解答>サンルダムの効果については前回説明したので割愛。前回宿題のデメリットについては、13戸の離農、200ヘクタールの農地埋没、森林面積の減少、湛水池内での富栄養化現象等夏場の水質の変化、自生している貴重種のイソツツジ、ヤマハナソウの移植、魚類の移動の妨げ、鳥類への影響、気象の変化、土砂供給の減少等を説明。
- デメリットについては、他に、ダムにより洪水が下流にあまり発生しなくなる。それによって地形的な変化が起こらなくなって、例えばそういう崖面などを利用する生物にとっては、多少影響が出る可能性がある。また、ダムに水をためることによって濁りの発生があるのでは。
- 多分、大量の砂が下流に動かなくなり、生物多様性という観点から、土砂の移動というのは大変重視されており、影響が出るのではないか。また、下流部に土砂が運ばれなくなると、砂を利用している生物、特にシジミなどに影響を与える可能性は十分ある。
- ダムができることによる地域社会へのメリットもあるので、このような点をメリットに加えておくべきである。一般にダムができると、地域の方が在来種と異なる魚種を放流するようなことがいろいろあり、それが観光目的などでメリットになる場合もある。また、鳥類への影響という意味では、確かに森林性の鳥類に対する影響は多少出てくるのだろうが、湖沼性の鳥類は、ここに集まってくる可能性は少なくともある。ダム湖が出現するということは、新たな生物環境の創出であるという観点も加える必要がある。
- ダムができることによる一番大きな影響は、川の縦方向の生き物や土砂も分断するというとらえ方をしている。確かにダム湖ができると、よくワカサギなどを放流し観光資源になるということもあるが、自然生態系から見た場合はそうではないと思う。基本的には、本来の自然生態系を基準にして考えるという視点が必要だと思う。