川で行われた大きな工事(2)
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人の暮らしを守り、助けるために
川は人の暮らしに恵みをあたえてくれますが、洪水になると暮らしを壊します。川とじょうずにつき合うために、いろいろな工事が行われてきました。
洪水から暮らしを守る~治水~
1.十勝川大水害を防げ
明治・大正・昭和初期と、自然なままの曲がりくねった十勝川は、大雨のたびにあふれ、周りの農地や家を飲みこみました。大雨で増えた水をスムーズに流すため、また、地下水の水位を下げて湿地を農地にするために、水の流れやすい十勝川をつくる工事が始まりました。
2.山からの土砂流を防げ
川は水を流すだけでなく、上流でけずり取った土や石を下流に流します。洪水の時には水だけでなく、こうした土や石が、人の暮らしに被害をあたえます。山から流れる土砂を受けとめ、また土砂を流れ出しにくくする工事 = 砂防工事が、行われています。
3.山に降った雨をすぐに流すな
十勝川が整備され、流れが良くなっても、上流からたくさんの水が一気に流れてきては、やはりあふれてしまいます。そこで、十勝川の上流部に、大きなダムが造られることになりました。
川の水を暮らしに利用~利水~
4.農業用水を確保せよ
かつて、池田町の千代田・利別地区にはたくさんの水田がありました。上に書かれた「1」の工事で十勝川が流れやすくなると、川の水位が下がり、水田への水を取れなくなることが予想されました。そこで、水をきちんと取れるように、千代田堰堤が造られることになりました。
5.安定した電力を作り出せ
太平洋戦争が終わり、戦後の混乱から世の中が立ち直る中で、たくさんの電気が必要となってきました。音更川に糠平ダムが造られ、そこにためた水を、音更川、美里別川、利別川の合計5つの水力発電所へ送ることになりました。
6.十分な水道水を確保せよ
帯広市を中心とした十勝の中部では、人が増え、さらに暮らしの様子が変わり、水道水がたくさん必要になっていきました。そこで、札内川上流部に計画された札内川ダムにためる水を、水道用に利用することになりました。